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ウルムチでは緊張が続いている。7月13日、市内を制圧する治安部隊が5日の騒乱の容疑者の摘発中に、付近の建物に立てこもったウィグル人2名が射殺され、1人が負傷した。報道されないものもふくめ更に多くの弾圧が続いていることが予測される。
▲イリハム・トフティ氏
7月5日の抗議行動は、学生らによって開始されたが、その後に参加した多くのウィグル人は労働者、農牧民であり、当局の弾圧も労働者、農牧民に対してはいっそう厳しいものが予想される。注目を!
以下は、ウェブサイト「ウィグルオンライン」の主催者イリハム・トフティ氏の拘束に関するウィグル人や漢族など各界の知識人158人による呼びかけと独立中文ペンクラブの声明の翻訳である。(H)
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ウィグル人学者のイリハム・トフティの拘束に関する各界158人(第一陣)の呼びかけ
原文http://woeser.middle-way.net/2009/07/158.html
新疆ウィグル自治区のヌル・ベクリ主席は2009年7月6日にウルムチでの「7・5事件」について演説し、「ウィグルオンライン」ウェブサイトが扇動を行い、デマを流布したと批判した。7月8日早朝、「ウィグルオンライン」のウェブマスターで中央民族大学副教授のイリハム・トフティは消息を絶ち、いまも行方が分からず、当局に拘束されたのではないかと考えられる。
われわれは呼びかける
一、イリハム教授は民族の友好と摩擦の解消に尽力してきた著名なウィグル人知識人であり、犯罪者と見なすことはできない。(黄章晋のドキュメント文学《さらば,イリハム》を参照せよhttp://www.bullogger.com/blogs/huangzhangjin)
二、「ウィグルオンライン」はウィグル人と漢族が中国語で交流を行ってきた重要な民間のプラットホームであり、民族理解を深め、分裂と暴力に反対することを一貫した主旨としてきた。
三、ウェブサイトの個々人の投稿者の主張をウェブマスターに負わせることはできないし、そのことをウェブ責任者を批判する罪名とすることは、なおのことできない。これはインターネットの特徴であり、インターネット業界の慣例でもある。
四、政府はまず、チベット、新疆と続けざまに発生した事件における自らの過失を反省し、権力によって司法を操作したり、スケープゴートをもって自らの責任を回避してはならない。
五、イリハム教授に対するいかなる不当な待遇も、さらに民族敵対を加速し、理性的な対話と建設的空間を縮小させることになる。
六、もしイリハム教授に対して司法手続きが進められるのであれば、透明性を確保し人民の、とりわけウィグル人民の信頼を取り付けなければならない。
七、イリハム教授が発表する公けの声明において提起する要求を尊重し、当局の指定弁護士ではなく、彼自身により弁護士が選出されるよう要請する。
八、われわれは、もしイリハム・トフティ教授のように漢族とウィグル族の交流に尽力されてきた知識人が(当局の)敵と見なされるのであれば、いったい誰が友人なのかを問いたい。政府に頭をたれる者の他はすべて敵と見なされるのであれば、中国の民族問題は破滅への一途を辿らざるを得ない。
2009年7月13日
(署名は foryilihamu まで。名前、職業、居住地、民族を明記のこと)@gmail.com
第一陣の署名人
(以下、省略:署名者リストはこちらhttp://woeser.middle-way.net/2009/07/158.htmlを見てください:訳者)
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ウィグルペンクラブ会員イリハム・トフティ氏の失踪に関する独立中文ペンクラブの声明
(2009年7月12日)
独立中文ペンクラブは、北京民族学院経済学院の副教授で、ウィグルペンクラブ会員のイリハム・トフティ氏の失踪および当局に拘束されたという報道に重大な関心を寄せ、言論を理由とした報復攻撃に遭っているのではないかと心配している。当局が彼の失踪あるいは監禁の真相を調査・公表し、早急に彼の人身と言論等の自由など基本的権利を回復し、あわせて当会の前会長である劉暁波など7名の会員を含むすべての言論による弾圧者を釈放することを訴える。
