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京品ホテル「強制執行阻止! ホテルの取り壊しをやめさせる」集会が9日、ホテルの大会議室で行われた。東京では久しぶりの雨が降ったために屋内集会となったが、主催の東京ユニオンをはじめとする労組と大勢の支援者、マスコミが集まった。会社側が昨年11月に「立ち退き」仮処分を提訴し、12月17日に審尋が終了。年明けの7日以降に裁判所の決定があると考えて当集会が予定されたが、「立ち退き」決定が未定のまま集会が始まった。
絶妙な語り口で知られる司会の島崎書記長から「自主営業開始から81日目となり、風船に乗れば世界一周できたところです」と、5万を超える支援署名が集まったことを受けて、長丁場となった職場占拠闘争にも余裕をみせた。
全労金の石田委員長は「京品ホテルの闘いを、八三〇〇名の組合員全員が支援していくことを確認してきた」と発言。さらにヘルスケア労協、日本赤十字労組、全日建労組などから共闘支援の発言が続いた。サービス連合の後藤さんは「ひと言で自主営業と言っても、その辛さは同業者でないと分からない」とホテル組合員の労をねぎらい、全国一般東京東部労組は「占拠は崇高な行為だ。支援を惜しまない」と連帯表明。そして世田谷区職労児童館分会の工藤さんは「小泉・竹中構造改革により、児童福祉の労働者自身が民営会社に委ねられ非正規化されつつある」と福祉行政の現状を説明し、官民一体で闘うことの重要性をアピールした。
一方、東京管理職ユニオンの安部副執行委員長は、この間従事した派遣村行動のその後を報告。「収容した人たちのほぼ全員が生活保護を受けることができた」と述べ、「既存の制度でもきちんと適用すれば救済できるはずであり、それをしない行政の怠慢だ」と糾弾した。
東京ユニオン渡辺委員長は「仮処分決定の遅れ」は闘いにとって有利であると考え、その分自主営業を続けられるとした。裁判官は社会正義としての「占有」と経営権侵害を秤にかけて苦渋しているが、最終的には立ち退き決定を予測する。しかし悲観はしていないと発言。理由はこうだ。「強制執行阻止の闘いが派遣村とリンクし、雇用問題が現在の社会問題への切り口」となる。さらに政治問題化する可能性もあるからだ。小林社長はホテルを売却することもできず当事者能力がゼロであり、仮に強制執行を行えばより問題が深刻化し社会性を帯びてくる。これも「自主営業をやめるつもりはない」という闘いの構造が、しっかり作られてきたからだと説明した。
さらに「争議解決に向けて、強制執行には座り込みで対決する」方針を打ち立て、各組織へ支援を要請した。またこの争議では多くの地域住民が応援しているのも特徴だ。住民の方々には監視団をお願いしていることも明かした。強制執行が明らかになればホテル内での緊急記者会見を行い、この争議の「分かりやすさと確かさ」をすべての国民へアピールしていくとしている。
最後に島崎書記長が「リーマン商法も派遣切りの企業も『合法だ』と開き直っている。しかしその合法のもとで、労働者の生存権が脅かされているではないか!」と声を震わせて糾弾し、集会参加者全員が団結を誓い集会を勝ち取った。
この争議が貧困・解雇に対する全国的闘いの環となったことを、はっきりと確認しようではないか。全国からの支援を結集し、強制執行を断固阻止していこう!
(かめ)