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TS360013.JPG6月30日、久間章生防衛相は、大学での講演で「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っている」と発言した。広島・長崎で20万人以上の人間を殺りくし、戦後も悲惨な後遺症で苦しませ殺し続け、今なお後遺症で苦しむ人々が存在する中で、許されざる暴言である。徹底的に糾弾し、久間を辞任させなければならない。


久間の「しょうがない」の意図は、アメリカ帝国主義の代弁者として「日本はいつまでも被害者意識に凝り固まらずソ連に占領されなかったことを感謝しよう」と解釈するほかはない。すなわち「正当化できる大量殺人がある」ということである。しかし、いかに「ファシズム国家」であろうと、政府と国民を区別しない民間人殺りくが許されざる行為であることは、今日では国際的常識になりつつある。現在ドイツでは、ナチス支配時のドイツに対する「ドレスデン空爆」の犯罪性の追及が始まっている。たとえ「戦勝国」であろうと戦争犯罪=「人道に対する罪」に時効はない。アメリカ帝国主義の原爆投下による大量殺人は朝鮮半島、ベトナム、アフガン、イラクでの戦争犯罪とともに、近い将来裁かなければならない。そして、久間の発言もまた、永遠に記憶されるべき暴言である。 


また、久間の発言は「やむを得ざる原爆(投下)がある」と言わんとしている。すなわち、「核兵器=絶対悪」論への反ばくであり、意図するところは日本の核武装のための布石である。いまだ記憶に新しい昨年の北朝鮮核実験時の外相・麻生太郎などによる「核武装論議」に対して「核武装議論は周辺国に間違ったメッセージを送る」などと発言した久間だが、日本の反核世論への敵対を試みた今回の発言にこそ本音があると言わざるを得ない。安倍内閣と自民党・公明党は久間の「撤回」を理由に、辞任を求めないとしている。しかし、ことは「国家の武装組織」の長による民間人大量殺人容認発言であり、その任に不適格であることは論を待たない。

 久間は即刻防衛相を辞任しろ!
 戦争犯罪に時効はない!アメリカ政府は被爆者に謝罪しろ!
 核兵器とあらゆる核施設の廃絶を!
 安倍「好核」政権を打倒しよう!(F)

≪付記≫
アメリカ帝国主義による原爆投下が「ファシズムを打ち倒す」ためのものでも「アジア解放」のためでもないことは、原爆投下直後の1945年8月22日の当時の第四インターナショナル・アメリカ支部の社会主義労働者党の指導者ジェームズ・キャノンによって指摘されている。当時のスターリン主義に支配された各国の共産党が原爆投下を「反ファシズム戦争の正義の行為」などと賞賛した中で、キャノンによる特筆に価する「世界で最も早い原爆投下非難演説」の一部を引用する。

『広島・長崎への原爆投下』 ジェームズ・キャノン(トロツキー研究 No,16所収)

二発の原子爆弾による二度の攻撃で、アメリカ帝国主義は、50万人もの人間を殺傷したのである。若者も老人も、ゆりかごの幼児、年配者も病弱者も、新婚も、健康者も病人も、男も女も子供も―こうした人すべてが二度の攻撃で死なねばならなかったのは、ウォールストリートの帝国主義者たちと日本の同種のギャングどもの喧嘩のせいなのだ。

これこそ、アメリカ帝国主義が東洋に文明をもたらすやり方なのだ。なんという言語に絶した大虐殺であろうか!かつてニューヨーク港に世界を照らす自由の女神像を設置したアメリカ、そのアメリカにとってなんという恥辱であろうか!

いまや世界は、アメリカの名前を耳にすれば後ずさりする。この戦争に祝福を与えた伝導師でさえ、抗議し始めている。中には新聞社のインタビューに「アメリカは、その人道的立場を失った」と答えた牧師さえいる。アメリカの人道的立場だと?そうだ。間違いなくアメリカはそれを失った。これは、真実だ。そして原爆を投下した怪物どもはそんなことは承知の上なのだ。しかし、連中が手に入れたものを見よ!

連中は、東洋の限りない富の支配力を得た。帝国主義者たちは、極東の何千万という人民を搾取し奴隷化する権力を手に入れた。そして、これこそ、戦争へと突入した目的なのである―すなわち人道的立場のためなどではなく、利益のためなのだ。

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久間防衛相、講演で「原爆投下、しょうがない」
http://www.asahi.com/politics/update/0630/TKY200706300263.html
2007年06月30日22時23分

久間防衛相(衆院長崎2区)は30日、千葉県柏市の麗沢大学で講演し、1945年8月に米軍が日本に原爆を投下したことについて「原爆を落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で今、しょうがないなと思っている」と述べた。原爆投下を正当化する発言とも受け取られかねず、野党が久間氏の罷免を求める動きを見せるなど波紋が広がっている。


久間章生防衛相  久間氏は「我が国の防衛について」と題した講演で、東西冷戦下で米国と安全保障条約締結を選択した日本の防衛政策の正当性を説明する際、原爆投下に言及した。
久間氏は「米国を恨むつもりはないが、勝ち戦と分かっていながら、原爆まで使う必要があったのかという思いが今でもしている」としつつ、「国際情勢とか戦後の占領状態からいくと、そういうこと(原爆投下)も選択肢としてはありうる」と語った。
久間氏は講演後、朝日新聞の取材に対し、「核兵器の使用は許せないし、米国の原爆投下は今でも残念だということが発言の大前提だ。ただ日本が早く戦争を終わらせていれば、こうした悲劇が起こらなかったことも事実で、為政者がいかに賢明な判断をすることが大切かということを強調したかった」と発言の意図を説明した。
安倍首相は同日夜、遊説先の香川県丸亀市での会見で久間氏の発言に関して「自分としては忸怩(じくじ)たるものがあるとの被爆地としての考え方も披瀝(ひれき)されたと聞いている。核を廃絶することが日本の使命だ」と述べた。
     ◇
【久間氏の発言要旨】
日本が戦後、ドイツのように東西が壁で仕切られずに済んだのは、ソ連の侵略がなかったからだ。米国は戦争に勝つと分かっていた。ところが日本がなかなかしぶとい。しぶといとソ連も出てくる可能性がある。ソ連とベルリンを分けたみたいになりかねない、ということから、日本が負けると分かっているのに、あえて原爆を広島と長崎に落とした。8月9日に長崎に落とした。長崎に落とせば日本も降参するだろう、そうしたらソ連の参戦を止められるということだった。
幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本は取られても何もする方法もないわけですから、私はその点は、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という頭の整理で今、しょうがないな、という風に思っている。
米国を恨むつもりはないが、勝ち戦ということが分かっていながら、原爆まで使う必要があったのか、という思いは今でもしている。国際情勢とか戦後の占領状態などからいくと、そういうことも選択肢としてはありうるのかな。そういうことも我々は十分、頭に入れながら考えなくてはいけないと思った。

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