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6月17日の鳩山法相による三名死刑執行から数日たったある日、山手線の駅頭でティッシュを配っている60歳過ぎと思しき男女のグループの姿があった。

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何気なくティッシュを受け取ると、なんと法務省とその外郭団体による「更生保護」の名目で、犯罪や非行からの立ち直りの支援を社会に呼びかけるものだった。そのティッシュに内包されていたチラシには

「おかえり。
人は、変わることができる。
そう信じることから
更生保護はスタートします。
あやまちをくり返すことのないように、
犯罪や非行からの立ち直りを
社会の一人ひとりが支えていく。」

などと書いてある。
鳩山による一連の死刑執行に憤っていたので、私はティッシュを配っていた男性に「なにこれ?死刑を執行しておいて社会の責任において犯罪者を更正させろって?死刑にしたものは、どうやって更正させるんだよ?あなたは、こんなティッシュ配っておかしいと思わないの?」と詰め寄ってしまった。


その男性は「いや、それは…犯罪を犯した方でも更正のチャンスを…」などと噛みあわない返答。「いや、だから…」と言いかけて、目の前にいるのが鳩山ではないので、そこでやめた。もっとも、あとにしてみれば、どのような人々が、このようなキャンペーンに動員されているのかを聞けばよかった。

「人は、変わることができる」...この可能性を根底から否定しているのが死刑制度である。法務省は、一方で「ベルトコンベアー式」に人を虐殺しておきながら、一方でこのようなキャンペーンによって「犯罪者の更正の手助けはしている」というアリバイを作っているのである。まさに、血塗られた殺人者が「優しさ」をアピールするという、欺まんなどという言葉では言い表せないほどのグロテスクさではないか。また、「更正」の努力を民衆と社会に押し付け丸投げしている点においても、二重に許しがたいキャンペーンである。このグロテスクさは、軍隊を送って軍事占領に協力しながら「復興」を言う派兵・戦争国家のグロテスクさとつながっている。

政府・法務省は「更正」を言うなら、まず「究極の社会的排除」=死刑制度を廃止せよ!

そして9月11日、福田改造内閣の保岡興治法相は死刑執行命令書に署名して、計3人を虐殺した。保岡は森内閣時代の法相としても、2000年11月に3人を死刑執行=虐殺している。

これは言うまでもなく、福田の辞任表明を受けた内閣改造の前に、「例外なく」法相が死刑を執行するという、死刑制度存置の「ためにする」死刑執行である。また、6月の三名死刑執行以来たった三ヶ月の間隔で、鳩山時代のペースを踏襲しようというものである。

このことは、このかんの死刑執行が「死神・鳩山」のキャラクターによるものではなく、死刑制度を絶対に存置し、「執行のベルトコンベアー化」を現実化させようとする政府・法務省の強い意志と路線そのものであることがあきらかになったと言えるだろう(朝日新聞の「死神筆禍事件」は一連の大量執行を鳩山個人の資質に還元した点において批判されるべきだろう)。

新自由主義のグローバル化は、各国において治安強化と警察国家化を押し進める。そのなかでとりわけ日本政府は、 「死刑廃止」の国際的すう勢に反して、あえて死刑存置国として「ストもないデモもない治安の砦たるニッポン」を世界にアピールする役割を自らに課している。

しかし、その目論見は、遅かれ早かれ破綻するだろう。「人権」とは人類共通の一つの到達点であり、その到達点そのものを押し戻すことは出来ないからだ。そしてまた、「死刑存置国」という殺人国家の国民であることを恥じ、行動することによってのみでしか死刑制度を廃止することは出来ない。

「死刑制度廃止」を叫び、行動しよう!
そして、来たる総選挙では死刑制度廃止を訴える政党と候補に投票を!

(F)
 

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