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「大学自治法」に反対する学生によって封鎖されたソルボンヌ校舎とデモ(22日)


フランスの「公務員特別年金改革」に反対する国鉄、交通機関労働者のストライキは、22日にCGT-労働総同盟、FO-労働者の力傘下の労組が、「年金改革と引き換えの賃上げ」という政府提案をめぐる投票の結果、ストライキを中止し職場復帰することを決定した。残るスト続行派の労組はSUD-RAILのみという厳しい情勢となった。

SUD-RAILは、11月22日の声明で「陣形は破壊され、状況は困難となった。SUD-RAILはすべてのスト鉄道員への支援を提起する」とあらためて支援を呼びかけた。また、12月に行われる政労使交渉にはSUD-RAILも参加してストライキの要求を防衛する、としている。(SUD-RAIL 11月22日声明)

この状況をマスメディアは「二コラ・サルコジの勝利」と描いている。たしかに、「改革支持派」の60%の世論を背景に、マスメディアを挙げてのストへのネガティヴ・キャンペーンにCGT指導部が屈した形となった。ここには、今年4月の大統領選において、CGTに一定の指導性を発揮するフランス共産党が惨敗し、「硬直的な反新自由主義路線では勝てない」という誤った総括が影響を与えている側面は否めない。また、大統領選以降の左派の足並みの乱れもサルコジ陣営を利す形となり、右派を強化する結果となったといえる。

 しかし、まだ「サルコジ改革」の攻防の第1Rの終局にすぎない。今回の一連のストは、国鉄労働者は過去最高のスト参加率をマークした。サルコジ政府が次に狙う「公務員大幅削減」などに対して、今回の鉄道ストに連帯する公共部分労働者のストライキを通して、すでに反撃の陣形を固めたともいえる。一方で、サルコジ政権の支持率は低下を続けている。このスト収拾によって、一時的にサルコジは求心力を高め、労組指導部が自信喪失に襲われても、「サルコジ改革」が依然として容易ならざるものであることを「10-11月の反乱」によって労働者が現場から強力に示すことに成功した。問われているのは、左派の統一戦線の強化と労組指導部・左派各党が新自由主義に対する断固とした拒否の態度を貫くことである。90年代の社会党・共産党が参加する内閣が民営化推進路線を掲げたことで、左派支持層が離反し「サルコジ支持層」の基盤を形成した教訓を忘れてはならないだろう。 

また、21日に起こったTGV(高速鉄道)施設への放火・破壊をめぐって、政府・マスメディアによって「スト強行派労組の仕業」「極左派の仕業」はては「ブザンスノー(革命的共産主義者同盟-LCRのスポークス・パーソン)の指令ではないか」と仄めかすキャンペーンが行われている。11月22日にはLCRのアラン・クリヴィンヌはこれらの「仄めかしキャンペーン」を「腐臭の漂うデッチアゲと排除の運動」と強く非難し、LCRは強力な社会運動によってのみ政府と対決する、とあらためて宣言した。(アラン・クリヴィンヌ 11月22日の声明)

 「反サルコジ改革闘争」の第2Rはすでに開始されている。このかん「大学自治法」に反対してきた学生は、22日にも全国一斉デモを展開した。闘う学生によって封鎖されていたパリ大学ソルボンヌ校舎は、23日には封鎖解除を狙った反スト派の学生と対決し、ストライキを防衛した。現在は、大学当局によって大学が閉鎖されている状況に追い込んでいる。(ソルボンヌ校舎は2006年のCPE-初期雇用法を撤回させた戦いの口火を切った場所である) 

ノルマンディ地方カンでの学生デモ(22日)


学生たちは、20日には労働者に連帯して全国でデモに参加したように、社会運動との幅広い連携を模索している。しかしここでも、フランス共産党が指導するUNEF(フランス学生全国連合)指導部が動揺した態度をとっていることが伝えられている。2006年の反CPE闘争を上回る「指導部を乗り越える学生大衆の反乱」を全社会的に縦断する連帯の強化から作り出されるかどうかが、「反サルコジ闘争」第2Rの帰趨を決するように思われる。(F) 

反CPE闘争(2006年3月11日ソルボンヌ校舎)

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