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 関東地方でも梅雨明けとなった7月17日、広大な米空軍横田基地を抱える東京・福生市の福生市民会館で「横田にも辺野古にも普天間にも基地はいらない7・17横田行動」が開催され88人が参加した。

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 司会をつとめた立川自衛隊監視テント村の大洞さんが、沖縄の米軍基地問題とは何よりも私たち自身の問題だ、と集会の趣旨を説明し、沖縄の闘いと連帯するためにも航空自衛隊航空総隊司令部が移転し、「日米共同統合運用調整所」が設置されて、米軍の指揮下に自衛隊が「融合・吸収」される「米軍再編」の現実が進行する横田基地への闘いが重要であることを強調した。

 メインの講演は軍事問題研究者の前田哲男さん。「日米安保と米軍再編」というテーマで報告した前田さんは、米軍再編の本質について?「第三次安保」としての性格を持ち、基地のリニューアルと自衛隊との一体化?「第二次関東計画」としての側面――「首都圏を再制圧」する米軍基地?「安保植民地」としての沖縄――普天間基地の辺野古移設、という三つの側面から問題を提起した。

 「第二次関東計画」とは何か。「第一次関東計画」とは1973年以後に展開されたものであり、米軍はベトナム戦争後に首都圏の広大な基地を返還(立川基地、ジョンソン基地、キャンプ朝霞、水戸射爆場など)する一方、拠点化を推進し空軍の横田集中と第七艦隊の横須賀常駐化を実現した(米空母の横須賀母港化)。それは同時に自衛隊の移駐と「共同使用基地」の拡大とセットだった。

 一方2005年以来の「米軍再編」の下で進められる「第二次関東計画」は、原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀配備、米陸軍第一軍団前方司令部の座間移駐、日米空軍が合同して「輸送ハブ基地」から「アジア・ハブ司令部」に変貌する横田基地、という形で進められている。「米軍再編」完了後の二〇一四年の姿は首都圏に二つの飛行場(横田、厚木)と一つの軍港(横須賀)を持ち、それぞれが自衛隊との「共同司令部」、訓練センターを保有し、「戦略目標」を共有して海外派兵態勢を取ろうとするものだ、と指摘した。

 前田さんは。こうした中でまさに安保そのものを問題としていくために、「政権交代」後の具体的要求として、米軍撤退に追い込む具体的行動計画として今年末に期限切れとなる「思いやり予算協定」第六次延長をしないこと、「日米地位協定」の改定を申し入れ、「国内環境基準の遵守」、汚染除去のための「原状回復義務」を明記すること、「旧軍港市転換法」の沖縄基地への適用を要求し、「平和都市建設」に向けた修正案を国会で成立させ住民投票を行って、「跡地と施設の無償譲渡」を受けること、などを提案した。

 講演に続いて、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの上原成信さん、辺野古への基地建設を許さない実行委員会の木村雅夫さん、横田基地被害をなくす会の塚本さん、元福生市議の遠藤洋一さんがアピール。座間のバスストップから基地ストップの会の原順子さんからの文書による連帯アピールも代読された。

 アピールの中で遠藤洋一さんは、自衛隊航空総隊司令部の横田移転に伴って自衛隊用の住宅、隊員の子どもたちを想定した小中一貫校の建設などが横田基地周辺に計画されており、「航空自衛隊横田基地」という言葉も使われ始めている、と自衛隊側の「気分高揚」ぶりを紹介した。

 集会後、広大な米軍横田基地に沿ってデモを行った。横田基地正門前では在日米軍司令官エドワード・A・ライスjr中将宛の申し入れ書も読み上げられたが、例によって米軍側は受け取りに現れることもなかった。

 デモは、米軍のアフガニスタンでの戦争への抗議、普天間基地の即時返還、横田基地撤去などを訴えながら福生駅まで一時間半にわたって行進した。(K)

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