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G7(7か国財務大臣・中央銀行総裁会議)に参加した中川昭一財務相の飲酒疑惑会見が大きな問題になっている。中川いわく「風邪で体調が悪かったので、朝昼晩と風邪薬を飲んでいたが、ちょっと量が多かった」。堕落に堕落を重ねた末に世界中に危機を拡大させた資本主義システム救済のためにローマに集まったブルジョア大臣もまた同じく堕落の深海に溺れもがいている。

だが中川は、風邪薬とアルコールで意識がもうろうとしながらも、ローマでしっかりとブルジョア大臣としての役割を果たしてきた。昨年11月に麻生首相が発表した国際通貨基金(IMF)への1000億ドルの資金支援についての合意文書を、IMFのストロスカーン専務理事との間で調印をしてきたのである。

◎IMF、日本との1,000億ドルの融資取極に署名(IMF)
http://www.imf.org/external/japanese/index.htm
◎日本政府とIMFとの間の融資取極(仮訳)PDF
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokkin/imf_210214.pdf

今回の世界的な金融危機に際して、アイスランド、ウクライナ、ハンガリー、パキスタンなどがIMFに緊急融資を申し入れた。麻生は、金融危機に瀕しているこれらの国々への支援をIMFが十分に行えるよう、IMFへ1000億ドルの資金を外貨準備から提供すると表明し、他の国にもIMFへの支援を呼びかけた。

だが、もうだまされてはならない。アジア通貨危機の際に、IMFから緊急融資を受けた諸国に課された条件は、何よりもまずその資金を使って、金融機関に金を返済することであった。今回合意された1000億ドルの資金支援も同様に、金融危機のツケを支払わされる労働者、農漁民の生活を救済するためではなく、金融機関、とりわけカジノ資本主義のマネーゲームを煽りに煽り、自らもその参加者となって、強欲の限りを尽くし、巨額の損失を出した後は、そのツケを社会化しようとする帝国主義諸国の金融機関救済のためにIMFに差し出された資金である。


IMFは帝国主義諸国による支配の道具のひとつである。アメリカ、日本、ドイツ、フランス、イギリスの五カ国だけで、IMFの意思決定権の40%を握っている。

帝国主諸国の金融機関の都合で第三世界に貸し付けられた借金は、危機の度合いを深め80年代に債務不履行などの通貨危機として爆発した。IMFは「救済」と称して緊急融資を行い、実際にはその金を使って帝国主義諸国の金融機関に借金を返済させ、さらに新自由主義的構造改革を迫ってきた。関税引き下げ、規制緩和、大企業減税、農業保護撤廃、民営化、通貨切り下げ、その他その他・・・。IMFの処方箋を飲んだ各国の貧困は拡大しつづけた。

「途上国」と呼ばれる諸国が1970年に抱えていた債務は700億ドル。メキシコの累積債務問題が浮上した82年にはその10倍の7,122億ドル、2000年には2.26兆ドルにまで拡大した。

その間も、資金は「北」の帝国主義諸国から「南」の諸国へ貸し付けられ続け、独裁者やブルジョアジーの懐を潤しながら、最後には「開発プロジェクト」や「債務返済」などの名目で帝国主義諸国の金融機関、ゼネコン、軍需産業、コンサル会社、政治家どもに還流しつづけた。

ブルジョア大臣は言う。「風邪薬の処方箋のせいで、しどろもどろになってしまった」と。だが、「南」の諸国の労働者、農漁民、女性、青年、子どもたちは、IMFの処方箋とショック療法によって塗炭の苦しみをいまも強制されつづけている。ブルジョア大臣は確かに薬とアルコールでしどろもどろであったのかもしれない。だが、死の苦悶にあえぎながらも決して自ら歴史の舞台から退場しようとしない資本主義システムの国際金融市場を救済するために、何をなすべきか、ハッキリと認識していたのである。

ブルジョア大臣と共にG7に出席した帝国主義中央銀行は、金融機関救済のために、ドル資金の無制限供給、金融機関の保有する株式やコマーシャルペーパーなどの買取のために巨額のマネーを供給している。二日酔いにならないためには、酔いが覚めないように、永遠と飲みつづければよい。いま日銀が実施している資金供給のための各種オペレーションは、そのようなきわめて危険な施策である。

この危険な饗宴をやめさせることができるのは、地球規模での気候変動などによる環境破壊による人類の未来の断絶か、そうでなければ、民主主義、平和、環境、フェミニズム、平等など人類のたたかいのなかでかちとられてきた成果を、巨大になりすぎた生産力に結び付け、つくりかえるたたかい=社会主義への再挑戦のどちらかしかない。資本主義の最高段階としての帝国主義が引き起こした第一次世界大戦に際して、ローザ・ルクセンブルグは「社会主義かバーバリズムか」というスローガンを提起した。

支持率が一ケタ台に落ち込んだ世襲のたらい回しブルジョア首相は、しどろもどろのブルジョア大臣の続投を指示した。4月2日にはロンドンで二回目の金融サミット(G20)が開催されようとしている。死の苦悶、いや、饗宴の二日酔いにあえぐ麻生首相とその大臣たちをロンドンに登場させる前に打倒しよう。

国内外の労働者民衆からの搾取で積み上げた外貨準備でIMF体制を救済するな!
IMF・世銀は債務を帳消しにして解散せよ!

(H)
 

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