イリハム・トフティは1969年10月25日に新疆アルトゥシュの生まれで、東北師範大学、北京中央民族大学で学士と修士の学位を取得し、韓国、日本、パキスタンに留学した経験をもち、現在は中央民族大学経済学院の副教授、「ウィグルオンライン」ウェブマスター、カザフスタン大学客員教授を務めている。彼は中国政府の民族政策及び新疆ウィグル自治区指導者の経済政策を批判する著名な学者で、ウィグル族人民の権利だけでなく、民族融合を一貫して主張し、理性と平和を堅持し、暴力に反対していたにも関わらず、その批判的言論を理由に、関係当局からの幾度かの警告と短期間の拘束を受け、「ウィグルオンライン」も閉鎖されたことがあった。
報道によると、2009年7月5日、ウィグル人がウルムチでデモをした際に暴力的衝突が発生し、百人以上の犠牲者と数千人の負傷者と逮捕者を出した。イリハムは主催する「ウィグルオンライン」に発表した論評の中で、新疆ウィグル自治区人民政府のヌル・ハリク主席の責任を指摘したことから、ヌル・ハベクリが公けにこのウェブサイトを「暴力を扇動しデマを流布した」と批判した。イリハムは友人に「これは濡れ衣であり、暴力を扇動したことなどないし、暴力を扇動するはずがない。
暴力と憎悪は誰にとってもどの民族にとってもいいところなどない。民族憎悪の悲劇を見たい者などいない」と語っていた。7月8日早朝、彼は北京の自宅から電話で知人に連絡をした。「わたしはすでに正式な通知を受け取った。恐らくこれがあなたが電話で最後に聞くイリハムの声になりそうです」。そののち消息を絶ち、いまも行方が分からない。未確認の情報では、彼はすでに北京の公安部に拘留されているという。容疑は明らかに前述の(ヌル・ベクリによる)指摘と無関係ではない。
中国の言論の自由についての状況は日々悪化している。当会の前会長の劉暁波など7名の会員を含む言論を理由とした逮捕投獄という現状に鑑み、独立中文ペンクラブはウィグルペンクラブ会員のイリハム・トフティ氏の失踪或いは拘留という報道に重大な関心を示し、同じく単なる批判的言論だけで報復攻撃を受けた彼の境遇を懸念することから、この声明で以下のことを呼びかける。
――北京の関係当局は早急にイリハム氏の失踪あるいは拘留の真相を調査・公表し、彼の人身、言論の自由などの基本的権利を回復すること
――もしイリハム氏が拘留されているのであれば、警察は彼の人身の安全と人道的待遇、家族への連絡および法律代理人を確保する法的権利を保障すること
――もしイリハム氏が言論によって拘束されたのであれば、関係当局は言論を理由として犯罪とする誤った方法を改め、即時無条件に彼を釈放すること
――中国当局は公民が正確かつ公平な情報にアクセスする権利、平和集会と表現の自由の権利および抗議活動において犯罪の容疑者とされた者が公正に裁判を受ける権利を保障すること
――内外の世論は中国当局が「中間人民共和国憲法」第35条と中国が早くに署名している国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」第19条を尊重し、ペンクラブの劉暁波、師濤、張林、楊天水、力虹、厳正学、杜導斌を含む言論を理由とした逮捕・投獄されている全ての人々を即時無条件で釈放すること
独立中文ペンクラブは世界で最も歴史ある人権組織であり国際的な文学機構である国際ペンクラブの145の会員支部の一つであり、世界の中国語作家の言論と著作の自由を擁護し、世界各地でその活動を理由に監禁、威嚇、迫害、弾圧されている作家と記者の権利を擁護している。ペンクラブによる作家の保護と言論の自由の擁護についての更に多く情報はhttp://www.chinesepen.orgを参照してください。
※中華人民共和国憲法 第35条
中華人民共和国の公民は、言論、出版、集会、結社、行進および示威の自由を有する。
※市民的及び政治的権利に関する国際規約 第19条
1 すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。
2 すべての者は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
3 2の権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。したがって、この権利の行使については、一定の制限を課すことができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
(a) 他の者の権利又は信用の尊重
(b) 国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護