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11月1日、〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動の仲間たちは、11月12日の「天皇即位20年奉祝」に反対するキャンペーンの一環として、新宿駅頭で街頭アピールを行った。

 新宿駅東口前広場は、警視庁・防犯協会の統制化であることが「証明」された。都条例の「安心・安全」と称する治安弾圧体制によって、新宿防犯協会の人々が先頭になって情宣を妨害。

 この妨害を跳ね返して、約1時間、天皇奉祝反対アピールをやりきった。

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 10月31日、〈天皇即位20年奉祝〉に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動は、東京「全国豊かな海づくり大会」に抗議して、会場の東京海洋大学品川キャンパス(東京都港区)近くの品川駅頭で情宣行動を行った。

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 仲間は、冒頭、「天皇即位20年奉祝」法案が結局、国会提出できなかったことを報告。11・12天皇賛美漬けの一角が崩れた成果をバネに天皇制反対運動を広げていこうと呼びかけた。

 通行する人々は、共同行動のアピールにひきつけられ、ビラ、リーフレットを受け取っていく(下記に掲載)。「海づくり大会ってなんだよ」「海洋大学になんで天皇がきているんだよ」「この警官たちの多さはなんだよ」と不快感を表明しながら仲間たちとコミュニケーションをとっていた。いかに大会が民衆から「隔離」されているか。天皇警備=重弾圧態勢下で強行している姿を露呈していた。

 12時すぎに大会終了。参加した人たちが駅頭へ。税金の無駄な支出で作ったカラーの大会パンフが入ったビニール袋を持ちながら、急いで駅に向かう。皆、大会による「疲労感」を早くふっきりたくて足早だ。

共同行動の仲間たちは、参加者に「天皇が出席した大会に反対しています」「天皇賛美の式典は税金の無駄遣いです」と呼びかけながら再度チラシ、リーフレットを渡していった。なかには「天皇大好きです」という人もいたが、「無駄な支出ですよね」と言うと、「そうね」とうなづいていた。

 なお情宣行動に対して機動隊制服部隊が60人。警視庁公安右翼・左翼担当30人が事前配備。権力の挑発を許さず、断固最後まで天皇賛美糾弾をアピールした。

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11・12天皇賛美漬けの一角を崩した流れを広げていこう

 11月12日を「天皇即位20年奉祝」と称して天皇主義者たちは、民衆に天皇賛美をおしつけるために「祝日法」強行制定を策動していた。しかし、下記の「産経新聞」報道のように鳩山連合政権下、民主党の対自民党を意識した勢力の牽制もあって、時間切れとなってしまった。「産経新聞」の記事でわかるように天皇主義者たちは苦々しい事態に追い込まれている。

 さらなる追撃をたたきつけていこう。天皇制はいらない!「天皇即位20年」なんか祝わないぞ!11・12反天皇闘争へ!

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●資料 以下、「産経新聞」の記事から

天皇陛下ご即位20年 国民の「臨時祝日」はなし
2009.10.31 02:07
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091031/stt0910310218001-n1.htm

 天皇陛下のご即位20年を記念し、今年11月12日を祝日にするようすすめてきた自民党は、民主党の協力が得られないとして同日を祝日にすることを正式に断念したことが30日分かった。

 即位の礼が行われた同日を祝日にするための臨時祝日法制定に向けて、超党派の奉祝国会議員連盟が発足し、与野党足並みをそろえた形で解散前の通常国会に法案が提出されていた。解散によって廃案となったことから、今国会への再提出が模索されたが民主党の党内調整が終始難航。官民挙げた奉祝行事が相次いで催されるなかで、「国民の祝日」が流れる結果となった。

 奉祝行事をめぐっては昨年6月、経団連や日本商工会議所、連合などからなる「即位20年奉祝委員会」(会長・日本商工会議所の岡村正会頭)が設立。政府が内閣主催による即位20年の記念式典の開催を閣議決定したことなどを受けて、同日を臨時祝日にする法律制定を目指す超党派議連が発足していた。

