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決して「失言」ではない。
人権と民主主義を踏みにじる中山成彬の挑発的・差別的暴言を糾弾する。
大衆闘争で麻生内閣を打倒せよ!


 九月二十二日の自民党総裁選投票で、麻生太郎幹事長が圧倒的多数の票を得て新総裁に選出され、九月二十四日には麻生内閣が発足した。大幅な財政支出発動による不況対策を看板にした麻生内閣は、小泉「構造改革」路線の継承を主張する「上げ潮」派を閣内から一掃し、麻生側近人脈を登用して「解散・総選挙」に臨む布陣を敷いた。財務相と金融担当相を兼務する麻生の「盟友」・中川昭一は、福田辞任直後の九月六日に「仮に『バラマキ』と言われようとも、思い切ってやる」と「積極財政」への決意を語っていた。

 麻生政権は、小泉の新自由主義的「改革」がもたらした貧困・格差の拡大、医療・年金など公共サービスの切り捨て、地域経済の疲弊、そして石油・食糧価格の急騰によるその加速化による、自民党支持基盤の瓦解状況に歯止めをかけ、総選挙を乗り切るために敢えて「小泉改革路線との決別」に踏み切ったのである。小泉元首相の議員退任表明は、その象徴とも言える事態だった。

 しかし、選挙対策としての「バラマキ」方針と、新政権発足に伴う「ご祝儀」相場による高支持率で解散・総選挙によって打って出ようとした麻生と自民党の思惑は破綻した。九月二十六日に報道各社が発表した麻生内閣の支持率はいずれも五割を切り、安倍内閣、福田内閣発足時の支持率を大きく下回った。さらにそれに追い討ちをかけたのは、国土交通相に就任した中山成彬の意識的・差別的な暴言である。

 九月二十五日、中山は報道各社とのインタビューで、成田空港問題の反対派住民の「ゴネ得」、「日本は単一民族」、「日教組が強い県は学力が低い」などと、言いたい放題の発言を行った。

 


 成田空港問題については「ごね得というか戦後教育が悪かったと思いますが、公共の精神というか公のためにはある程度自分を犠牲にしてでもいうのがなくて、なかなか空港拡張ができなかった」と反対派住民に悪罵を投げかけた。これは空港建設にあたっての政府の誤りを認めた公式見解を全面的に覆すものだった。
 訪日観光客を増やすためろの対策を問われて「日本はずいぶん内向きな単一民族と言いますか」という発言は、アイヌ民族が先住民族であることを認めるべき、という国会決議を否定するものだった。

 さらに聞かれてもいないのに中山はわざわざ持論の教育問題にも言及し、「日教組の子どもは成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低い」と述べるとともに、自ら文科相時に導入した「全国学力テスト」の理由について「日教組の強いところは学力が低いんじゃないかと」という自説を裏付けるためだと語り、それが「証明」されたので「学力テストの役割は終わった」と好き放題の挑発を行ったのである。

 「空港反対派のゴネ得」「単一民族発言」では、殺到する抗議に対して中山はいちおう「真意が伝わらなかった」として「謝罪」のポーズを見せた。しかし「日教組問題」については撤回しなかった。実際、九月二十七日、地元の宮崎市の自民党県連のあいさつとその後の記者会見でで、二十五日の発言をさらにエスカレートさせた。

 「日本では様々な犯罪が起こっている。もうけるためならウソを言ってもいい。子殺しとか親殺しとか。その原因は日教組にある」「日教組は教育のガンであり、日教組を解体しなきゃいかん。『日教組をぶっ壊せ』だ」「日教組や社保庁という働かなくても給料がもらえる官公労の職員に支援してもらっている民主党が政権を取ったらどうなるんだろうか。日教組の小沢民主党も解体だ」。

 この「街宣右翼」のわめき声とまったく変わらない中山の発言は、決して「失言」ではない。それは彼の極右的政治信条に発するものである。彼は九月二十八日に文科相を辞任したが、その辞任記者会見でも「確信犯」的発言だったことを認め、デマゴギーに満ちた自説に固執した。

 中山は文科相在任時に「やっと最近、いわゆる従軍慰安婦とか強制連行とかいった言葉が減ってきたのは本当に良かった」(04年11月)、「今までの教育は、ニートなどの予備軍の大量生産に手を貸している」(05年3月)、「教育の世界においてもジェンダー・フリー教育だとか過激な性教育だとかがはびこっている。日本をダメにしたいかのようなグループがある」(05年6月)などの差別的発言を繰り返してきた張本人である。彼は最大派閥である町村派の事務総長として麻生の総裁就任に尽力すると共に、麻生内閣の発足にあたり町村派から彼一人しか入閣予定者がいなかったことに対して激怒した森元首相の意向を受け「町村派が首班指名で小沢一郎と書いてもいいのか」と圧力をかけ、町村派の塩谷立を文科相としてゴリ押し的に入閣させたと報じられている。

 麻生内閣の閣僚や、自民党議員からもこの中山発言への批判が続出している。しかしこれは中山だけの問題ではない。

 麻生首相自ら「創氏改名は朝鮮人自身が望んだこと」と天皇制日本帝国主義の朝鮮植民地支配を正当化し、「アルツハイマー」発言や部落差別など徹底してエリート主義的で反人権・反民主主義的で排外主義的な煽動によって、右翼的な気分への「受け」をねらってきた人物である。鳩山総務相も法相時に「死刑執行をベルトコンベアのように自動的に進む方法はないか」と死刑執行を乱発してきた。盟友」中川昭一財務・金融相は、NHKの女性国際戦犯法廷報道番組に対して安倍元首相とともに圧力をかけ、番組を改ざんさせた代表的な極右政治家である。麻生内閣はまさに安倍内閣と同様に極右「靖国派」人脈によって主導されているのだ。

 麻生内閣は、発足して数日のうちに解散・総選挙を待つことなく政府危機の局面に直面している。麻生首相は中山文科相の辞表を受理し、自らの「任命責任」についても言及した。しかし麻生は、総選挙キャンペーンによって中山の暴言問題のほとぼりがさめるのを期待しようとしている。労働者・市民はそうした「逃げ込み」を許さず、中山を議員辞任に追い込もう。

 中山暴言追及、「汚染米」問題での農水省の責任追及などを通じた国会内外の闘いにより、総選挙を待たずに麻生内閣を打倒する大衆的闘いを徹底して展開すべきである。

 とりわけ「諸悪の根源」「解体」の対象と名指しされた日教組をはじめとする教育労働者は、教基法改悪反対闘争や「日の丸・君が代」強制処分反対の闘いをベースに労働者・市民に行動を呼びかけよう。問題をあいまいにすべきではない。この闘いは労働者の権利を守り、言論・結社の自由を守る闘いでもあり、憲法改悪反対の課題にとってもきわめて重要である。

 こうした闘いの拡大こそが、解散・総選挙の情勢において自公政権を打倒するために不可欠の課題なのだ。(9月28日 K)

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