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アジア連帯講座のBLOGです
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 2月11日、ついにエジプトの独裁者ホスニ・ムバラクは30年にわたる大統領職を辞任し、紅海に面した保養地シャルムエルシャイクに身を隠した。前日の10日、事前の情報では辞任と報じられていたものの、TV演説では「即時辞任」を拒否したムバラクに対する民衆の怒りは頂点に達していた。

 2月1日、4日につづき11日にカイロのタハリール広場は数十万にのぼる民衆で埋め尽くされていた。スレイマン副大統領の演説で「ムバラク退陣」が明らかになると、民衆の怒りは歓喜に変わった。人びとは肩を抱き合い、国旗をうちふり、この闘いが始まった1月25日には想像することもできなかった独裁者打倒の歴史的事件の喜びを分かち合った。「自由になった。われわれが勝った!」。

 私たちもまた、この勝利を勝ち取ったエジプトの民衆に心からの連帯のあいさつを送る。そして同時にこの勝利が1月25日以後だけでも治安部隊の弾圧によって二百人に達する死者を生み出したことを決して忘れないだろう。

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▲ムバラク辞任の報に歓喜に沸くタハリール広場


 しかし、エジプト民衆が真の自由を勝ち取るためには、いまだ多くの難関が待ち受けているに違いない。何よりもムバラクの辞任後、全権を掌握したのは軍最高評議会である。これは超立憲的事態である。そして、民衆の闘いを鎮静させるためにムバラクの退陣に向けて圧力をかけてきた米国やEUなど帝国主義諸国は、ただちに軍の政権掌握を歓迎する態度を明らかにしている。米国はエジプトが中東戦略の要衝であり続けることを強く期待している。こうした状況の中で全権を掌握した軍最高評議会は、「すべての国際条約を今まで通り守る」と声明し、イスラエルのパレスチナ占領支配にエジプトが協力する立場を明らかにしている。

 このような経過全体からして、今回の「ムバラク辞任」が米国やEUなど帝国主義諸国に支援された「古典的な軍のクーデター」だという評価も出されている(カイロ発AP電、ジャパンタイムス2月13日付)。そしてこの軍の暫定政権は、民衆運動があらたな段階に発展するとき、武力弾圧に打って出る可能性に十分な注意をはらう必要がある。
 
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 ベンアリ独裁打倒を実現したチュニジアの労働者民衆は、旧政権残党の一掃を通じて民主的・社会的革命の水路を歩んでいる。チュニジアで燃えさかった革命の炎は、エジプトの独裁者を追放した巨万の民衆決起へとつながった。今、その炎はヨルダン、イエメン、アルジェリアなど中東・北アフリカ全体に広がり、欧州、北米、アジアでも連帯の広がりを見せている。2月上旬、西アフリカ・セネガルのダカールで開催された世界社会フォーラムでは、チュニジア・エジプトの民衆革命の発展への連帯の声がこだまし、ATTACチュニジアの仲間は満場の歓呼で迎えられた。

 すでに3月20日をチュニジア・エジプト民衆への「連帯デー」とする行動呼びかけが発せられている。チュニジア、エジプト、そして北アフリカ、パレスチナを始めとする中東の労働者民衆が直面する新たな試練を乗り越えるためには、国際的連帯の力が不可欠なのだ。グローバル資本主義の深まる危機の中で、帝国主義と植民地主義の支配を突破する道を切り開きつつある北アフリカ・中東の民衆とともに闘おう!

(2月13日 K)

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