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権力犯罪を糾弾し、勝利判決をかちとるために支援・連帯を
5月17日、東京地裁721法廷で麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟の第1回裁判が行われた。40人の傍聴席は埋め尽くされ、傍聴できなかった仲間たちもいた。
訴訟団は、2月26日、麻生邸リアリティツアーで起きた不当逮捕事件(2008年10月26日、東京都公安条例違反〔無届け集団示威運動〕、公務執行妨害罪の現行犯逮捕で10日の不当勾留)に対してその被弾圧者(園良太さん、渡邊洋一さん、Aさん)と違法な家宅捜索(コンピューターの強奪など)を受けたフリーター全般労組が原告となり、弾圧を強行した警視庁の責任機関である東京都、違法な勾留状及び捜索差押令状を発布した裁判所の国を相手にして、権力犯罪を許さず、路上の表現の自由を求め、公安条例の撤廃をかちとっていくために国賠訴訟の闘いに踏み出した。
訴訟団の代理人は、川村理弁護士、大口昭彦弁護士、小竹広子弁護士。
公安条例・公務執行妨害罪の構成要件に該当しない
麻生国賠の争点は、こうだ。
第1は、不当逮捕した根拠として東京都公安条例を適用しているが、そもそも条例自身が集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由を保障した憲法21条に違反しており、この違憲条例を適用すること自体が誤りだ。しかも被弾圧者の園良太さんは、麻生邸を見学に行くことを目的としたツアー参加者として渋谷駅を出発する際に、渋谷警察署警備課長の「プラカードや風船を下ろし人形の首を取った状態ならば麻生邸に行って良い」という指示のもとに歩道を歩いていただけであった。
さらに権力は、園さんたちになんら警告・制止もせず、突然、逮捕を強行したのである。被弾圧者の渡邊さん、Aさんは、園さんの直近にいただけであり、警察官らの過剰警備・逮捕強行によって被害を受けたのが本当の姿である。条例違反の構成要件に該当しないことは、権力の不当弾圧の一連のプロセスを撮影した長時間の映像によって完璧に証明されている。
東京高裁(中山隆夫裁判長)は、3月29日、堀越明男さん(元社会保険庁職員)が自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などのビラを配っていたことを警視庁公安部が国家公務員法違反(政治的行為の制限)だとでっち上げ不当逮捕を強行した事件(2004年3月3日)について、一審の東京地裁の罰金十万円、執行猶予二年という不当判決(06年6月29日)を破棄し逆転無罪を言い渡した。
▲堀越明男さん
判決は、国家公務員法第102条の政治的行為禁止規定を「合憲」だと判断し、司法権力としてバランスをとりつつ、「国民の意識は変化し、表現の自由が特に重要だという認識が深まっている」「勤務時間外まで全面的に政治活動を禁止するのは、規制が不必要に広すぎる」という矛盾した主張を押し出しながら、堀越さんが行った行為を処罰することは「国家公務員の政治活動の自由にやむを得ない限度を超えた制約を加えたもので、憲法21条などに違反する」と断定したのである。憲法21条(言論・表現の自由)の観点から堀越さんの宣伝活動を合憲であると認めた。
中山裁判長は、このような苦しい論理構成であることが明白であったため「国家公務員への政治的行為の禁止は、諸外国と比べて広範なもの。世界標準という視点からも、刑事罰の対象とすることの当否、その範囲を含めて再検討されるべき時代が到来している」と「付言」し、違憲に満ちた国公法を批判せざるをえない方向に舵を切ったのであった。
「残念ながら、一審、二審の各判決では、〔JRCLは過去20年以上、暴力的な破壊行為を行っていない〕として、JRCLは『暴力性のない組織』と認定された」(「治安フォーラム 4号」織渡部賢治)。
これは公安政治警察の広報誌「治安フォーラム 4号」の巻頭論文だ。「民主主義社会に増殖する寄生虫・過激派の本質=暴力性 織渡部賢治」と題して、横浜APEC警備・治安弾圧体制強化を煽動するための一環として掲載された一文である。JRCL特集でなんと18ページだ。ついにJRCL=「寄生虫」とまで規定してしまった。これまでのフォーラムの表現からすると、「どう喝」のトーンを強めている。
▲平和集会に乱入する公安刑事(大阪 2004年3月)