 議連には450人を超える国会議員が加盟。民主党からも鳩山由紀夫首相が副会長に、小沢一郎幹事長は顧問として役員に就任していた。鳩山首相は会合にも顔を出し、制定に意欲を示すとともに党内調整を“約束”していた。

 自民党や公明党は、党内手続きを済ませたうえで、今年6月には鳩山首相側から「法案を正式に出してくれたら(民主党としても)対応する」と提案があったこともあり、議員提案で法案を衆院に提出していた。

 しかし、旧社会党系議員や日教組系議員を抱える民主党が、8月の総選挙前に国家観や天皇観をめぐる路線対立を表面化させたくないという事情があって、法案は審議に至らずに廃案に。その後も臨時国会冒頭の制定に向けて関係者による調整が図られたが、民主党内で結論は出ず、実務面や日程上、成立は困難と判断した。

 皇室に関連した祝日には、皇太子さまの結婚の儀の平成5年6月9日、即位の礼が行われた平成2年11月12日などがある。

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『Anti20 第5号』

【5号/目次】
たけもりまき(北九州がっこうユニオン・うい)「はみ出すことから見えてくる『絶望』という名の抵抗線 - この20年は豊かだったのか」

深田卓(死刑廃止国際条約の批准を求める「死刑廃止運動の二〇年 韓国と日本」

藤田卓也(釧路在住)「『富山妙子の全仕事展1950-2009』に寄せて」

桜井大子(反天皇制運動連絡会)「とても豊かな場となったハンテン展  たくさんの人の手で成功!

[特集]「ハンテン展のトークから 〈まつろわない宣言〉」

池田恵理子(女たちの戦争と平和資料館)・井上森(立川自衛隊監視テ ント村)K介(パペティスタ)・小山和久(東京にオリンピックはいら ないネット)・島袋陽子(琉球センターどぅたっち)・戦闘的ゴジラ主 義者(靖国解体企画)・田中宏(自由人権協会代表理事)・田野新一 (フリーター全般労組)・渡辺厚子(都立養護学校教員)(わたなべ・あつこ/都立養護学校教員)

[ただいま行動中!]森理恵
(日本女性学研究会)「おんなの幸せに手本はいらない」

[ただいま行動中!]渡辺つむぎ(荒川・墨田・山谷&足立実行委員会)「関東大震災時朝鮮人虐殺を忘れない!」

[ただいま行動中!]野村洋子(「奉祝」やめろ!行動)「やめろ!行動集会『部落差別と天皇制』」

よびかけ団体から(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)

コラム「鳥の目・虫の目」(金食虫)

共同行動から(中川信明)


主に首都圏で活動している様々なグループ・個人が集まり、「式典」当 日に向けて横断的に、多彩な行動を積み重ねていくことをめざしています。

共同行動のニュースとして『Anti20』を創刊しました。ぜひとも定期購読をお願いします。私たちは、このニュースを、たんなる集会の宣伝や、共同行動のアピールの手段にとどめず、読み応えのある、それ自体が相対的に自律した反 「奉祝」のメディアとしていきたいと思っています。

12月まで毎月月末刊行、A4判16ページ、8号分2000円(送料とも)。一部200円でばら売りもしますが、確実に入手するため、ぜひぜひ、定期購読を申し込んで下さい。
0号からお送りします。

◆郵便振替口座
加入者名:天皇即位20年奉祝に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動
口座番号:00180─7─564826

天皇即位20年奉祝に異議あり! え~かげんにせーよ共同行動
東京都千代田区三崎町3-1-18 近江ビル 市民のひろば気付
FAX 03-5275-5989
Eメール:igiari20@ten-no.net (@を半角に書き換えて送信してください)


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共同行動から

「天皇制はいらない」と、言い続けること、思い続けること  

中川信明


 「天皇在位20年奉祝」決議が、各地の県議会で採決されているという。10月1日段階で、秋田、神奈川、新潟、富山、石川、和歌山、岡山、広島、福岡、長崎、宮崎の11県であがったとのこと。この11と いう数字が多いのか少ないのか、議論の分かれるところだが、私の印象では、決議が粛々と形式的にあがっているだけで熱
気は感じられない(もしかしたら、現場は熱いのかもしれないが)。

