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石川静岡県知事よ ただちに空港計画を中止せよ

 11月22日、静岡反空港8団体(空港はいらない静岡県民の会、空港に反対する榛原オオタカの森トラストの会、「空港ノー」吉田町民の会、空港に反対する地権者・住民の会、空港に反対する地権者・自治体議員の会、空港をかんがえる周辺住民の会、空港予定地の自然を守る会、空港用地共有地権者会)と反空港全国連絡会は、静岡労政会館で「空港つぶせ!第8回反空港全国集会」を開催し、85人が参加した。

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 ムダで環境破壊の静岡空港建設を強引に押し進めてきた石川嘉延知事は、10月29日の県議会全員協議会で空港滑走路西端の区域内にある反対地権者・大井寿生さんの土地と立ち木153本が航空法の高さ制限を超えて存在していることを放置し、杜撰な工事と土地収用法を暴力的に適用してきた破綻の結果として、国の空港完成検査を受けられず2500メートル滑走路の09年3月開港予定を延期せざるをえないことを表明した。

 そもそも航空法49条は、空港周辺に建造物や植物などの突出する物件について制限する区域(制限表面)を設定している。静岡空港の場合、滑走路西端から約1・5キロ区域から約28メートル以上、上に出てはいけないのだ。大井さんの立ち木は、制限表面を十メートル超えたものが153本もあり、さらに約1メートルも高い土地が10平方メートルもあったのだ。空港建設にとって基本原則である。

 要するに県の実施した測量ミスであったのだが、この事実をひた隠しにし、伐採に応じてくれるだろうという願望だけで工事を進めてきたのであった。一切の責任は石川県政にある。


 この事態は、報道を通して全国問題化し、県内外の多くの人々から税金の無駄遣い、横暴な石川県政への抗議が強まっていった。ところが石川は、これまでのプロセスについて反省し、反対地権者と真摯に対話をするのではなく、また膨大な赤字を作り出す空港建設計画そのものをストップするのではなく、なんと滑走路を暫定的に300メートル短くして2200メートル滑走路で開港することを明らかにした。この滑走路の短縮工事費に1億1千万円におよぶ県民の税金を使う補正予算案を議会で強行可決までもした。

 このような不真面目な石川の態度は、わざわざ「空港つぶせ!第8回反空港全国集会」の前日の21日に大井さんに対して「心労やご迷惑をおかけしたことを、地権者と家族におわびを申し上げます」などとアリバイ的な謝罪会見をする有り様だ。

 県は大井さんの「申入れ」に真摯に答えろ

 大井さんの「申入れ」(10月28日)は、
「1.西側制限表面の収用事業認定申請において、極めてずさんな手続きにより収用及び使用範囲の確定に誤りがあったことを認め、書面で謝罪せよ
 2.収用委員会審理において、一方的に審理を打ち切って裁決を下したことについてその誤りを認め、書面によってこれを謝罪せよ
 3.共有地権者及び立木所有者を含む 西側制限表面に係るすべての権利者に対し送付し、謝罪せよ
 4.知事及び静岡県収用委員会長は、公に謝罪せよ
 5.静岡県職員小松幸雄は、静岡空港整備事業における西側制限表面上の支障物件の問題について、その起因に深く関与するにもかかわらず、この間再三にわたり極めて不適切な言動を繰り返し、権利者及びその親族の生活の平穏を脅かし、問題の円滑な解決を妨げた。静岡県は、同職員を速やかに空港に関与のない部署に配置する
 6.すべての要件の完全な履行が確認されたうえで、静岡県からの正式な協議の申し入れが書面によって行なわれた場合に限り、静岡空港西側制限表面部分権利者大井寿生は、制限表面上の支障物件の問題につ
いての協議に応ずる
 7.協議についてはすべて書面の交換によって公開されたかたちで行うものとする」というものだった。

 石川会見は、いったいどのように「申し入れ」に対して具体的に答えたというのか。この場におよんで「とりあえず私の責任、決断の範囲に焦点を当てて交渉した。申入書の数点は、協議するところが残っている」などと無責任な態度を繰り返した。

 大井さんは、「具体的な責任や原因について言及しておらず、不誠実な対応と言わざるを得ない」と厳しく糾弾している。当然だ。石川県政の破綻の責任を追及し、空港廃港にむけて連帯を強めていこう。