これは何かの変化かと思ったら、なんのことはない横浜地裁、東京高裁での10・24免状不実記載弾圧国賠裁判の「敗北」判決結果を提示していない奇妙な文章を作ってしまっただけであった。要するに国賠裁判において一審、二審とも神奈川県が敗訴したことを明記できないほど警察庁・公安警察にとって、許しがたい判決だったということなのである。
織渡部文章は、裁判所に対する怒り、憎しみが明らかだ。公安警察の怒りの感情を忠実に代弁せざるをえないほど、否!でっち上げを強要され、自己保身的に延命するために躊躇せず書きなぐってしまったのが実態であろう。当然、公安警察広報部は、織渡部文書を事前チェックしているはずだ。しかし、一審、二審とも神奈川県が敗訴した現実を直視することが公安警察の崩壊につながってしまうために、現実逃避を習性とする公安の体質から苦し紛れのバランスとして「残念ながら」という表現を採用するしかなかった。
織渡部よ、ここまで見透かされてしまう内容なのだ。公安警察広報部の圧力・強要があったことを見事に自己暴露してしまっている「作文」になっていることを「評価」 する。とりわけJRCLを「寄生虫」と規定しなければならないほど、そして横浜APEC反対運動を弾圧するために「奇妙な気合」を外部注入しなければならないほど危機意識をストレートに表現してしまっていることも指摘しておく。
県警の隠蔽工作、逃げ切りを許さない!
反APEC運動の一環として警察糾弾・公安警察解体を掲げていこう
11月横浜APEC警備を利用して、対テロ・治安弾圧体制強化でハリキッテている神奈川県警に激震が起きている。県官僚組織をめぐる裏金作りの発覚を契機に県警に「飛び火」してしまったのだ。県警は2月5日、長年、巧妙に隠蔽しながら不正経理(裏金作り)を繰り返してきたが、逃げ切ることができないと判断し、03年~08年度にわたった本部54部署と54警察署での総額14億318万円の裏金作り犯罪を認めざるをえなかった。業者に公金をプールする「預け」で7億4970万円、納品を翌年度に回す「翌年度納入」の操作で3億1430万円、契約せずに物品を納入させる「契約前納入」で1億8419万円などである。最低170業者と共謀のうえ犯行を続けていた。
▲神奈川県警のAPEC弾圧訓練(09年6月)
県警幹部は、「署の会計課長や経理担当職員など117人が不正経理への関与を認めている」と公表した。しかし、なんと県警幹部に調査聴取していないにもかかわらず「幹部の関与はない」とか、「主に会計担当者がそれぞれやったことで、組織的なものではない」などと下部に責任に押しつけ、「トカゲの尻尾切り」で強行突破していくというあいかわらずの居直りを前面に押し出してきた。犯罪者が自己の犯罪を調査することはできない。たとえ調査してもそれは隠蔽するための取り組みでしかない。
渡辺巧本部長よ!「県民の信頼を裏切り誠に申し訳ない。再発防止に努める」と謝罪したが、税金を泥棒した総額返金はいったいどうするのだ。公文書偽造、公金横領罪が完璧に成立しているが、誰が罪人を逮捕し、捜査するというのだ。犯罪者集団が捜査するというのか? ふざけるな!ただちに第三者機関による調査を行い犯罪実態を社会的に公開せよ。とりわけ人権弾圧を繰り返してきた公安警察は、「捜査の秘密」などと理由にもならない言い訳をして、必死に抵抗してくるに違いない。
12月23日、「『生活保護申請を記録して逮捕って何だよ?!』─生存権を求めたA君は無罪だ─」集会が大久保地域センターで行われた。主催は、フリーター全般労働組合など実行委。
8月、大阪府柏原市の福祉事務所に生活保護申請に赴いた「ユニオンぼちぼち」の組合員A君が、保護申請の様子をビデオカメラに収めたことに対して職員は被害届けを出した。10月末に大阪府警は、A君を「職務強要」容疑で不当逮捕した。大阪地検は11月16日に起訴攻撃を強行してきた。
この弾圧は、行政の「水際作戦」と称する生保申請者への追い払いの横行を促進するものだ。ビデオ記録は、不誠実な対応を繰り返す福祉事務所に対して適切な市民監視の一環である。この弾圧を許してしまうことは、保護を求める行為を萎縮させ、行政機関の活動はますます不可視化してしまう。A君の奪還・無罪を勝ち取るために支援・連帯していこう。
不当弾圧を許すな
集会は、橋口昌治さん(関西非正規等労働組合「ユニオンぼちぼち」委員長)の報告から始まった。
【支援要請/転送転載歓迎】
A君は無罪だ!生活保護申請に対する不当逮捕・起訴弾劾!!
