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政府は、憲法違反に満ちた裁判員制度の強行(09年5月21日)に向けて、11月16日の新聞朝刊の広告チラシと一緒に「裁判員制度のお知らせ あしたのニッポン 政府広報」「裁判員になる可能性のある方に、今月末から通知が届きます!」をばら撒いた。すでに最高裁は、テレビ、ラジオで裁判員名簿記載通知が届くなどと20秒間のCMを流している。10日から12月7日の間、なんと約4億3400万円もかけての大宣伝作戦の展開中だ。通知書は、約30万人ともいわれる市民に送付されることになっている。これまで闘う弁護士など各界、市民から最高裁判所・法務省・日本弁護士連合会推進派のキャンペーンに対して制度の危険性の未提示・隠蔽、拙速な論議で決めてしまったことなどを厳しく批判されてきたにもかかわらず、全く無視だ。
このような推進派による強引な裁判員制度の押し進めに抗して「裁判員制度はいらない!大運動」(http://no-saiban-in.org/)は、政府の「裁判員制度のお知らせ」キャンペーンの抗議と裁判員制度実施阻止・廃止を掲げて11月22日、全国約20か所で集会やデモなどの街頭宣伝活動を行う。
東京では、11月22日(土)午後1時30分、社会文化会館講堂(地下鉄永田町駅下車)で集会・銀座デモ。「裁判員制度はいらない!大運動」は、足立昌勝(関東学院大学教授・刑事法)、嵐山光三郎(作家)、今井亮一(交通ジャーナリスト) 、 蛭子能収(漫画家) 、織田信夫(弁護士)、崔 洋一(映画監督) 、斎藤貴男(ジャーナリスト) 、新藤宗幸(千葉大学教授・行政学) 、高山俊吉(弁護士) 、西野留美子(ルポライター) 、山口 孝(明治大学教授・経営学)の呼びかけ人で粘り強く反対運動を広げてきた。政府らの裁判員実施強行にむけた宣伝を上回る包囲陣形を作り出し、裁判員制度実施阻止・廃止を実現しよう。
現代版「赤紙」「召集令状」をはね返そう
反対運動は、全国の闘う弁護士を先頭に創意工夫に富んだ取り組みが行われている。その中でも新潟県弁護士会は、2月29日、全国の弁護士会で初めて制度実施の延期を求める決議を可決している。決議文は「世論調査でも八割が『裁判員になりたくない』と答えており、民主的討議を経ないまま制度が導入された」ことを厳しく批判している。さらに制度が判決の誤りや冤(えん)罪を生み出す危険性、重罰化の流れへの加担であることを指摘し、「国民に重大な義務と負担を課す制度であって、民主的な討議を経た上で国民の納得を得るべきだ」と結論づけている。続いて栃木、大分の弁護士会も延期決議を採択した。
反対運動の広がりによって、8月7日、共産党と社民党が、裁判員制度の実施延期を決めた。また、民主党小沢代表は、裁判員制度のあり方そのものを見直すことを表明している。この流れに危機感を持った日弁連執行部は、8月20日、「裁判員制度が予定通り強く実施されるよう強く求める」との緊急声明を発表した。最高検の樋渡検事総長も、「実施して、やりながら改善していくのがいい」などと無責任な発言をするほどだ。あげくのはてに制度推進派の衆院法務委有志が「国民は必ずしも制度を歓迎していないが、確実に実施すためには負担を極力減らす配慮が必要だ。日当も3万円に」などと法相に提言書を渡すドタバタを演じている。
グローバル派兵大国建設の一環である新自由主義的統治強化にむけた裁判員制度の実施を許してはならない。現代版「赤紙」「召集令状」のばら撒きキャンペーンを糾弾していこう。(Y)