反空港全国連の前進

 このように反対地権者、空港反対派運動と県の緊迫した状況下の中で集会が始まった。

 主催者あいさつが鈴木卓馬さん(県民の会共同代表)から行われ、県の強引な工事、空港利用者数の過大な人数設定などを批判し、「民主主義が問われている。廃港をめざすとともに、跡地の利用も提示しながら石川知事を追い詰めていこう」と発言した。

 「沼津鉄道高架事業反対の闘いの現状と今後」について加藤益久さんから市長選で事業の是非を掲げて闘った市民派候補の取り組みや市議会での反対運動の取り組みなどについて報告。また、貨物駅に土地を売らない地権者の会を結成し、国・県・JRが一体となった土地強奪をはね返していく決意を語った。

 基調報告を桜井建男さん(県民の会・事務局長)から行われ、「燃料費高が追い打ちをかけて、今なおグローバル競争下での大規模な再編・統合が続いている。 アジアのハブ空港をめぐっては、シンガポール・中国・韓国がはるかに先行し、さらに「オープンスカイ」協定が進んで、LCC(低コスト航空)と呼ばれる路線が拡大し
ている。JAL・ANAの2社も厳しい生き残りを迫られていて、両社もグローバルな大競争の下で生き残るのは容易でないというべきであろう」と航空情勢を展開した。

 そのうえで「地球温暖化対策やCO2削減対策が緊急の課題となっているとき、莫大な化石燃料を消費し、CO2をまき散らす航空輸送の際限のない拡大を放置してよいはずがない。また、偽りの公共性・公益性の下にムダな地方空港を乱造し続けてきた日本の交通政策は、道路・鉄道を含む交通物流システム全体の中で厳に問い直されなければならない。静岡空港は不要な公共事業として負の存在でしかない空港の典型である。静岡空港工事完成予定期日の4か月延期申請を、国交省はいとも簡単に「やむを得ない」として認めた。この行政権力・官僚間の癒着を糾弾し、その実態を暴くとともに、大赤字の国民への押しつけを阻止する運動をはじめ住民利益に反する空港を許さない闘いを続けていかなければならない」と強調した。

 「各地の報告」では、次の仲間たちから空港批判と運動の現状についての発言があった。
・新石垣空港反対運動を取り組む八重山・白保の海を守る会
・「9・21関西新空港反対!泉州現地集会」を行った泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会
・環境破壊と赤字経営に追い込まれていることを指弾する中部国際空港・関連開発を考えるネットワーク
・羽田空港の騒音問題などを告発し続ける羽田空港を監視する会
・東峰住民追い出し攻撃を強行する空港会社を批判する三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会

 また、加瀬勉さん(三里塚反対同盟)の集会メッセージが紹介された。(下記に全文掲載)

 静岡空港現地報告として反対地権者の大井寿生さんは、県のいい加減な工事と石川知事の無責任ぶりを厳しく批判した。また、松本吉彦さんが空港近くにある積雲院の御神木の立木も制限表面にかかわることを報告。新たな事実を通して、だめ押し的に県の工事の酷さを確認した。

 続いて県民の会の共同代表であり、「空港ノー」吉田町民の会でもある島野房巳さんが、「開港延期をかちとったが、この地平で安住してはならない。空港廃港にむけた広い視野と長期的な展望を持って運動を広げていこう」と集約した。

 反空港訴訟弁護団の阿部浩基弁護士は、「事業認定取消訴訟」と「収用裁決取消訴訟」の取り組みを報告し、石川知事の不誠実な姿勢を繰り返してきたことや収用委員会、西側制限部分の問題点などを指摘した。

 最後に竹野昇さんから集会宣言、佐野慶子さんが閉会あいさつが行われた。

153本の立木と土地を現認

 23日は、現地見学会が行われた。コースは、大井さんの土地と立ち木調査~県が作った空港展望台~オオタカの森の家だった。

 滑走路西端にある立ち木と土地のコースでは大井さんによるガイドだった。制限表面を超える153本の樹木や土地についての経過、県の工事のやり方を怒りを込めながら説明してくれた。

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 オオタカの森の家の前で昼食。同時に交流会が始まった。反対地権者の檜林耕作さんと村田利廣さんから発言。参加者も感想を含めた発言が続き、歓談と交流を深めていった。

 天気は快晴、皆、新たな元気エネルギーを吸収する。明日からの運動にむけて奮闘していくことを誓い合った。(Y)