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
2009.11.28
「生活保護の申請をさせて下さい!」と泣く泣くカメラを手にしたA君を逮捕・起訴するなんてあんまりじゃないか!
A君の救援活動と無罪を勝ち取るための法廷闘争へのカンパをどうか宜しくお願いします!
【カンパ先】
郵便振替 00900ー8ー263985
加入者名 ユニオンぼちぼち(通信欄に「A君」と記して下さい。)
この件に関する問い合わせやメッセージは
hogohiwoageroアットyahoo.co.jp
(アットを@に置き換えてお送り下さい)までメールをお願いします。
10月27日朝、組合員であるA君は、いきなりやってきた大阪府警によって家宅捜索をされ、職務強要罪(※)で令状逮捕されました。
29日に送検、勾留延長もされ11月16日に起訴されてしまいました。
A君は福祉事務所から生活保護を受給していました。結果的に受給は出来ていたものの申請にあたっては大変な困難が伴った末の保護決定でした。
今年2月、ユニオンぼちぼちは世界的な金融危機以降悪化する雇用情勢の変化に伴い、生活保護の取得の仕方を学ぶための学習会を開催しました。
全国各地のユニオンの共通の課題として浮上してきた問題だと思いますが、労働にまつわる相談の解決の前にまずは生活の安定が必要であり、そのための生活保護申請のノウハウを組合員間で学習しようという試みです。
勤務先で散々社長に罵られた挙句に不当解雇に合い、組合に相談にやってきたことがA君と組合との出会いでした。
A君は労働法などを一生懸命勉強し、自分が争議の中心になって会社との交渉を行ってきました。
しかし生活面は安定したものと言える状態にはなく、生活保護を申請することになりました。
ユニオンぼちぼちは、生活保護の申請時における「水際作戦」といわれる福祉事務所の対応が問題だと考えてきました。
水際作戦とは、福祉事務所へ相談に訪れた人々に対し、申請用紙を渡すまえに職員が理由をつけて追い返すことにより、保護の件数を予め抑制しようという手法です。なんとか申請をして保護を受給できたとしても福祉事務所からの執拗な「指導」により保護打ち切りに合い、保護基準以下の生活を再び強いられていく人が少なくありません。
北九州市においては生活保護を打ち切られた男性が「おにぎりが食べたい」と書き置きを残して餓死するなど、全国で痛ましい事件が続発しています。日弁連によると、本来なら生活保護制度を利用できる経済状態にある人々に対しての実際の支給率はわずか9~19・7%ということです。
その大きな要因として、福祉事務所による申請への違法な拒否行為が挙げられています。
A君の保護申請は、こうした状況の中で行われたものでした。
本来、困った人のために相談にのり、サポートするのが仕事であるはずの福祉事務所の対応はとても冷たいものでした。
そのことにA君は不安を募らせていきました。そして残念ながら、当初の保護申請は却下されてしまいました。困ったA君は再度申請を行おうとしましたが、福祉事務所は素直に取り合ってはくれません。
やむにやまれず自分の部屋からビデオカメラを持ってきて、福祉事務所の職員に訴えました。
「生活保護の申請をさせて下さい!」
2ヵ月半後、この時の行為が職務強要罪の容疑にあたるとされ、A君は逮捕されました。
