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八月十五日、天皇制と侵略戦争を賛美する政府主催の「戦没者追悼式」に反対し、改憲とグローバル派兵大国化をめざす安部政権に抗議するデモと集会が行われた。今年も8・15実行委は、「『美しい国』の『美しい者』はいらない 国家による『慰霊・追悼』に反対する」というスローガンを掲げ、天皇主義右翼と国家権力が一体となった闘争破壊をはねのけ、断固として靖国神社に対する怒りのシュプレヒコールをたたきつけた。

前半の闘いは、靖国神社への抗議行動の前段として西神田公園で百五十人の仲間たち駆け付け、炎天下を吹き飛ばす集会だ。開催にあたって実行委の仲間は、安倍政権を支える与党の参院選惨敗と民主党躍進に触れながら「安倍は五月に靖国神社の春季例大祭に真榊を奉納し、七月の『みたままつり』に初穂料一万円の『ちょうちん』を奉納した。同列に民主党代表小沢一郎の『ちょうちん』が奉納されている。民主党も改憲勢力であり、テロ特措法問題なども含めて流動化する政治状況に直面する。しかし、こういったプロセスに巻き込まれない天皇制という形で押し出てくる危険性がある。国家による慰霊・追悼による戦争賛美儀式と靖国神社に対して抗議していこう」と強調した。
参加団体の発言として、天皇ヒロヒトの戦争・戦後の犯罪を讃える立川昭和記念館に抗議する昭和記念館廃館準備委員会、マスコミによる皇室賛美報道を批判している女性と天皇制研究会、安倍政権批判とテロ特措法延長反対・沖縄反基地闘争連帯を訴える新しい反安保実から決意表明が行われた。

集会終了後、デモに出発。アドバルーン「靖国いらない」10メートル横断幕がフロントだ。また、国家権力による不当なデモ規制と天皇主義右翼の挑発を許さない山下幸夫弁護士(日弁連共謀罪反対委員会)が監視につく。 参加者全体は、「国家による慰霊・追悼に反対!天皇制の戦争責任を許さないぞ!靖国神社はいらない!」とシュプレヒコールを繰りかえす。反天皇制などのプラカード、横断幕、ピース旗をはじめたとした各旗を掲げ、パフォーマンス・デモを作り上げていった。 


武装機動隊によるサンドイッチ規制をはねかえしながら神田神保町に到着。公安とIMG_1418.jpg制服警官に守られていた大日本愛国党の突撃隊がデモに襲いかかってきた。右翼らは、差別・排外主義の野次を吐きながら挑発をしてくるが、デモ隊の断固たる原則的対応によって自己確認するのみだ。
九段下前に到着。靖国神社、日本武道館前の接近をめざしつつ、アドバルーン「靖国はいらない!」大横断幕が掲げられる。デモ隊も元気一杯の抗議のシュプレヒコール。炎天下をけちらしていった。挑発するために待ち構えていた右翼らは、この光景に驚き、あわて、空回りするだけであった。解散地点においても、デモ隊に圧倒され、意気消沈した右翼が、 権力に守られながら突撃を試みたが、瞬時にしてはねかえされてしまった。実行委は、権力の不当弾圧、右翼の挑発を許さず、整然たる抗議闘争を貫徹したのである。 IMG_1405.jpg

 
この日、安倍政権閣僚の高市大臣以外は国内外の批判を気にして靖国神社を参拝しなかった。だが四十数人の国会議員が参拝。さらに英霊にこたえる会と日本会議の主催で靖国神社で戦没者追悼中央国民集会を強行し、天皇制と侵略戦争賛美を再確認した。実行委は、天皇制の戦争責任・戦後責任を追及し続け、国家による慰霊・追悼儀式に反対し、日本会議をはじめとした天皇主義右翼潮流の策動を跳ね返していくことをあらためて打ち固めていった。 




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後半は、東京原宿の千駄ヶ谷区民会館で集会が行われ、百五十人が参加した。講師の彦坂諦さん(作家)は、国家による儀式をはじめ、あらゆる儀式は民衆の心の操作に利用されていく危険をもっていると、きっぱりと批判した。さらに、自身の著書である「ひとはどのようにして兵となるのか―ある無能兵士の軌跡」(柘植書房新社)を紹介しながら、国家によって作られた「美しい死者」像と「現実の戦死」との乖離、欺瞞性を暴きだした。 

東琢磨さんは(音楽批評)、軍都広島の過去・現在の全貌を把握するところからの批判視座の重要性を提起した。また、「平和学を取り組む人たちの中には、憲法を変えて自衛隊を軍隊として明記し、平和貢献させればいいという主張もある。軍事強制の脈絡によって平和はつくれるのか。広島の平和運動は、被爆者の当事者運動としてあったものが、やがて平和行政へと変質し、新たな国家政策として巻き込まれてしまっている」と問題提起した。 

 参加団体のアピール。靖国解体企画は、政府主催の「戦没者追悼式」に抗議して武道館前登場をめざしながら抗議のシュプレヒコールを貫徹したことを力強く報告し、戦争加担のための儀式を認めることはできないと発言した。さらに反原発運動を取り組んでいるたんぽぽ舎、不当解雇撤回闘争を取り組みながら駆けつけたフリーターユニオン福岡、大阪世界陸上競技開催による野宿者排除攻撃を許さないと訴える釜ケ崎パトロールの会、9・1東京都防災訓練に反対する米軍・自衛隊・横田基地のための防災訓練反対実から発言が行われた。最後に本日の闘いの成果を確認し、今後の反天皇制運動をともに前進させていくことを誓い合った。

(Y)

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