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一坪共有地に関するアピールが完成しましたので配信します。


一坪共有地を守り抜き、三里塚闘争に連帯していこう

               三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会


 成田国際空港会社は5月、一坪共有者1200人に対して共有地の権利売却を迫る手紙を6月から送り付けることを報道(共同通信5/10付)を通じて明らかにしました。

 空港会社は現在、暫定(平行)滑走路の北側延長による2500メートル化工事を2010年3月の供用開始を目指して地元東峰住民の反対の声を無視して強行しています。

 そもそも暫定滑走路は国・運輸省─公団(当時)が2002年サッカー・ワールドカップのため利用客が増加するという口実で地元住民の反対にも関わらず北側に800mずらして建設し、2180mで供用開始したものです。民家の頭上40mをジェット機が着陸のために進入し、住民に騒音と排気ガスを昼夜の別なく降り注いでいます。また、四方を空港施設で取り囲んで周辺と切り離し、「陸の孤島」のような状態にしてしまいました。

 東峰住民はそうした苛酷な環境の中でも空港反対を貫き、農業・生活を営み続けています。


 発着回数30万回、空港会社の身勝手な野望を許さない

 現在、暫定滑走路は長さの関係で中小型機しか発着できませんが、2500m化されるとジャンボジェット機の利用が可能となり、その騒音、排気ガス、重圧感は現在と比べものにならなくなります。まさに住民の健康破壊、生活破壊をもってする追い出し攻撃にほかなりません。

 空港会社は当初計画の2500mの完成では飽き足らず、さらなる滑走路延長を打ち出しています。東峰住民を完全に叩き出した上で南側に延長し、3500m級の滑走路を作ろうというのです。

 成田空港は国内外の圧力にさらされ危機感を抱いています。成田は「アジアのハブ空港」を目指していたにもかかわらず、ソウルの仁川空港にその実績で遅れをとり、中国、東南アジアでも機能の高い空港が次々と完成し国際的な地位の低下は明らかです。

 国内でも関西、中部空港をはじめ、地方空港でも国際線の便数が増加し、とりわけ羽田空港の再国際空港化がさけばれ、神奈川県、東京都などが強力に推し進めています。「地盤沈下」をおそれる成田空港は来年度の完全民営化(株式上場)を控え、なりふり構わず空港機能の拡大を図らざるを得ないのです。

 空港会社は現在、年間20万回の発着数が平行滑走路の完成で22万回に増えても、それでも需要に追いつかないとして30万回に増やす計画を明らかにしました。平行滑走路の離着陸の進入、発進角度をずらすことによって技術的に可能だというのです。発着数の増加、角度の変更によって騒音被害が増大し、騒音地域が拡大します。そのため騒音地域の住民には動揺、不安が広がっています。

 東峰地区住民に対する追い出し攻撃を阻止しよう

 空港会社と関連企業、県や地方自治体の飽くなき利潤の追及、利権の確保のためにまたもや住民が犠牲にされようとしているのです。

 国・運輸省─公団はシンポ─円卓会議の過程で空港建設の誤りを認め、謝罪し、二度とこのようなやり方はしないと確約しました。しかし、今日に至るまで約束はことごとく反故にされ、公団─空港会社は自分たちのやりたいことを一方的にやり続けてきたのです。そのカネと権力があれば何でもできるという姿勢は40年前と何ら変わっていないのです。

 空港に反対する闘いの意義は全く変わっていません。政府─資本の横暴に対して住民の生きる権利と土地をまもり、民主主義を追及する闘いは三里塚闘争の原点です。一坪共有運動はそのようなものとしてあったし、現在も変わっていません。

 木の根、東峰の共有地は横堀の案山子亭や鉄塔のある反対同盟用地と共に、横風、平行滑走路予定地のど真ん中に存在し、国・空港会社の野望を阻んでいます。一坪共有地は全国の空港に反対する仲間の意志の表現です。東峰の共有地は現に用地内で生活している住民と共にあり、共有地を堅持することは東峰住民への直接的連帯として現時点ではとりわけ重要な意味をもっています。また、木の根の共有地と加瀬勉さんの土地は、木の根ペンションと一体であり、農業のネットワークや国際交流の拠点として多くの人々に利用され続けています。

 戦争のための空港の軍事利用・拡大をやめろ

 米軍再編下での日米軍事一体化、有事法制、国民保護法など政府は戦争できる体制を着々と進めています。その中で戦争のためのインフラ整備として空港機能拡充は欠かせないものとしてあります。成田空港はすでに自衛隊の恒常的な外国派兵のための出撃拠点として使用されています。成田空港の軍事使用を許さず、これ以上の拡張を阻止する闘いは私たちの主体的課題です。

 一坪共有地を堅持し、三里塚農民と連帯し、用地内住民をまもって共に闘いましょう。
                          2008.6.28

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