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講師は、成澤宗男さん(『週刊金曜日』編集部、「シリーズ警察の闇」などで 公安・警察批判記事を精力的に執筆している)。
公安警察を絶対に許さない!
開催にあたって勝利する会事務局から「09年9月9日、10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国家賠償請求裁判で東京高等裁判所第23民事部(鈴木健太裁判長)は、横浜地裁のAさんに金33万円、越境社に金11万円、関西新時代社に金11万円を支払えという判決を維持し、神奈川県の控訴を棄却した。この控訴審勝訴は、県警公安三課に打撃を与えるとともに、各地で徘徊する公安警察の政治弾圧、人権侵害のやりたい放
題を阻止していくためめの重大な一歩である。この成果を忘れることなく共有化していくために今回の企画を設定した」と発言した。
さらに「戦後の特高の時代から最近に至るまで、不当弾圧を経験した何万という人たちの悔しさや怒りがどれほどのものだったか。弾圧の方法や被害、程度やその形は、弾圧された人の数だけある。しかしそこに共通するものは、権力による暴力、犯罪ということだ。権力犯罪を今後絶対に許さず、弾圧に加担した人間の責任を問い続けていく」と強調した。
公安の手口はこうだ
成澤さんの提起テーマは「公安警察の解体に向けて―『戦後に残った大日本帝国』を放置したまま民主主義は永遠にあり得ない―」。
冒頭、成澤さんは、「週刊金曜日連載の『警察の闇』に反響がない。つまり、ほとんどの人が、無関心というか、自分に関係ない、他人事なんです。しかし、公安警察を解体しないかぎり、この国に民主主義はない」と結論づけて公安批判を切り込んでいった。
「戦前、特高は拷問で65人を殺害し、拷問を原因とする死者は114人、さらに獄中での病気などを含めると行方不明者を含め1503人が殺されている。ところが処罰された特高はゼロで、虐殺・暴行の当事者には何と自己申告制が取られた。追放された特高もいたが、その大半は1951年までに職場復帰している。占領下で特高はすぐに現在の警備公安に衣替えをし、さらにGHQのレッドパージ遂行で思想警察はすぐに復活したからだ。問題のあまりの深さに比較して社会の関心度が極度に低い公安の実態は、以下の代表的事例(要旨別掲)に示されるように民主主義の最悪の敵として現出している。同時にその存在は、戦後日本国家の本質的欺瞞性・虚構性を象徴している」
ことを明らかにしていった。そのうえで公安警察の暴力性・違法性・秘密性・右翼との一体性・腐敗性について具体的に事件を取り上げて批判を展開した。さらに公安広報機関=マスコミの犯罪性を厳しく糾弾した。
公安のISに気をつけろ
さらに警察庁警備局=公安司令塔が90年代後半、IS(インテリジェンス・サポート)を立ち上げ、政治関連情報の収集をはじめ与野党の幹部、閣僚、国家公安委員長の周辺までの私生活なども含めて調査していることを紹介。「次々と政治家のスキャンダル写真がセンセーショナルに踊っているが、この筋が手がけていることは間違いない」と注意喚起し、世論誘導という情報操作まで行っていることを批判した。
各国賠裁判の勝利にむけて
Aさん(免状不実記載被弾圧者)は、「私に対する長期の監視・尾行、逮捕したのは、ねらい撃ちの政治弾圧だった。しかも関係者、運動関係の萎縮効果もねらった。実家、越境社、関西新時代社への長時間にわたる家宅捜索は、最悪の人権侵害であり、絶対に許すことはできなかった。長期にわたる裁判闘争は、大変だったが公安警察に対して少しでも打撃を与えるために闘った。支援・連帯してくれた皆さん、どうもありがとう。しかし、公安警察はまったく反省することもなくこの間、APEC警備と称して免状不実記載弾圧をはじめ『微罪弾圧』を市民運動活動家に対して強行している。反公安を取り組む仲間たちとともに社会的包囲を強化していこう」と発言した。
