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無駄で環境破壊の静岡空港を強引に推し進めてきた石川嘉延静岡県知事が3月25日に辞職表明しました。空港はいらない静岡県民の会は、「一矢を報いたということができる」と確認し、新たな空港反対闘争に踏み出しました。その決意を全国の仲間たちに発信した県民の会の声明が届きましたので掲載します。
声明 空港はいらない静岡県民の会
2009年3月27日
3月25日、静岡県知事石川嘉延は辞職を表明した。静岡空港建設に反対してきた私たちは、この表明を、以下のような経緯を踏まえ改めて廃港に向けて運動の前進を契機とするものである。
(1)そもそも県民は空港を必要としていなかった。にもかかわらず巨額の税金を投入し、住民に大きな犠牲を強いる計画を推進したのは、ひとえに財・政・官複合体であった。バブル経済全盛期の1986年に計画の出発点として設立された「静岡県民間空港開設研究会」にゼネコン数社が参加していたことはこの空港の性格を雄弁に物語る。そして、96%超の工事落札率の高さや、工事を受注した西松建設による知事後援会パーティ券の購入等の事実がそれを裏付ける。
(2)空港反対が多数を占める県民世論調査を無視し、建設の賛否を問う住民投票条例案を葬り去った知事は、お手盛り審議機関から建設のお墨付きを得、需要予測を幾度となく下方修正しながら最終的に国内線106万人を決定した。しかしその数字は、就航会社が決まった時点で、予測の約四割しか見込めないという現実によってこの上ない虚構性が露わになった。地元会社の小型機、海外便、チャーター便の参入があるにしても、搭乗率保証などの就航支援と着陸料の大幅な減免によって大赤字のさらなる拡大は確実であり、その穴埋めはすべて県民の肩にのしかかってくるのである。
(3)この空港が県民多数に歓迎されないがゆえに、知事は用地の強引な収用を急いだ。性急でずさんな手法は、測量ミスによって支障となる物件を見落とし、一方で収用するべきでない土地まで収用するという重大な過失を犯した。しかも、その過ちを長期にわたってひた隠し、事顕れるや言い訳を二転三転させ、ついに三度目の開港延期に追い込まれた。その国交省に対する延期許可申請において、自らの責任には一切触れず、すべて地権者の協力拒否が原因であると責任転嫁したことは、延期を直ちに許可した国交省とともにその官僚的無責任ここに極まったと言わざるをえない。
(4)この3月18日、県監査委員は開港延期問題について異例の行政監査の結果を発表した。その中で、「地滑り防止工事」と偽って地権者との協議を求めたこと、交渉の記録の不明なこと等々を指摘した。知事はこれを真摯に受け止めようとしなかったにもかかわらず、日をおかずして辞職を表明するに至ったのは、追いつめられてついに県民の意思を無視できなくなったことの帰結にほかならない。
(5)暫定とはいえ開港を許した空港反対運動の立場から言えば、この辞職は知事に一矢を報いたということができる。しかし、石川知事在任十六年間に、多くのハコモノ建設を推進し、県財政を極度に窮乏させ、ために県民福祉や自然環境を犠牲にした強権的な悪政・失政の責任追及の手をいささかもゆるめることはできない。根本的から県政を立ち直すたたかいが必要とされているのである。
〈連絡先〉静岡市葵区鷹匠2-12-10 空港はいらない静岡県民の会
電話・FAX 054-653-2791