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米海軍は市民に対して真相を明らかにし、説明会を行え!
7月26日、原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会は、横須賀・ウエルシティで「原子力空母G・ワシントン火災事故真相究明等を求める市民シンポジウム」を行い、90人が参加した。
8月19日に横須賀配備を予定していた原子力空母ジョージワシントンは、5月22日、太平洋上で火災事故を起こした。二基の原子炉を搭載、大量の航空燃料や弾薬を積んでおり、大惨事になる可能性があった。現在、サンディエゴで修理中だが、米海軍は日本、とりわけ横須賀市民にむけてなんら事故原因、安全対策などを説明することもなく、9月下旬の配備を目指していることだけを表明しているだけだ。日本政府、市議会の配備賛成派は、米海軍の不誠実な態度を黙認している。会は、このような配備賛成派を許さず、空母配備反対、事故原因などの真相を求めてシンポジウムを開催した。
8つの問題点
呉東正彦弁護士は、ジョージワシントン火災事故の問題点を次のように明らかにした
(1)火災の程度は相当深刻なものであった。電気ケーブルを伝わって80区画に広がった。鎮火に四時間を要し、数十人が手当を受けた。
(2)火災の被災場所と燃料タンク、弾薬庫、原子炉との位置関係、距離も明らかになっていない。原子炉に関するデータも出されていない。
(3)電気ケーブルが、他の区画への延焼の原因となっているが、それでよいのか。
電気ケーブルの被覆物が可燃性であり、露出配線となっている。ダメージコントロール上、その区画に止まらず、80もの区画に延焼したことについて再発防止体制をどう確立するのか。
(4)原子炉を制御する電気ケーブルや外部から電力を供給するケーブルは可燃性ではないか。いざ原子炉事故の場合、火災等により保安施設も稼働しない危険性があるのではないか。
(5)艦内の可燃性物質の保管が不適切であったことが、火災拡大の原因となったと指摘されているが、具体的にどのようなことであったのか。このような人為的要因は、ファクトシートの説明と矛盾しないか。
(6)ケリー司令官から横須賀市に通報がきたのは、一日半以上たった24日午前十時であった。防災協定の実効性に疑問を投げかけるものである。
(7)市長や市議会が、5月27日に外務省に事故原因等についての早期の報告を求めたが全くのなしのつぶてである。
(8)いまだに火災の原因が明らかになっておらず、そのような危険な状態のままでの配備はあってはならない。
そのうえで呉東さんは、「情報公開せよ。米海軍は、市民に説明会を行え」と強調した。
山崎久隆さん(劣化ウラン研究会)は、「空母に搭載されている原子炉は熱出力推定60万キロワットのA4W型加圧水製軽水炉が二基だ。しかし、その詳細は軍事機密ということで不明である。戦闘を任務とする空母に原子炉があること自体、危険としか言いようがない」と批判。さらに原発事故、原子力艦船の事故・事件、被害例・規模などを紹介し、「原子炉の安全性などいくら論議しても意味がない」と結論づけた。
正木光さん(全造船OMB)は、造船現場の経験から「この度のように延焼が大きくなった原因は、大きな爆発による破壊、建造時の検査の甘さ、人的過失などが重なたのではないか。自衛艦で作業していたが、ぼや程度の火災を経験したことはある。
しかし、80区画も広がるなんて考えられない。原因と火災拡大の調査報告を公表すべきである」と発言した。
木元茂夫さん(すべての基地にノーを!ファイト神奈川)は、「米海軍の内部規格(ISO等)によって、火災については必ず再発防止対策が立てられ、それが完全に実行されねばならないはずだ。例えば、その一つとして電気ケーブルの延焼防止対策が明らかにされ、実行されたことを確認する必要がある」がいまだに情報公開されないことを厳しく批判した。また、海軍、米大使館に公開質問状を出していこうと呼びかけた。
パネラーの報告後、質疑応答が行われた。最後に横須賀市、日本政府、米海軍、米政府に対して事故原因の真相究明、情報公開、再発防止対策の公表や説明会の開催を求める集会決議を採択した。(Y)