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9月27日、「行動する保守運動」を自称する「在日特権を許さない会」や「主権回復を目指す会」などのレイシスト集団が東京・秋葉原で行った「外国人参政権反対」デモにおいて、かれらのデモに対してたった一人で「排外主義に反対です」と書かれたプラカードを向けた若者に、デモの途中であるにもかかわらず参加者たちが集団でリンチするという事件が起きた。


▲「在特会」の関係者がアップしたと思われる集団リンチの映像

また、「在特会」らは、そのリンチ映像を「戦果」として、「シナ人(ママ)を撃沈」などとタイトルをつけた動画をいくつもYou-Tubeにアップするという、かれらのおぞましい本性を自らあらわにした。かれらの関係者と思われるものがアップした動画では、他にもデモ中にかれらが「中国人」と見なした通行人を集団で小突くなどの場面も映し出されている。

この前日の26日には、「レイシストの頭目」を気取る西村修平が主宰する「主権回復を目指す会」が主体となっていると思われる池袋での街宣の前に、集団で中国人が経営する食材店に押しかけて「24時間営業の店が歩道にダンボールや冷蔵庫をはみ出させているのは道路交通法違反だ」などという愚にもつかない言いがかりをつけて「シナ人・チャンコロ(ママ)を日本から叩き出すぞ」と気勢を上げるなど、かつてロシアでの「ポグロム」やナチスの「クリスタルナハト」を思わせる暴挙に出た。また、同日の街宣中にも通りすがりの者を「中国人だ」などとして、集団で暴行を加え、その映像を嬉々としてYou-Tubeにアップしている。

「在特会」らのレイシスト集団は、もはや「人を見たら敵と思え。敵は殺しても構わない」という妄執に駆られた「反社会的暴力集団」とでも言うべき存在に、自ら成り下がったというべきだろう。さらに恥知らずなことに、かれらが嬉々としてアップした「戦果」動画を観たインターネットユーザーから、ネット上の各所で非難の声が上がり、デモ参加者からすら「外国人参政権に反対するために参加したのに、ただの外国人排斥デモだった。しかも暴力を容認するのでは、もう参加できない」などの声が寄せられると、「あれはデモに紛れ込んだサヨクの自作自演かもしれない」などと誰も信じないようなデマを嘯いている。まさに「息をするように嘘をつく」レイシストどもである。

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 9月6日、文京区民センターで、〈まつろわない者たちの祭〉ハンテン展-私たちの20年とはどんなものであったのか〈展示〉と〈表現〉が天皇即位20年奉祝に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動の主催で開催され、130人が参加した。

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▲展示された反天皇制運動の歴史的なグッズや資料の数々

 右翼が同じ階の会場を借りていることがわかり、中に入っての妨害も考えられるので、共同行動は午前11時半の開始であったが午前8時に集まり、妨害を許さない体制をつくった。そして、街宣右翼の会場前での外宣車を使ってのがなりたてる妨害、会場に入って妨害しようとする行動を毅然と跳ね返してハンテン展を成功させた。

多彩な展示

 次のような展示が会場いっぱいに行われた。

●アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」--戦時性暴力の被害と加害を記録し続け、今の日本を変えていこう
●大浦作品を鑑賞する市民の会--昭和天皇の写真をコラージュした「遠近を抱えて」が富山県立近代美術館で非公開となる(1984)など、この作品を通じて「天皇制のタブー」について考える
●貝原浩鉛筆画展--天皇制を笑いとばす毒に満ちた表現
●狐の紙芝居-日系ブラジル人たちが日本の敗戦をめぐり熾烈に争った歴史を紹介しながら天皇制を考える●再録:「昭和天皇記念館・文京区民別館」
●たなかさとし:彫塑
●ビデオ塾:アジアの「慰安婦」証言記録と女性国際戦犯法廷」
●Xデーから20年、「国旗国歌法」から10年--まつろわぬものたち・神奈川
●フリーター全般労働組合
●「北方領土の日」反対!「アイヌ新法」実現!全国実行委員・関東グループ-展示:天皇制単一民族国家観を撃つ
●琉球センターどぅたっち。 

