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1989 
▲1989年北京の春と呼ばれた民主化運動では
多数の労働者が学生支援に駆けつけた


【解説】以下は、中国国内から発せられた「メーデー宣言」である。メーデーの直前に中国国内のいくつかのインターネット掲示板などに掲載されたが、すぐに削除されてしまった。中国の「自由主義派」(その代表は08憲章に署名している人々)は、政治的独裁には反対するが、新自由主義には反対しない(資本主義に対してはいうまでもない)。「新左派」は逆に、新自由主義には反対するが国家の独裁には反対しない。今日の中国はすでに官僚による独占資本主義として台頭している。中国共産党官僚の鉄蹄とブルジョアジーの搾取が共存し、補完しあっている現在、国家の独裁に反対すると同時に、資本主義にも反対しなければならないことを、現実の状況が浮き彫りにしている。それは以下に掲載する「生産と政治において労働者が主人公となる社会の建設」というメーデー宣言の立場でもある。(香港・先駆社) 


===

中国に労働者民主主義を!
労働者のメーデー宣言

一群の労働者

我々は、生産と政治において労働者が主人公となる社会の建設を訴える!

改革開放から30年。国家は豊かになり、経営者は財をなしたが、苦労に苦労重ね日夜を問わず働き続けてきた労働者は、年老い、病を患い、身包みを剥がれて、街頭に叩き出された。いまでは経営者の飼い犬のほうが労働者よりも大事にされている!

かつて労働者階級の前衛組織と称していた組織は、すでに徹底的に労働者階級を裏切り、独裁的手段をもちいて、労働者階級を抑圧し、資産階級の利益を擁護している。中国の労働者階級は、腐敗官僚と資産階級の二重の搾取にさらされている。賃金上昇のスピードは豚肉の値上がりのスピードに永遠に追いつきはしない。
 
資本は、無制限の利潤追求のために、労働者による労働の成果を搾取し、極度の低賃金をその報酬としている。労働者はすでに「生きることもできず、死ぬこともできず、養うこともできず、住むこともできず、学ぶこともできず、病を患うこともできない」という状況に達している。その一方で、資本は生産を刺激するために不断の消費を必要としている。これこそが資本主義生産様式の矛盾である。労働者は生産者としてだけではなく消費者でもある。労働者の購買力が不足すれば、生産過剰の危機が加速する。それは今回の世界規模の金融危機の爆発の根源でもある。


欧米などの資本主義国家もおなじように経済危機を労働者階級に転嫁しようとしている。しかし長年にわたる労働運動の持続的な抵抗によって、福祉国家の建設に成功してきたことから、ブルジョア政府が福祉の削減をしたくても、そう容易にはいかない。またフランスやドイツでは、ブルジョア国家による攻勢は、労働者の反撃に遭っており、何百万ものストライキやデモによって、立ち往生している。

しかし中国では、労働者は結社の自由すらなく、団結することができない。それゆえ、貪婪腐敗した中国のブルジョアジーと政府は、完全かつ徹底的に危機を労働者階級に転嫁することができるのである。かれらが打ち出している「企業を防衛し、経営者を救済する」という一連の政策も、何が「困難な企業は社会保険の納付を緩和してもよい」「被解雇者への経済補償金は分割して支払ってもよい」だ。いわゆる「雇用を保障する」政策もあるにはある。しかし「実態は無期限の休暇」という雇用では、労働者を破滅の道へ追いやるものではないか。団結しなければ被害は避けられない。

四千万人の出稼ぎ労働者が仕事を失った!
八百万人の大学生が就職できない!

土地使用権の流動化は、(農村出身の)労働者を都市と農村の間で流動化させるだけであり、今後かれらは身の寄せ所さえも失ってしまうだろう!

労働者階級はすでに「前に道はなく、後ろには追っ手が迫っている」という塗炭の苦しみの中にある。中国の貧富の格差は前代未聞の水準にまで達している。ブルジョアジーの政治的代弁者は、人民代表大会、政治協商会議、新聞メディアなどのさまざまなパイプを通じて、労働法規や政策を後退させる法改定を発動している。
 
政治と所有制度全体が経営者の利益に大きく傾斜する現在、労働者が生存する現実の社会では不公平、不公正、賃金格差、社会的差別などの問題が出現している。それに加えて、役人や裁判官の独裁的作風は、労働者をして自主的な権利闘争の道に向かわせている。

団結こそ力だ。この道理はすべての労働者が理解している。だが如何にして団結するのか。憲法は公民の集会や結社などの権利を保障している。労働法でも労働者には集団的交渉権が確認されている。これらの権利が官僚によって妨害され実現できなければ、それは絵に描いた餅でしかない。労働者による現実の闘争は、すでにひとつの結論を提示している。多数の労働者が権利を主張することで、それは実現することができるのだ。一九八二年に憲法から削除された「ストライキの自由」、労働者による工場や労働局と交渉する権利なども含まれる。自らの力を信じ、そしてそれを行使しさえすれば、労働者は勝利することができるのだ。
 
かつてアメリカの労働者は全国規模のストライキを打ち、最終的に8時間労働を勝ち取り、メーデーという国際的な記念日を打ち立てることに成功した。今日の中国の労働者階級はいまだに労働時間の短縮や賃下げの回避に奮闘している。中国の賃金労働者や失業者、そしていつでも出稼ぎ労働者の隊列に加わる貧農らは、腐敗や抑圧や搾取や差別のない社会の建設を必要としている。

目標を実現するために、労働者階級は経済的権利を勝ち取るだけでなく、一般的な公民権、そして労働者の民主的権利を勝ち取らなければならない。労働者が真に民主的権利を享受し、政府に対して恒常的な民主的監督をおこなってはじめて腐敗官僚とブルジョアジーとの政官財の癒着構造を一掃することができる。

われわれの要求は以下のようになるだろう。

◎労働者が自主的に労働組合を組織する権利を有すること―――労働組合法第十条「全国に統一的な中華全国総工会を建設する」という条項および第十一条の単産、各地の総工会、全国あるいは地方の産別労組の結成は、上級単位の労働組合の批准を必要とする、という条項を廃止すること。労働者が自発的、かつ多元的に労働組合あるいはその他の形式の組織を結成することができるようにすること。

◎憲法に、労働者は「ストライキの自由」を享受できる、という条項を復活させること。

◎賃金はインフレーションの増大にしたがって調整すること。
 
◎最低賃金水準の提示および決定は、労働者階級の利害を代表する民主的組織の参画のもとに決定すること。最低賃金水準の調整は、労働者およびその家庭の実際の生活水準と需要によって決定すること。 ◎労働権を保障すること―――利益をあげている企業によるリストラと賃下げを禁止すること。いっさいのリストラや賃下げは労働者の民主的組織の同意を得なければならないとすること。

◎憲法第三十五条に保障された民主的権利(言論、出版、集会、結社、デモ行進、示威行動の自由)を実現すること。

◎平等な公民権を保障すること―――性別、地域(戸籍)、民族の如何に関わらず、人はすべて生活、労働、教育、社会保障など各方面について平等な権利を有する。戸籍制度による差別的な法令と政策を廃止すること。
 
◎法治を実現し、人身の自由を保障すること。現在の刑法において警察機関が有する無期限に近い住民に対する拘束期限の規定を四十八時間以内に短縮し、期限を過ぎるものについては裁判所に移送すること。審理は公開されなければならない。司法は独立し、如何なる政治的な干渉も受けないこと。

◎労働者人民が民主的権利を享受できるようにすること―――すべての人民代表選挙は政党や投票の自由のもとに行われなければならない。

原文(先駆社・労働民主網より)

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