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アメリカ大統領選挙は、下馬評どおりバラク・オバマが当選した。
この「新大統領」は、アメリカ帝国の「覇権主義」と「新自由主義政策」に変化をもたらすことが出来るのか。韓国の社会運動情報サイト"チャムセサン"に興味深い論評が7日付で掲載されたので、翻訳して転載する。

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[コラム]アメリカ人たちはオバマに「帝国の夢」を見たのではないか?
) / 2008年11月07日 0時32分
http://www.newscham.net/news/view.php?board=news&nid=50250

ペ・ソンジン(編集委員)

番くるわせはなかった。アメリカ民主党オバマ候補が遂に米歴史上初めて黒人である大統領として当選した。マケインは早々に敗北を潔く認めたし、開票結果においても圧勝をおさめた。44年ぶりの最高投票率を記録し、人種、年齢、学歴、所得、性別などすべての部門で支持を得た。「ブラッドリー效果」(Wilder effect)は威力を発揮することができなかった。特にバージニア、ネバダ、コロラド、ニューメキシコ、アイオワなど伝統的な「共和党菜園」でのオバマの勝利は意味は大きい。これと共に上・下院議員選挙で民主党が過半議席を超えて議会を掌握することで力強い統治基盤を構築した。

夢はかなう

今度の選挙ははじめから全世界的な焦眉の関心事だった。それは何より国家と資本からの差別と抑圧のくびきによって自由ではない黒人、または女性の大統領が誕生する可能性が濃厚だったからだ。もちろんその裏面には、アメリカの暴力的で野蛮的な覇権主義に対する反発と白人優越主義が内在した西欧中心のグローバルな政治経済力学の構図に対する拒否感が表現されたことで解釈することができる。

そして、今度の選挙に対して「地球村」全体が多様な興奮とフィーバーを見せてくれた。中国の胡錦涛主席と首相の温家宝はそれぞれオバマに祝電を送る非常に異例的で迅速な姿を見せてくれた。アメリカと敵対的関係にあるイランとキューバも相次いで歓迎の意思を表明した。このようにオバマ熱風が「地球村」のあちこちに吹きながら当選を念願する世論が高まったことはオバマの世界観や政策がブッシュと違くて、黒人という点で「非主流ながら少数者の出身」という要因も作用したように見える。すなわち、その世界における「新大統領誕生歓迎」には WASP(アングロサクリン、白人、プロテスタント)が根幹を成すアメリカの支配体制に対する怒りと憎悪が内在しているのだ。


オバマ当選は多様な意味を内包しているが、なによりも特別なことはキング牧師の「私には夢がある」(I have a dream)の希望が 45年かけて今日初めて一つのきっかけで実現したことにある。その意味でオバマ当選は、長年の歳月をかけて準備された非常に意味のある歴史的な「黒色革命」と言ってよいだろう。

やはり問題は経済だ

オバマ当選によるアメリカの政権交替は、もうずいぶん前から予想された単純なゲームに過ぎない。今度の選挙で民主党が勝利するはずだという予測は、イラク戦の敗北が明らかになって2006年中間選挙で民主党が上下院議員ともにを席巻してからあった。そしてサブプライム事態が発生したことによって、振り戻ることができない歴史となったのだ。すなわちイラク戦争と9.11以後のネオコンの傍若無人ぶり、そして金融危機などブッシュ行政府の8年の失政に対する審判論が有権者たちに幅広い支持を受けたからだ。米国民はアプガニスタンとイラク戦争の長期化による極度の疲弊状態にとりつかれた状態だった。戦争によって天文学的な戦費が出費される間、大恐慌以後最悪の金融危機が近づいたし、金融危機は実体経済の危機にまで拡散しながら‘苦難の行軍’を強いられるようになった。

いつもそうだったように、今度の選挙の核心争点は経済問題だった。「アーカンソーの地方出身者」クリントンが父ブッシュ体制を崩した武器もやっぱり経済だった。民主党が、1992年大統領選挙で勝利したのはニューディール路線に対する資本の拒否反応、そして総論では新自由主義を支持するが各論では共和党の政策に不満を持った一部資本家分派たちの‘新民主路線’への支持に大きく負ったからだった。一方父ブッシュが湾岸戦争で勝ってからも再選に失敗したことは、そのくらい経済的負担を強いたからだ。クリントンが1996年大統領選挙で勝利し、ルーズベルト(Franklin Roosevelt) 以後最初に再選に成功した民主党大統領になった理由もやはり経済であり、働き口の創出、社会セーフネット構築など「ニューディールプログラム」を擁護したからだ.

保守主義者たちが長い間支配しながら極甚な経済的不平等が持続したアメリカは、1929年に始まった大恐慌によってすべてのものを後まわしにして放置した。市場の崩壊以後、1933年始まったルーズベルトのニューディールを通じてアメリカ社会は方向を転換し、中産層中心の社会に再編されたのだ。しかし中産層中心の社会は、70年代以後から崩れ始めた。人種問題によって‘ニューディール連合’が瓦解したことによる白人たちの反発に基盤した保守主義運動が共和党を掌握して、ひいては大統領選挙で勝利するようになったのが決定的だった。

レーガン政府の登場とともに始まった新自由主義は、経済危機とともにニューディール連合の崩壊を伴った。しかしニューディールプログラムを擁護したクリントンの登場と共に新しい変化を模索していることのように見えたが、1990年代中盤以後から国際情勢に対するアメリカの介入が拡がって現ブッシュ政権へと至る"言葉尻"を提供した。ソマリア介入とコソボ事態、そして(クリントン政権による)イラク空爆がこれをよく見せてくれる例だと言える。