しかし組合員が一緒に福祉事務所に話に行くと保護が支給されることが決まり、逮捕までの2ヵ月半の間A君は無事に保護生活を送っていました。逮捕の2日後、ユニオンぼちぼちの大阪事務所が家宅捜索されました。念のため付け加えておきますと、生活保護を受給する資格がないのに恐喝して違法に受給をしたという容疑ではありません。その証拠に現在も保護は廃止(取り消し)ではなく、逮捕・勾留による停止という状態になっています。
職員の冷酷な対応を受け、やむにやまれずカメラを回しながら訴えたことが容疑とされているのです。
その後、その映像が公開さたことはありません。
勉強熱心なA君は逮捕前、生活保護を抜け出すために国の新しく始めた職業訓練制度を使い訓練学校に通い始めていました。
入学のための選考試験は簡単なものではなく、時には落ち込むこともありました。
しかし何度かの不合格を乗り越え、ようやく入学することが叶ったとき、私たちは手を取り合って喜んだものです。
資格取得を目指して学校に通うことはA君にとって生きる張り合いになっていました。
身近で様子を見聞きしてきた私たちは、その生活がとても大切なものであるということを感じていました。
しかし、ようやく安定して学校生活に通えるようになった矢先に、突然逮捕されてしまったのです。
A君は無実です。逮捕・起訴・勾留によって学校生活もメチャクチャにされてしまいました。
このままではA君は出席不足による退学処分になってしまいます。
私たちはA君の即時釈放を求めています。
そして裁判では必ずA君の無罪を勝ち取らなければなりません。また、この事件で有罪の判例を出させてしまったら、労働運動や社会運動においてビデオカメラを使うこと自体が抑制される恐れがあり、到底容認できるものではありません。
心を寄せてくださる皆様には、未曾有の失業の嵐のなか大変心苦しい限りではございますが、この闘いへのカンパを寄せて頂くようお願い致します。
※職務強要罪とは、公務員に対して、「ある処分をさせる目的」、「ある処分をさせない目的」や「公務員の職を辞させる目的」のいずれかをもって、暴行または脅迫を加えるというもので、「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金」という重い罪です。
私たちはA君の言動が犯罪にあたるという見解を容認できません。
▲中央が不当弾圧された荒川庸生さん
われわれは、11・30葛飾ビラ配布弾圧事件不当判決を断固糾弾するとともに民衆の政治活動に対して敵対を深める司法権力を許さない。被弾圧者の荒川庸生さんの「(ビラ配布を)私は再開します。果敢にがんばっている方がたくさんおられます。社会常識として、ビラ配りをすることが、この判決を歴史から葬ることにつながります」 (『しんぶん赤旗』12・1)という力強いアピールを支持する。そして治安弾圧体制の強化に踏み込む司法・検察・公安政治警察を厳しく批判し、逆包囲していく陣形建設の取り組んでいくことを誓う。とりわけ公安政治警察が自らの延命のために「微罪弾圧」を繰り返していることを許さず、阻止・解体していくために10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判の勝利(9・15に神奈川県は上告を断念し、高裁勝利判決確定)の地平をバネにしながら奮闘していくことを決意する。
【支援要請/転送転載歓迎】
A君は無罪だ!生活保護申請に対する不当逮捕・起訴弾劾!!
関西非正規等労働組合ユニオンぼちぼち
2009.11.28
「生活保護の申請をさせて下さい!」と泣く泣くカメラを手にしたA君を逮捕・起訴するなんてあんまりじゃないか!
A君の救援活動と無罪を勝ち取るための法廷闘争へのカンパをどうか宜しくお願いします!