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天皇即位20年奉祝に異議あり!え~かげんにせーよ共同行動のニュース「Anti20 第4号」の紹介です。ぜひ購読を

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『Anti20 第4号』


【4号/目次】
岡田剛士(派兵チェック編集委員会)「インティファーダと日本の派兵 国家化─この20年を、ごく個人的に振り返る」

天野恵一(反天皇制運動連絡会)「『大衆天皇制』の成立と『終わり』 (?)」

菅孝行(評論家)「恐るべき昭和天皇賛美│松本健一『畏るべき昭和 天皇』」

キム チョンミ(東アジア近現代史研究)「1910年に東アジ アで、なにがあったか」

荒井克浩(「平和の灯を!ヤスクニの闇へ!」キャンドル行動実行委員 会)「東アジアからヤスクニを見る」

K(814集会実行委)「排外主義者のヘイトスピーチを許すな!」

遠藤陽二(会社員)「天皇を頂点とする祭祀共同体という危険性」

北野誉(反天皇制運動連絡会)「8・15行動に右翼の襲撃、反撃の声を!」

よびかけ団体から(天皇の即位20周年「奉祝」を許さない九州行 動/アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会)

コラム「鳥の目・虫の目」(ハダシの鶏/お馬車の轍の中のフンコロガ シ)

共同行動から(山下一夫/アジア連帯講座)

●12月まで毎月月末刊行、A4判16ページ、8号分 2000円(送料とも)。一部200円でばら売りもしますが、確実に 入手するため、ぜひぜひ、定期購読を申し込んで下さい。0号からお送 りします。

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石原都知事は即刻辞任しろ!

 都教委包囲・首都圏ネットは、8月28日、都教委がある都庁第二庁舎前で「石原都知事は即刻退陣せよ!東京都杉並区の『つくる会』教科書採択弾劾!改悪教基法の実働化と闘おう!」をメインスローガンに掲げ、集会と都知事、都教委への申し入れ行動を行った。全国の闘う仲間たちも駆けつけ250人が参加した。

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 石原都知事と都教委は、グローバル派兵国家建設と連動して新自由主義的教育破壊、愛国心教育を強行してきた。しかし首都圏ネットをはじめ闘う教育労働者は、「日の丸・君が代」強制の10・23通達撤回、不服従の不起立・ピアノ伴奏拒否の闘いを押し進め、職務命令違反と証する懲戒処分者が420人以上におよんでいるが、粘り強く反処分・「日の丸・君が代」反対の闘いを展開している。

 次々と巻き起こる闘いに対して都教委は、教職員の差別・分断にむけて主任教諭制と五段階職務賃金制度の導入、管理強化のための業績評価(人事考課制度)、言論弾圧をねらった職員会議での挙手・採決禁止、「日の丸・君が代」に反対する教職員の労働権を奪う分限免職処分強行などによって闘いを押し潰そうと攻撃のスピードを加速化させている。7月21日都議会選挙で石原都知事をバックアップしてきた自民党・公明党が過半数割れした。都議選結果は、石原新銀行の破綻、教育・医療・福祉破壊、ムダな東京オリンピック誘致運動、築地市場移転問題に対して明確な反対と抗議の現れだ。石原都政を包囲していく陣形が確実に拡がっている。さらに追撃を行っていこう。石原都知事は辞めろ!

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8月15日に、私たちも参加した反靖国デモにおいて、とりわけ九段坂下での極右・レイシストと彼らに扇動された人々の敵対について、レイシストたちは「左翼のデモを粉砕した」などとしている(実際はデモ申請どおりに進行し、予定どおりに解散地点で解散したわけだが)。

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▲賑やかに反靖国デモを貫徹(8月15日)

しかし、毎年恒例ともいえる右派の「8.15デモ」への敵対のために、例年以上の3-400人以上の人々が結集し、デモ隊のプラカードや横断幕、パペットなどを強奪するという集団暴力を働いたことについて、一定の分析は必要だろう。

