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 この約100分の作品は、1995年に死去した第四インターナショナルの戦後の一貫した指導的・代表的人格であったエルネスト・マンデルの死後10年に制作されたものです。この作品はロシア革命以後今日までの貴重な映像を重ねながら、マンデル本人とのインタビュー、マンデルと共に闘った同志たちの話を軸に、彼の生きた時代と闘い、そして第四インターナショナルについての簡潔な紹介となっています。

 最初は、マンデルの生い立ち、ナチスの勃興と第二次世界大戦への突入という激動の時代の中で、少年の彼がトロツキーの思想に獲得される過程を、タリク・アリ(パキスタンで生まれ、育ち、現在はイギリスで社会主義活動家、作家、TVキャスターなどとして多彩な活動を展開している)がマンデルに聞くという形式で構成されています。

 1923年生まれのマンデルは、13歳という若さでトロツキー派のシンパとなり、16歳で第四インターの戦列に加わります。彼はナチス占領下の非合法の活動に従事し、その間2回逮捕されて強制収容所に送られますが、その都度収容所を脱走するという、まさに生死をかけた闘いを経験しました。
 その後、1950年代のベルギーでのマンデルの活動について、エリック・トゥーサン、フランソワ・ベルカマン(いずれもベルギーの第四インターのメンバー)の話。

 1950年代後半から60年代初期のアルジェリア革命運動と、アルジェリアに連帯してモロッコ・アルジェリア国境地帯で武器製造工場を非公然に建設するために派遣された老同志の回想が続きます。キューバ革命の意義についてはフランスのジャネット・アベールが語り、1960年代後半のベトナム革命連帯運動、パリの五月革命については、タリク・アリとフランスLCRのアラン・クリヴィンヌが語っています。この映像の中では日本の三派全学連による1967年10・8闘争や、どういうわけだか三里塚管制塔占拠闘争の映像が挿入されています。

 1970年代初期の映像では、当時の第四インター・フランス支部の、ファシスト「オルドレ・ヌオーヴォ」に対する激烈な戦闘シーンも登場します。さらに1970年代については欧州の労働運動におけるマンデルの戦略とストライキ・労働者管理の闘いについてトゥーサンとベルカマンが語り、また1974年のポルトガル革命とマンデルの関与についてフランシスコ・ルカ(ポルトガルの左翼ブロックの代表的リーダー)が話しています。経済学者でもあるルカは、1970年代におけるマンデルのマルクス経済学への貢献についてもふれています。

 フェミニズム運動、エコロジー運動の活動家からも「フェミニズムと社会主義」、「エコロジーと社会主義」の視覚から、マンデルへの言及がされています。パレスチナに関してはミシェル・ワルシャウスキー(イスラエルの反シオニスト左派のリーダーで、オルタナティブ情報センターの創設者)が語り、ニカラグア・サンディニスタ以後の80年代~90年代のラテンアメリカ革命運動に関しては、エリック・トゥーサンとジョアオ・マチャド(ブラジルPSOLのリーダー)が話しています。

 ソ連・東欧のスターリニズム支配とその崩壊については、カトリーヌ・サマリ(第四インターの旧ソ連・東欧問題のエキスパート)がコメントしています。最後は、ソ連・東欧スターリニズムの崩壊を「社会主義の崩壊」と捉える支配的言説についてマンデルがシンポジウムで「孤軍奮闘」の形で、スターリニズムの崩壊は決して社会主義の理想の失墜ではないことを力説し、人類の未来が社会主義にこそあることを強調する映像です。

 こう書くと、マンデルと第四インターを讃えるプロバガンダのように思われるかもしれませんが、決してそうではなく評者の中からはマンデルの思想体系についての違和感、あるいは時代的限界や彼の「楽観主義」ゆえの展望の誤りも率直に指摘されており、1970年代後半まで第四インターナショナル統一書記局の中心メンバーだったタリク・アリからは「第四インターの終わりなき分派闘争に疲労困憊した」経験も述べられています。なおタリク・アリは「第四インターの日本組織の三分解」についても述べており、胸にズキンとする思いが湧いてきました。

 全体として見れば、第四インターナショナルが結成されてから今日にいたる世界史の推移を、労働者・民衆の闘いを軸に印象的に描きだし、「マンデルとその時代」を引き継いだ第四インターの新しい挑戦の重大さを強く感じさせる構成です。第四インター結成70年の今年、私たちがどのような時代をくぐりぬけ、どこに向かおうとするのかを刻み込むドキュメントになっています。(K)

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