【カンパ先】
郵便振替 00900ー8ー263985
加入者名 ユニオンぼちぼち(通信欄に「A君」と記して下さい。)
この件に関する問い合わせやメッセージは
hogohiwoageroアットyahoo.co.jp
(アットを@に置き換えてお送り下さい)までメールをお願いします。
10月27日朝、組合員であるA君は、いきなりやってきた大阪府警によって家宅捜索をされ、職務強要罪(※)で令状逮捕されました。
29日に送検、勾留延長もされ11月16日に起訴されてしまいました。
A君は福祉事務所から生活保護を受給していました。結果的に受給は出来ていたものの申請にあたっては大変な困難が伴った末の保護決定でした。
「ごめんで」で済むなら警察はいらない
柳原浩 編 桂書房(1300円+税)
http://www.katsurabook.com/tablecloth/books-new.html
富山えん罪事件 この犯罪の責任は、いったい誰が、どのように取るのか
本書は、「時間を返せ!人生を返してくれ!」と訴える富山えん罪国賠原告の柳原浩さんと支える会の協働作業で誕生した。権力犯罪を糾弾し、国家賠償請求裁判闘争勝利にむけた決意宣言書である。柳原さんは、二つの強かん事件の犯人だとでっち上げられ裁判後、刑務所に下獄。出所してから真犯人が逮捕され、富山県警と地検が「誤認」逮捕を認め、柳原さんが再審で無罪となった。裁判員制度の実施強行直前においてあらためてえん罪事件の問題を浮き彫りにした。
9.15神奈川県は上告を断念・判決確定=完全勝利を勝ち取った!
公安警察の横暴に第二の楔を打ち込む!
反「微罪弾圧」を広げていこう
公安警察防衛が東京高裁の本音だ!
▲原告側の内田弁護士と川村弁護士
9月9日、10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国家賠償請求裁判で東京高等裁判所第23民事部(鈴木健太裁判長)は、横浜地裁のAに金33万円、越境社に金11万円、関西新時代社に金11万円を支払えという判決を維持し、神奈川県の控訴を棄却した。
この控訴審勝訴は、県警公安三課に打撃を与えるとともに、各地で徘徊する公安警察の政治弾圧、人権侵害のやりたい放題を阻止していくためめの重大な一歩である。この成果を各運動戦線で共有化し、「微罪弾圧」をはね返していこう。
実家は「第二の生活本拠」だ
判決の問題点の第一は、一審判決と同様に免状不実記載罪の構成要件があると判断したことだ。Aが実家に何回も立ち寄り、コミュニケーションを図っていたことを追認し、判決の中でAが「罪証隠滅・逃亡のおそれ・身分の秘匿」がなかったことを「免許証の更新の際に、同人自身がかつて実際に住んでいた実家で、かつ、住民票上の住所となっていた鎌倉の住所地を住所として申請したというものであり、同所には原告Aの母親が居住しており、かつて原告Aが鎌倉の住所地に住んでいたころにも同所を住所として免許証の申請・更新がされていたこと(原審原告A本人)、したがって、免状(免許証)に不実の記載をさせたといっても、およそ関連性のない住所を作出したというものではない」と認めていながらも「二次的な生活の本拠」であることを否定した。
実家という「第二の生活本拠」の住所を自動車運転免許証の住所地として申請することは、道路交通法の「その者の特定、免許証の取消、停止、反則行為に対する処理手続を円滑、適正に行う」趣旨に反していなにもかかわらず認めなかった。道路交通法上、『住所』はその複数の存在が許容される住所複数説論の存在を気にしながらわざわざ判決は、「虚偽の申立とはいえない場合も考えられる」「申請者の生活の場が2カ所以上ある場合」などと設定しながらも、「免許証の有する公証性や公法上の法規適用上」からストレートに認められないとし、「公務員に対する虚偽の申立にも該当」すると断定し、県警公安の「微罪弾圧」に加担するのだ。高裁はAが提出した数々の写真、書類等々によって頻繁に実家に訪れていたことを認めざるをえなかった。
つまり明らかに「第二の生活本拠」であることが証明されていたにもかかわらず強引に否定したのである。高裁は、国家権力の一機構としてあり、防衛していくための「任務」から、このような乱暴な論法で切り捨てざるをえなかったのだ。