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2008・11・22~23反空港全国集会へのメッセージ

加瀬勉 三里塚芝山連合空港反対同盟

 闘魂必成正剣破邪木根居士は三里塚第一次代執行阻止闘争の時に無念にも仆れていった三里塚芝山連合空港反対同盟小川明治副委員長の戒名である。フランス、ラルザックの基地反対国際集会に参加し帰国した小川源反対同盟副委員長の「木の根の源について来い」と叫びつづけ、我々を奮い立たせた源さんも戦い志半ばにして逝去した。木の根字西口の土地とその共有地は明治さんと源さんの三里塚の戦いに生涯を賭けた「泥土放光」遺産の土地である。日本人民の戦い意志を示す人民の所有地として断固守り抜きその戦いを発展させてゆかねばならない。

 地球規模、全世界を覆う食糧危機。世界各国での食糧暴動。投機によって作られた食糧危機。地球上の食糧生産は一人当たり三百五十トンである。飢えるはずがないのに飢えているのは食糧が帝国主義の人民搾取する、支配の道具として利用されているからである。地球上に住む六十七億の半分の人々が飢えていて、更に食糧のバイオ燃料への転化、原油価格の高騰とあいまって一億人が飢餓に追い込まれた。世界一食糧国日本の食糧安全保障体制の根幹が崩れた。食糧が人民支配の投機、搾取の道具としててばなく、人民の命を守り育くむものとして、人類の飢えからの解放とゆう崇高な任務と目的のために奮闘しなければならない。人類の飢えからの解放。我々は空港建設に反対して三里塚の寸土を守る。

 三里塚は国際空港公団から空港株式会社へ。国際空港の拠点は成田のみではなく羽田、中部空港、関空と拡大した。アジア各国の巨大空港の建設とあいまって苛烈な資本の競争のなかで、三里塚空港二千五百mの北側拡張、三十万回発着の増便と騒音地帯の拡張の野望に生産と生活は更に破壊されようとしている。三里塚東峰住民に対する騒音地獄の重圧、誘導路の囲い込み、人権侵害は増大する。我々は全国各地域のさまざまな戦いを発展させて三里塚の農民、住民との連帯を強化してゆかなければならない。

 三里塚の土地所有者は一坪共有者を含めて千三百人である。三千五百mの横風滑走路の建設と二千五百mの南側滑走路の拡張はがっちり阻止している。初心、四十有余年の意志と戦歴にいささかのゆるぎもない。

 政府の一県一地方空港の「馬鹿」げた政策も破綻した。静岡空港は最後の地方空港だと騒がれ始まった。開港日二転三転、建設反対立ち木による滑走路の短縮、三里塚の状況とよく似ている。開港しても赤字転落、県民への負担の増大、傲慢な石川知事の責任問題が前面に出てきた。我々が戦い意志をすてないかぎり戦いに前途があることがまたここでも証明された。

 安倍内閣に続いて福田内閣も政権を投げ出した。目の前に政権が転がってきているのに打ちのめすことができないとは残念無念である。前中山彬国土交通相が「三里塚農民ごね得」、アイヌ民族否定の「日本単一民族」、「日教組解体」の暴言で辞任した。でも手放しで喜ぶことはできない。なぜなら我々の主体的行動、大衆行動で辞任に追い込んだ訳ではないからである。原油高による全国漁船20万隻の休業、トラック運送業界のデモ集会、医療福祉年金問題での老人パワーの集会等、大規模にして新しい戦いが起こった。全国空港建設反対闘争において新しい戦線の構築をさらにはかってゆかなければならない。

 アメリカから起こった世界規模での金融危機、アメリカの世界支配の崩壊が始まった。混乱と混沌の状況は続く中で中山国土省大臣の発言、前自衛隊空幕長田母神俊雄の論文と発言、国家権力の中枢は超国家主義者、ファシストどもが存在していることを我々はいついかなるときも決して忘れてはならない。単なる失言問題ではすまされない。警戒心を怠ってはならない。

 三里塚の戦いのなかで多くの同志たちが命を捧げていった。静岡空港建設反対闘争においてもかけがいのない同志を我々は失った。その彼等の意思の上にいま我々は立っているのである。襟をただし決意を新たにし新しい時代を築くために奮闘しようではないか。全国集会の成功を心から願っています。

二〇〇八年十一月二十三日

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