クリントンが集権した90年代は生産の膨脹ではなく金融膨脹を基盤にした‘新経済’の幻想を触発した時期だった。アメリカの新経済が金融的膨脹に全面的に寄り掛かることによって経常収支赤字につながったが、新経済の本格的繁栄期の1990年代末にはむしろ最高水準で拡がった。クリントンが社会保障費を大々的に削減して一時的に財政赤字を財政収支均衡で回したが、9.11以後戦争準備が加速化されるなか、アメリカはまたも財政赤字が発生したのだ。こんなに金融化に基盤した新自由主義は深刻な問題を量産するようになって、アメリカ経済の不安定性を増幅させて結局アメリカ発世界経済危機へと至ることになったのだ。

新自由主義グローバリゼーションの歪んだ英雄が、周辺の視線をものともせず"死骸遊び"を楽しむ間に、全世界民衆たちの苦痛は深くなったが、あいにくにもこれに比例して帝国の姿はさらにグロテスクに変貌しながら次第に廃物になっていっていた。結局アメリカという化け物は手助けを要請に至ったし、これらの切迫する事態に対して民衆たちは冷笑とあざ笑うことで肯定的に回答したが、資本の総団結とブルジョア国家の積極的な介入によって一時的に危機を縫合しなければならなかった。

アメリカ発経済危機は、ルーズベルト期に始まったアメリカの帝国的道の方向を決めたような"きっかけ"となるように見える。サブプライム問題では、問題の発端は2000年5月のドットコムバブル崩壊と9.11以後の景気低迷を乗り越えるために実施されたアメリカの低金利政策と住宅景気浮揚政策のためだった。それでもう2年前からこれから発生する危険に対してよほど深層的に挙論された。ところで米大統領選挙を鼻先に置いて新自由主義の失敗を赤裸裸に告発して金融市場を崩壊させたことはちょっと訝しい。

重要なことは新自由主義グローバリゼーションを主導して来たアメリカで、新自由主義を拒否するという大統領の登場はアメリカ経済だけではなく世界経済秩序の再編まで予告しているというのだ。オバマは以前からブッシュ行政府の市場原理主義が危機の根本と言いながら、市場に対する政府の適切な規制が必要だと主張して来た。一方マケインは自らもこの問題に別段に関心がないと認めたし、ひいては経済成長のために富裕層に集中された減税策を実施してからは市場が最善で規制は必要ないという共和党の古典的な論理を広げながら敗北を自ら招いた。

オバマからアメリカの希望と夢が実現するか?

予想はしたが実際にオバマがアメリカの大統領になったらどうなるのか、とても多くの好奇心を押えつけることができない。本当にアメリカに新しい希望と夢をもたらすことができるか?彼が打ち立てる変化はどんな姿に近付くだろうか?経済危機はどのように解決するだろうか?などなど。米国民が今度の選挙でブラッドリ效果を顔負けにさせるほどに肌色に関係なくオバマを選択したということは、そのくらい不確実な未来に対して悲観的で、恐ろしさが大きいからだ.

オバマ当選で多くの変化の要求が今すぐ実現することは難しい。アメリカの覇権的一国主義と西欧中心のグローバル政治経済秩序を一挙に変貌させることもできない。彼の政策的力量とリーダーシップに対して、まだ検証されたこともない。それでもアメリカとしては“昔、昔、アメリカでは…”のみを吟じたマケインよりもオバマが"效率的な選択"と見さされた。ただ、アメリカ人たちが未完成状態で残しておいたニューディールを仕上げることができる機会が到来したことは確かだ。一応、オバマの主要公約の中に国民医療保険制も導入と富裕層のための減税制度の廃止は現実化になる可能性が非常に高いからだ。ついでに、(民主党が)突き放した労組も、もう一度生かしてみてはどうだろう。

明らかなことは、アメリカが一大転機を迎えるようになったということだ。9.11以後一国主義で走り抜けたアメリカの対外政策が、新しいターニングポイントを予告していることだけは間違いなく見える。しかし彼の外交路線が前任者と違うからといって、「地球村」の他の構成員皆に ‘最善’を意味するということではない。オバマは夢をつかんだが、アメリカは夢をつかむことができるだろうか?アメリカ人たちがオバマから見た希望と夢は何だろう?それは過去のうまく行った光栄の時代を、すなわち帝国の道を再現することなのではないか?

もしそうなら、彼に期待することは何もない。それでも、「もしや」とする心で一つだけ提案してみる。今度の機会に毎年5千億ドルを超える国防費を大幅に減らしてみてはどうだろう?アメリカ政府は、今年4,550億ドルという史上最大の財政赤字が予想されると言う。単純計算すれば答えは簡単だ。世界平和と米経済のために本当に望ましい方案に違いない。しかし、あまり期待したくはない。やはりオバマはアメリカの大統領で資本と国家から自由ではないだろうからだ。

今度の大統領選挙を見守りながら、去る2007年12月の韓国の大統領選挙と比較をしてみた。一番大きい争点は経済問題だったし、現政権の「おかげさま」で新大統領が誕生したという類似性がある。韓国はABR(Anything But Roh-ROHは盧泰愚氏の「廬」の英語表記)、アメリカは ABB(Anything But Bush)。一方、最も代表的な差異を見れば、韓国の李明博政府は新自由主義をやみくもに推進しながら、全世界的次元の経済危機克服の方策に逆らっているし、オバマは一応新自由主義を拒否しているということだ。

去る11月3日付け中央日報で「“大統領、力を出しなさい”とMBマン(李明博の側近)たちがまた集まる」という記事が目に止まった。誰が大統領になっても関係ないと李明博らは言ったが、オバマ当選で韓米自由貿易協定(FTA)、北朝鮮核問題、対北政策などでアメリカから叱責を受けるとか、あるいは弾き出されるのではないかと心配事が多いようだ。

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