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安倍晋三首相は昨日12日の午後2時、記者会見を開き自ら辞任すると発表した。

「美しい国づくり」と「戦後レジームからの脱却」を掲げて、教育基本法改悪、改憲手続き法(「憲法改正のための国民投票法」)、など“平和憲法”を変えることで、戦前型の国家主義、家父長主義的な国家像の復権をもとめてきた安倍政権は発足からわずか1年もたたずに文字通り「自滅」したのだ。

安倍首相は首相就任直前の昨年7月に出版した自著、『美しい国へ』(文藝春秋)の中で自身の政治姿勢についてこう述べている。

「時代は変わったが、わたしは政治家を見るとき、こんな見方をしている。それは『闘う政治家』と『闘わない政治家』である。『闘う政治家』とは、ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家のことである」(句読点の位置は原著のママ)

しかし、現実の安倍政権の1年はこの「闘う政治家(政治)」なるものの内実がなんであるのか、ということを嫌というほど私たちの前にさらし続けた1年ではなかっただろうか?

安倍政権は「愛国心」「家族主義」といった自らの右翼的イデオロギーにこり固まったあげく、数々の反動法案を与党の多数にまかせて次々成立させたが、それは私たちの望む社会のありようとは180度異なるものであった。年金問題や政権内の腐敗への無頓着、無策ぶりはそうした多くの人々の安倍政権への怒りを決定的なものにしたといえる。そして肝心の安倍自身が国会答弁、テレビ討論などで自身への批判に対して感情的にまくし立てる姿は彼の言う「闘う政治家」の本性そのものであった。それは、国会内の与党圧倒的多数という絶対的権力によって暴力的に敵対者に振りかざされる恫喝でしかないのであり、何らの一般性も公共性もない小泉時代からの新自由主義的競争原理と右翼的で復古主義なイデオロギーだけを力によって私たちに強制しようという姿勢であった。その行き着く先は戦争と社会的経済的格差のまん延する恐ろしい社会でしかない。

はっきりさせなければいけない。安倍内閣の自滅は安倍個人の、ではなく彼と彼を支えた極右反動勢力、格差と戦争によって自らの生き残りを図ろうとするすべての政治勢力の破綻であり、私たちは“公正”“平等”そして“平和”のうちに私たち自身の「正義」を求めるのだ、と。

●いまこそ自衛隊のイラク、アフガンからの撤退を実現させよう!
現在インド洋上では海上自衛隊によってアフガニスタン、イラクに展開する(アメリカ軍を主力とする)多国籍軍への給油活動が行われている。開会中の臨時国会最大の焦点はこの給油活動の根拠となる「テロ対策特措法」の再延長を行うか否かであり、それは9・11テロへの報復を口実にした2001年のアメリカによるアフガニスタンへの空爆と占領、そして2003年から現在まで続くイラク軍事侵攻へとつらなる「テロとのたたかい」の正当性を再び日本政府が認めるか否か、でもある。

安倍の今回の突然の辞任劇は参院における与野党逆転によってこの「テロ特措法」再延長が極めて困難になる中で「(辞任によって)政局を打開したい」、すなわち自身の「クビ」と引き替えによって小沢民主党との党首会談をひきだして、特措法再延長のための妥協を引き出したい、という安倍の破れかぶれの判断であったともいわれる。
こうした辞任の「動機」がはたしてどこまで安倍の中でウェイトを占めていたかは定かではないものの、確実なのは臨時国会開会直後に政権を放り投げた安倍晋三自身によってテロ特措法再延長(あるいは新法成立もふくめて)海自のインド洋派遣の継続は致命的困難を迎えたということであり、反戦平和をもとめる労働者、市民の運動はこれを確実な海上自衛隊撤退へとつなげて行かなければならないだろう。

(H)

追記
民主党・小沢代表は「国連決議無きアフガン空爆は国際的正当性を欠く」としてテロ特措法に関して一切妥協しない姿勢を崩してはいない。しかし、わずか5つの大国(常任理事国)の声によって動く国連という組織のもつ「正当性」にも私たちは注意しなければならない。現在のイラク占領の遠因とも言える1991年の湾岸戦争にゴーサインを出したのは国連の決議であり、小沢はそうした「決議」さえあれば自衛隊を海外に派遣するべき、と主張しているのだ。

●報道より

・毎日新聞
政権迷走:安倍首相辞任 「こんな人、総裁とは」 与党議員も批判
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2007/09/13/20070913ddm041010008000c.html

・読売新聞
「安倍内閣1年」読売新聞社世論調査
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe5600/fe_070913_02.htm?from=yoltop

・共同通信
安倍首相が入院  機能性胃腸障害と診断、臨時代理置くかは未定
http://www.47news.jp/CN/200709/CN2007091301000384.html

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