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 5月12日、横浜地裁横須賀支部は、『ストップ原子力空母母港裁判』を進める会(07.7.1設立、原告650人、50人以上の弁護団)が国に米原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀基地配備(8月19日配備予定)に伴う浚渫(しゅんせつ)工事の差し止め請求をした裁判において原告側の訴えを棄却する不当判決を出した。

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「ジョージ・ワシントン」のホームページから 

 地裁は、グローバルな日米安保体制の機能強化と擁護の立場から「日本防衛に役立つ原子力空母の入港を目的とする浚渫工事は公益性が高い」と全面的にバックアップし、あげくのはてに原子力空母の危険性について「工事を差し止めねばならないほどの具体的危険性は認められない」「工事に伴い平穏な生活を営む上で、受忍限度を超える危険はない」などと具体的な検証と科学的根拠を示すこともしないで判断した。

 裁判で国は、安全性の証拠資料として米国製「ファクトシート」を土台とする外務省作成のパンフレットなどを提出し、「空母が事故を起こす危険性の有無は、工事の差し止め請求に関係ない。原子力空母の危険性は審理の対象外だ」と繰り返すだけだった。こんな稚拙な主張を認めてしまったのだ。希薄な根拠で住民の生存権、環境権、生命破壊の強行を追認したのである。

原子力空母の原子炉事故の危険性

 原告の主張は、こうだった。

 第一に、浚渫される大量のヘドロの中に、有毒なダイオキシン、水銀、砒素、鉛、トリブチルスズ、硫化水素を発生させる硫化物等が含まれており、港内で奇形の魚が発見されたり、過去に周辺で浚渫による漁業被害が発生していることから、浚渫工事により、横須賀港周辺で活動する原告らに著しい生命身体健康の被害や、漁業被害が発生する具体的危険性がある。

 第二は、浚渫工事の目的である原子力空母配備による原子炉事故及び放射能漏れが起こる危険性だ。具体的には、大地震が横須賀に発生した場合に、海面が低下したり、陸上からの電力や水の供給が同 時に遮断されることにより、原子炉が冷却できなくなってメルトダウンを起こす。海難事故、艦内の弾薬や燃料の爆発事故、内部要員の破壊行為や外部からのテロ攻撃等によって、原子炉の炉心や格納容器が破壊され、放
射能が原子炉から放出される。このような危険性が想定されるにもかかわらず、国は安全審査を行っていない。

 さらに原子力空母の原子炉事故が起これば、放射能が風下一体を汚染することとなり8キロ以内では全数致死、13キロ以内では半数致死等、横須賀周辺165キロ以内に住む原告らすべてに、著しい生命健康の被害が発生する具体的危険性があるため、1人1人の人格権に基づき浚渫工事が差止められねばならないと主張してきた。

 ところが地裁は、住民の主張をまともに認めることもせず排除しながら、国に対して「放射線被曝の不安を抱いている住民の不安を解消するため、外交交渉という効果的な手段を行使して米軍保有の情報の入手・提供に努めることが望まれる」「安全性情報を入手せよ」などと明らかに矛盾した意見を述べるという欺瞞的なポーズで逃げ切ろうとしているのだ。こんな滅茶苦茶なふざけた地裁判決を絶対に認められない。

5.16横須賀臨時市議会採決の予定 住民投票条例制定の実現を

 判決を受けて防衛省南関東防衛局は「国の主張について裁判所の理解が得られた。米原子力空母の交代は日米安保体制を確保する上で大変重要なものと認識しており、引き続き地元の理解を得られるよう努力する」などと居直り、米国のグローバル戦争に参戦する自衛隊作りを加速させていこうとしている。

 結局、判決は、52438筆を集めた空母配備反対のために住民投票条例制定の直接請求の署名運動や11日の「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」の集会(2200人)の成功に真っ向から敵対するものとなった。原告は控訴する方針だ。

不当判決を糾弾し、二審裁判闘争に連帯しよう。

 この日に、住民投票条例の審議のための横須賀臨時市議会が始まっている。これまで蒲谷亮一市長は、「原子力空母配備の問題は国が判断すべきものだ。住民投票はなじまない」などと敵対発言を繰り返してきた。今回も同様の反動発言を繰り返し、保守派も否決にむけて立ち振る舞うことが予想される。16日(金)の午前11時本会議、午後採決の予定だ。事態は緊迫している。市議会は、52438筆の署名要求を受け入れ、住民投票条例を制定せよ。8・19米原子力空母横須賀配備に反対していこう。(Y)

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