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 3月19日、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、カナダなどからなる多国籍軍が「オデッセイの夜明け」と命名されたリビアに対する軍事作戦を開始した。カダフィ政権の首都トリポリやリビア軍基地を主要目標にした空爆は、巡航ミサイル・トマホークなどを使って行われ、軍部隊のみならず市民を殺傷している。

 このリビアへの軍事介入は3月17日の国連安保理決議に基づくものであった。リビアのカダフィ政権は、この安保理決議を受けて反政府派に対する「停戦」を発表したが、現実には攻撃は継続されているとして、多国籍軍は軍事介入に踏み切ったのである。しかし、17日の安保理決議の時点で、この軍事作戦の敢行は決まっていたと見るべきだろう。

リビアへの軍事介入に対してアフリカ連合(AU)は「即時停戦」を求めて反対し、中国、ロシアも「遺憾の意」を表明した。日本政府は松本外相の談話で多国籍軍による軍事作戦を支持する態度を明らかにした。他方、カダフィ政権は「十字軍による残忍で正義のない侵略行為」への徹底抗戦を呼びかけている。

 われわれは、米英仏などによる軍事介入に反対する。それは言うまでもなくカダフィを支持するからではない。カダフィは自由を求めるリビアの民衆闘争が、チュニジア、エジプトの民衆決起・独裁政権打倒に続いて大きく発展し、カダフィ政権を崩壊の寸前にまで追い詰めていった時、空爆により多くの市民を無差別に虐殺した。独裁者カダフィは、反政府勢力を「テロリスト」であり「アルカイダ一派」であるとさえ決めつけてこの虐殺を正当化した。われわれはカダフィ打倒をめざす民衆の側に立つ。帝国主義諸国によるリビア軍事介入は、リビア民衆の自由を求める革命運動をいっそうの困難に追い込むものである。

軍事介入を行った多国籍軍は「市民に対する虐殺の阻止」を大義名分に掲げている。ここには明白なダブルスタンダードが存在する。イエメンやバーレーンの政権は、自国に波及した闘いに対してリビアと同様に軍による民衆虐殺を行った。バーレーンは米第五艦隊の基地が存在する親米独裁王制であり少数派のスンニ派が多数派住民であるシーア派民衆の権利を抑圧している。そしてバーレーンの王制が湾岸諸国に民衆弾圧のための軍隊派遣を求め、サウジアラビアが軍を送りこんだとき、「バーレーンの主権」としてそれを容認したのはクリントン米国務長官だった。米国はパレスチナ民衆を虐殺するシオニスト・イスラエルを支持している。

リビアへの軍事介入を行った諸国こそ、2003年にカダフィが「大量破壊兵器計画」廃棄を宣言し、国連安保理がリビアへの制裁を解除して以後、リビアの豊富な石油資源への利権と引き換えに大量の武器を提供し、カダフィの民衆弾圧を支えてきた。カダフィ一族が蓄積した莫大な個人資産こそ、米英仏などの大資本と独裁者の癒着の証である。そしていまリビアへの軍事侵略に踏み込んだ米英仏などの目的は、アラブ全域に広がる民衆の闘いが帝国主義諸国の石油支配を揺るがし、イスラエルのシオニスト国家を脅かす状況に陥ることを阻止するためである。
 
今回の軍事介入は、リビアの民衆が自らの未来を切り開くための条件をさらに困難にするものであることは間違いない。いますぐ軍事介入をやめろ!(3月21日 K)

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