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4月3日から4日にかけてフランスのストラスブールで開催された北大西洋条約機構(NATO)に対する抗議・会場包囲アクションが2日から4日まで連日現地で取り組まれた。G20金融サミットにおいて、連日の抗議の嵐の洗礼を受けたオバマやサルコジたちは、移動先のストラスブールにおいても、抗議の「熱烈不歓迎」の嵐を受けることになった。
今回のNATO首脳会議は、ブッシュ時代の単独行動主義によって亀裂と不和が生じた米欧の軍事的協力関係を修復し、さらにNATO軍事同盟を拡大強化する目論見を持って開催された。そして、フランスがNATO体制に復帰し、新たにアルバニアとクロアチアが加盟し、NATO体制はさらに拡大強化されることになった。
イラク戦争に「反対」の意を示し、独自の立場を示してきたフランスやドイツなどの諸国は、オバマの公約より大幅に延長された「イラクからの完全撤退時期」や後退した占領のための駐留人員削減プランを支持している。また、「(イラク侵攻は)フセイン独裁政権を排除した」と自画自賛するオバマに抗議もせず、アメリカにイラク民衆への謝罪も賠償も求めないままに、「新たなパートナーシップ」を謳うという欺まん的な姿勢をあらためてあらわにするした。
この「新たなパートナーシップ」とは、イラク同様に多くの民間人を虐殺し、劣化ウラン弾などの残虐兵器を使用しながら、国連のコンセンサスのもとでコソボやユーゴで起こした「人権のため」などと称した戦争を支持・推進したクリントン政権時代の関係に戻るというものでしかない。会議は、主に「アフガンでの占領の継続と各国派兵部隊の維持・増派」について話し合われ、イギリスは500人以上、ベルギーは150人など各国が兵員増派と継続を表明した。また、ソマリア「海賊」対策についても話し合われ、日本の「貢献」を称賛した上で、NATO加盟国の一致した対策を検討課題とするとしている。
このことは、新自由主義グローバリゼーションのもたらしてきた貧困拡大や大国の横暴を不問にしたまま、「ならず者国家」や「テロリスト」「海賊」に対しては軍事力によって叩き潰すことで、多国籍企業の安定した活動を保障しようとするものでしかなく、ブッシュ政権時代とさほどの違いもないものだ。
このような、NATO首脳会議に対して、2日から4日まで連日の抗議行動が行われた。フランスの警察当局は、2万人以上の機動隊を配備したが、会場の周囲はデモ隊で埋め尽くされて抗議の怒号と催涙弾の臭いの立ち込める会議となった。
また、反資本主義新党(NPA)は、反G20アクションに続いて、この反NATO包囲アクションにおいても、大動員で結集し「フランスのNATO復帰反対」「アフガン増派反対・仏駐留部隊の即時撤退」を訴え、機動隊の暴力に対して非暴力直接行動で対峙した。オリヴィエ・ブザンスノーは常に隊列の先頭にあり続け、仲間たちを鼓舞した。
今回の反NATOアクションは、ロンドンでのG20金融サミット反対アクションに引き続くヨーロッパにおける「闘争の一週間」として貫徹され、IMFによる世界金融支配と結びついたグローバルな軍事同盟に対する「帝国へのレジスタンス」のさらなる拡大を印象付けるものとなった。
(F)