麻生邸リアリティツアー弾圧国賠訴訟団は、2月26日、麻生邸リアリティツアーで起きた不当逮捕事件(2008年10月26日、東京都公安条例違反〔無届け集団示威運動〕、公務執行妨害罪の現行犯逮捕で10日の不当勾留、家宅捜索)に対して被弾圧者が原告となり、東京都と違法な勾留状及び捜索差押令状を発布した裁判所の国を相手にして国賠訴訟の闘いに踏み出したことを報告。公安条例の撤廃の主張も行いながら権力犯罪を許さない取り組みを共に行っていこうと呼びかけた。
国賠ネットワーク事務局の土屋翼さんは、ネットが支援する国賠裁判の状況を紹介し、「国賠勝訴は残念ながら、なかなかない。厳しい国賠裁判が続くのが予想される。さらなる、闘いを、心をつなげてがんばりましょう」とアピール。国賠ネットは、1989年、無実の罪で逮捕・勾留され、長い間、刑事裁判を強いられた冤罪被害者を中心に国賠訴訟を繋ぐネットワークとして立ち上げた。勝利する会も国賠ネットに参加し、支援を受けた。
横浜APEC反対の取り組む仲間は、警察の過剰警備・人権侵害の実態を報告。とりわけ制服警官のホーム・電車内徘徊、公安警察の尾行・監視などのいやがらせを糾弾し、11・13~14いらない!APEC横浜民衆フォーラムへの参加を呼びかけた。
(Y)
成澤さんが取り上げた公安の実態の代表的事例(要旨)
●公安の暴力性―異常な暴力を振るうのは公安と機動隊の宿痾。拷問以外、この体質は不変。
2008年 山谷デモ参加者への集団リンチ。暴行に抗議したら私服の公安に袋だたきに。
2008年「麻生邸拝見ツアー」弾圧。デモではないと所轄署と確認したのに、デモだと逮捕。
2010年 靖国8・15弾圧。警官の妨害で神社から立ち去ろうとしたら4人の公安が暴行。
●公安の違法性―自己都合であらゆる法律を踏みにじり、それに対するチェックは事実上皆無。
1952年 菅生事件。派出所に警察がダイナマイトを仕掛け、下手人の巡査部長は大出世。
1985年 共産党幹部盗聴事件。神奈川県警公安一課が、本庁指示で実行。盗聴は以前から横行。
1995年 長野公安窃盗事件。共産党事務所や党員宅など37箇所に侵入、約一千万円を奪う。
2008年 中野盗撮事件。八王子署警備課巡査部長が、喫茶店で集会参加者をビデオ撮影。
続出する微罪逮捕。ささいな「免状等不実記載」を口実にした逮捕・家宅捜索による運動つぶし。
●公安の秘密性―存在自体が極度の秘密主義で覆われ、「捜査上」という口実でほぼ無制限に自己隠匿。サクラ→チヨダ→ゼロ(?)へと流れる隠密工作教育。ベールに覆われた対左翼スパイ工作。
●公安の政治性―市民的諸権利と、思想表現の自由の尊重観念無し。戦前と変わらぬ「赤狩り思想警察」
2004年 立川ビラ配布逮捕弾圧。警視庁公安が60人以上動員され、6カ所を家宅捜索。
2004年 社会保険庁職員逮捕事件。3日間で171人の公安と車輌3~4台が動員。
2008年「天皇伝説」弾圧。三回連続逮捕、69日間の連続留置。監督の24時間監視態勢。留置場での転向強要 「思想が危険すぎる。だから監視している」「転向しろ、面倒は見る」
●公安と右翼との一体性―暴力装置の別部隊・挑発部隊としての機能。ヤクザ暴力団右翼の育成機関。
60年安保闘争におけるデモ隊襲撃右翼幹部の証言
鈴木邦男『公安警察の手口』で暴露された実態。右翼団体の綱領作成を補助。完全な一体化。
●公安の腐敗性―巨額の国費が裏金になり、チェック機能はゼロ。裏金が目的で「公安事件」を偽造。
各都道府県警の公安捜査は大半が国費で住民監査が不可能。裏金捻出・組織温存目的で事件捏造。
●公安広報機関=マスコミの犯罪―公安の好き勝手は公安発表を垂れ流す報道があって可能。
2005年 靖国神社前の機動隊による集団暴行事件を「過激派が暴行」とデマ報道
2006年 朝鮮総連弾圧キャンペーン。読売は「また『北』と結ぶ不正が発覚した」なる社説。