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台東福祉の「水際作戦」を絶対に許してはならない
11月5日、野宿から生活保護申請をした人々に対する不当で差別的な対応を行った台東区福祉事務所保護課に対する追及行動が行われた。
午後1時、午前中の新宿裁判傍聴行動を終えた多くの仲間や、法律家の人々、支援に駆けつけた仲間など約60人が台東区役所横の小公園に集まった。
昨年12月の隅田川キャンプアウト行動以降始まった生活保護の集団申請行動ではすでに200人を越える仲間が墨田区、台東区で生活保護を取得している。
野宿状態で生保を取得しようとすると施設への入所を強要される。しかしホームレス総合相談ネットワーク法律家の人達がそれはおかしいと動き始め、居宅での保護を勝ち取っていった。山谷労働者福祉会館でもそれに学び、居宅での生保を取得したいという仲間たちと話し合い、学習し、支援の体制を広げ、キャンプアウトから集団申請の行動を開始していった。
当初はやはり「野宿の人は施設に入ることになっています。」という対応であったが、仲間たちはそれを断固拒否し、山谷のドヤで生保を取得し、そこからアパートへ移るという流れを作っていった。
決定を受けて申請日にさかのぼって生活保護費は支払われる。しかし住居のない野宿の仲間はそれまでの居場所がない、それが「施設に入れ」の根拠のひとつとされてきたわけだが、集団申請においては審査中のお金を仮払いさせてドヤに入り、そこで決定までの待機期間を過ごすというやり方を採った。
越年闘争あけの第二回の集団申請まではかなり執拗に「施設に入れ」言ってきたが、それ以降は九月の集団申請まではこの方法がほぼスタンダードとなった。
今年1月2日に起きた練馬区関町の「さくらハウス」の寮長殺害事件によってこのような施設のひどさが浮き彫りになってきたことも大きかった。
ドヤに入ってからはそこでしばらく生活を落ち着け、体の悪い仲間は体を直し、自分でアパートを探して引っ越す。すでにアパートに移った仲間も多く、中には仕事を見つけ自立をした仲間もいる。
しかし、10月27日の集団申請で台東福祉に向かった33名の仲間に待っていたのは悪夢と言っても良い対応だった。
路上放り出しNO 「全ての人に居住権を!!」
「面接するのは一日に10人まで」そして「みんな施設に入ってもらいます」と言うもの、10人で足切りというのは全く不当であり、不法である。一般の申請者は受け付けているのであり、野宿者のみを差別して別の処遇にしているのだ。
申請者の中には高齢の仲間や、体の弱っている仲間もおり、(事実、面接を後日に回された仲間の中には結核で病院へ収容された人もいる)急迫性があるのかないのかは少なくとも判断する必要性があるはずなのだ。
「じゃあ今晩どこに寝れば良いんだ」という仲間に対しては「どこへでも好きな所にどうぞ」とまで言い放った。これが福祉事務所の対応だろうか。一方で区役所はガードマンを雇い区内の公園を24時間くまなくパトロールさせて野宿出来ないようにしているのである。
仲間たちは朝の九時から夜の9時まで約12時間福祉事務所に座り込んで闘った。夜になってからは福祉事務所の職員はなんと全員帰ってしまい、ガードマンと事情の良くわかってはいないらしい区役所の他の部署の人間がピケットを張っているという有様だった。
この日の夜から行き場のない仲間たちを中心に区役所横の小公園で野営の闘いが始まった、ブルーシートの上に布団を並べ、その上に昨年のキャンプアウトで使った「全ての人に居住権を!!」という大横断幕が広げられた。
断固として野宿状態での申請でがんばるという数人の仲間、少しお金があるのでドヤに泊まってそこを居住地として申請をするという仲間を除いて多くの仲間は福祉の強要した「春風寮」「銀泉閣」「綾瀬寮」などの緊急宿泊施設に入らざるをえなかったが、福祉事務所では声を掛け合い、日曜日の共同炊事には一堂に
会して共に闘っていった。
施設の実態
仲間から聞く「施設」のひどさは予想以上だった。「八人部屋で、けっこう汚いよ」「風呂は一人10分と決まっている、モタモタしているとうるさいんだよ」刑務所でも15分であるから刑務所以下だ。これが「福祉」の名に値するのか。
五日は公園で簡単な打ち合わせを行ったあと、福祉事務所へ移動し、一人の仲間が面会票を出し面接室へ、そこへみんなで移動し、話し合いを行おうとするが「ドアを閉めろ、閉めなければ面会はしない」と相談室から出て行ってしまった。相談室では4人ぐらいしか入れないのでドアを開けてみんなにも聞こえるようにしようとしたが聞き入れられない、では他にもっと大きな部屋を用意しろと言うのだがこれにもなしのつぶて、一切の話し合い拒否の姿勢である。
仕方がなく全員でロビーから事務所に移動し、話合いに応じろ!と迫るが、さっきまでいたはずの福祉課長は逃亡している。代理の人間を呼び出し、ホームレス総合相談ネットワークの法律家が用意してきた「意見書」読み上げて手渡す。この意見書は51人の弁護士、司法書士が賛同署名をしている。渋々受け取るがあまりにも不真面目な、馬鹿にした態度にみんなの怒りが爆発する。
その後、五名の仲間の面接を見届ける、「野宿だと保護の決定開始が出来ない」と繰り返すのみ、「五日にはドヤに移す」とケースワーカーから約束を取り付けていた仲間も春風寮に引き続き残されることになってしまった。これに対しては直ちに「保護変更申請書」をたたき付ける。夜8時半より区役所横の公園で野
営体制に入っていった。
緊急宿泊施設に入った仲間たちは約二週間で居宅での保護に移る見込みであるが、これも確定的ではなく最後まで見守る必要があるし、何よりこのようにしてふるいにかける台東福祉の「水際作戦」を絶対に許してはならない。まだまだ闘いは続く、今後の展開に注目と支援を。(板)
●11月28日には「さくらハウス事件」から貧困と生活保護を考える11・28集会が行われる。ぜひご参加を。
*「さくらハウス事件」から貧困と生活保護を考える11・28集会
*11月28日(金)午後6時30分
*セシオン杉並(丸ノ内線「新高円寺」ないしは「東高円寺」徒歩5分)
*なぜ事件は起きたのか/宿泊所アンケートの結果/弁護団からの報告など