前提として確認しなければならないことは、極右・レイシストの暴力は、「靖国派」が政治的に敗北を続け、追いつめられていることへの焦りの表現であるということだ。

2006年の小泉による8.15靖国参拝に対するアジア民衆の憤激によって、その後は極右タカ派の安倍ですら「8.15参拝」を断念することを強いられている状況が続いている。今年にいたっては、首相の麻生はおろか、閣僚のほぼ全員が「8.15参拝」を断念し、「参拝」に赴いたのは野田消費者担当大臣ただ一人だった。

靖国神社などという施設は、もはやアジアにおける日本企業の展開にとって桎梏でしかなく、次の総選挙で下野が確実と言われる自民党にとっても、もはや「神頼み」にすがれるようなシロモノですらなくなった、ということだ。

また、民主党の鳩山由紀夫は「政権をとったら首相として靖国を参拝することはない。閣僚にも自粛していただく」そして「靖国に代わる国立無宗教追悼施設を新たに作る」と明言した。「国立無宗教追悼施設」の是非はさておいても、この民主党の態度にも、右派は相当の危機感を募らせていることは間違いない。

それは、日本国内においてすら、「ヤスクニ」は戦死者を人質にして利用しながら、極右思想を「護持」し、新たに流布する「侵略戦争賛美神社」の総本山であることが、民衆に広く認知されることになった結果でもあるだろう。

このことは、長年粘り強く展開されてきた各種の「反靖国」の闘いの成果であるとともに、とりわけ2006年から取り組まれている韓国・台湾原住民・中国の戦争被害者の子孫たちと日本民衆の共同行動である「反ヤスクニ・キャンドル行動」の意義は大きいだろう。

侵略戦争とそれを開き直る日本政府と靖国神社に対して、渡日したアジア民衆が直接怒りを表現する「キャンドル行動」に、右派は相当の危機感を持って敵対してきた。とりわけ、右派が勝手に「親日的」などとしてきた台湾から、原住民がが大挙来日してラディカルな怒りを示してきたことに対して、右派は原住民たちのリーダー格の高金素梅さんに対して「彼女は元芸能人」とか「片親は大陸出身だから台湾人じゃない」などの無内容なネガティヴ・キャンペーンを繰り返すしかなかった。

とりわけ、今年の8月11日には、台湾原住民による靖国神社突入闘争に直面した右派は、あらためて台湾原住民ひいてはアジア民衆の「ヤスクニ」への怒りの深さを突きつけられ、相当の衝撃を受けたことは間違いない。そしてもはや、右派は安易に「台湾は親日的(だから靖国に寛容)」などと、留保をつけずに口にすることはできなくなったのだ。

また、安倍晋三政権の早期崩壊以降、改憲スケジュールも停止したまま復旧できない状況が続いている。右派・レイシストは、この追いつめられた状況を「核武装論」と極端なレイシズム、そして「暴力的突出」によって突破しようとしているに過ぎないのだ。8.15の極右・レイシストたちの暴力は、このような政治的に追い詰められたかれらの「悪あがき」の妄動でしかない。

もちろん、私たちは極右・レイシストたちの「暴力的突出」には警戒を要するし、そこにあるのは「右翼vs左翼の争い」などではなく、「右翼の暴力vs言論の自由」であることを広く社会に訴え、暴力を包囲する陣形を形成しなければならない。

しかし、右派に「この次」の政治的展望を見出すことはできないだろう。田母神流の「核武装論」は世論の多数になり得ないし、日米軍事同盟を否定できない右派にとってアメリカを刺激する「日本核武装」は、保守政治の主流にはなりえない。

また、アメリカですら「黒人大統領」が誕生する時代に(ここではオバマの評価は関係ない)、アジア蔑視のレイシズムがやはり多数になる時代ではないのである。いずれにしても、現在の右派の主張は、新自由主義グローバリゼーションの展開にとって、靖国神社とともに桎梏にしかならないのである。

しかしまた、このような極右レイシズムの主張に共鳴する若者が増えていることは軽視するべきでないことはたしかだろう。かれらは、「一億総中流」と言われた時代に育ち、その「中流」から没落していく危機感を「日本が弱くなったのは反日勢力のせいだ」という妄想に近い「被害者意識」と危機感の中で、アジア民衆と左派・民主勢力を敵視することで、「かつての強い日本の再興」を夢見て、強化された国家の庇護の下で自らも救われたいと思っているのである。そこには、「大国日本」が中国に追い越され、日本の「国際的地位」の低下が止まらない状況への危機感も連動していることも、間違いないだろう。゜

そこには、「連綿と続く皇室が表現する"日本"という物語」あるいは、たかだか100年かそこらの「天皇教新興カルト」でしかない「ヤスクニ」に「ニッポン」を見出して、「国のために戦った先人たちが祀られている"靖国"という物語」などというノスタルジーに過ぎない「物語」に耽っているにすぎない。

この「物語」は、単純で無内容であるが故に、「心のよりどころ」を失った一定層の若者たちに浸透しやすい側面を否定することはできないだろう。そして、私たちにもまた、人間が権利と尊厳のために蓄積してきた「民衆の抵抗史」のなかに自らを位置づけうる「物語」があり、「未来のための人とのつながり」を現場での運動によって表現することで、その物語を紡ぎ、示していくことが求められているように思う。

それは、「日本の没落」なるものは、労働者と庶民の生活より企業の利潤を優先する資本主義というシステムの疲弊と没落そのものであり、「サブプライム事態」以降の世界的な金融危機という「資本主義の世界的没落」の脈絡にあることをあきらかにして、「反資本主義」の旗を高く掲げることに他ならない。その「希望は連帯と闘争」という私たちの「新しい大きな物語」のなかに、若者たちを獲得していくことに私たちの任務があることを強く自覚しよう。

 靖国神社は解体できる!
 レイシズムに未来はない!
 勝利するのは平和と共生を求める民衆だ!

(F)

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アキヒト天皇制20年=「戦争国家で安心安全」を問う8.15 行動実行委員会の抗議声明とカンパ要請が届きましたので配信します。

 8.15行動(靖国デモ)に対する右翼による襲撃・テロを許さない!

 ~抗議とカンパの要請~

 2009年8月15日、私たち「アキヒト天皇制20年=『戦争国家で安心安全』を問う8.15行動」は、文京区内で
集会を持ったあと、夕方から神保町、九段下にかけてデモ行進をおこなった。

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国家権力・排外主義者が一体となった闘争破壊を断固はねかえし、闘争貫徹!

 「20年奉祝」への民衆的対抗メッセージめざし
 
 8月15日、8・15実行委員会は、「アキヒト天皇制20年『戦争国家で安心安全』を問う8・15行動」集会と反靖国デモを行い、会場を埋め尽くす170人が集会に、そして会場に入りきれず通路・階段などで待機していた仲間も含めて220人がデモに参加した。

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▲「侵略神社解体しよう!」と訴えて220人がデモ

 11・12「天皇即位20年式典」を前にしてこの日、天皇制と戦争賛美派は、様々な立振る舞いを行っている。政府主催の全国戦没者追悼式で天皇アキヒトは、アジア・太平洋民衆に対する犯罪と戦争責任について謝罪せず、自衛隊がアフガニスタン侵略戦争に加担しているにもかかわらず「世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」などと詭弁を繰り返した。麻生首相にいたっては、「世界の恒久平和の確立に向けて、積極的に貢献していく」と述べ、次期政権においても米国のグローバル戦争に参戦していくための恒久派兵法制定の圧力を行うほどだ。

 靖国神社では日本会議などの集会、あわせて閣僚で野田消費者相、超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(自民党・民主党・無所属衆参国会議員41人)が参拝しアピールした。また鳩山民主党代表は、戦争と天皇制賛美のための国立追悼施設推進発言を行っている。このような動きに連動して街宣天皇主義右翼、主権回復を目指す会(代表・西村修平)、在日特権を許さない市民の会(桜井誠会長)などが差別・排外主義、ナショナリズムを撒き散らし、反天皇勢力に対する暴力主義的行動を強めている。憲法改悪・戦争国家化推進勢力、別働隊らの活性化を許さず、反天皇・靖国解体を断固として掲げ社会的に逆包囲を強化していこう。

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