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香港7・1デモ
金融危機のツケを押し付けるな!
民主主義と雇用・生活を守る労働運動の発展を!

7月1日、香港では、約7万人の市民が街頭をデモ行進した。1997年7月1日に、イギリスから中国に返還された香港では、毎年7月1日に中国の政治的圧力を拒否する香港市民によるデモが行われている。2003年7月1日には、中国政府の圧力で制定が目論まれていた国家安全条例に反対する50万人もの市民が街頭に繰り出した(http://www.jrcl.net/frame0384c.html)。04年も首長と議会の直接選挙を求める53万人の市民が街頭に繰り出した(http://www.jrcl.net/frame04712f.html)。

今年は、強まる中国国内での民主派への弾圧への抗議とともに、世界規模での経済危機のツケを労働者・市民に押し付ける香港の大企業と、政府の経済対策への抗議もテーマのひとつになっている。市民団体や労働団体、学生団体のほかに、金融危機で被害を被った個人投資家団体や商店主団体なども参加した。公務員職員団体も有期雇用契約の正規化や民営化反対を訴えて参加した。

以下は、デモの主催者である民間人権陣線による七一宣言と、香港・先駆社によるアピールである。

(H)

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政治の失策 貧富の格差
政治を民衆に 民生の改善を
二〇〇九・七一宣言

民間人権陣線

今年は天安門事件二〇周年の年であり、香港が中国に返還されてから十二年目にあたる。香港が中国に返還され、植民地統治から離脱したことは、われわれすべての喜びであった。しかし、二〇年前の北京の街頭では、市民は銃撃され血を流していた。北京の同胞の叫び、人民の愛国の情熱は、いまだわれわれの心に深く刻み込まれている。二〇年前の香港の街頭では、次のようなスローガンが叫ばれていた。「中国の今日は、香港の明日だ」


今日の香港市民はどうか。いぜんとして民主主義をかちとるためにたたかい続けている。直接選挙による特別行政区長官の選出、議会選挙における全議席の直接選挙の実現に努力している。昨年の金融危機が勃発するまでは、インフレによる生活苦が徐々にのしかかっていた。危機が世界を覆った後は、賃下げやリストラが続き、失業者数も半年で急増し、職場に残ったものも厳しい状況が続いている。香港の大財閥は社会的責任を果たさないだけでなく、危機のツケを次から次に労働者、女性、学生青年、移住労働者やマイノリティに押し付けている。政府は市場は救済するが民衆へは救済の手を差し伸べず、失業者を直接救済することを拒否し、大学新卒の初任給を4000香港ドルに固定した!それによって労働者の賃金に引下げ圧力がかかっている。企業のリストラに対しても、政府は何ら法的制限を設ける意向をしめさないどころか、逆に、さらなる公共サービスの民営化や商業化を進めている(医療など)

金融危機の原因は、大企業が富をむさぼったことにあり、かれらこそが経済危機の最大の戦犯である。香港の市民は被害者である。我々は大企業、とりわけ金融投機資本のツケを払わない。We won’t pay for their crisis! われわれは今日、企業と政治による危機の押し付けに「NO!」を突きつける。われわれは民主的政治体制を堅持し、民生のために奮闘してはじめて危機の更なる悪化を防ぐことができるのだ。

二〇年前の天安門広場で、「民主の女神」像が落成した際の宣言は次のように謳っている。「石膏で造られた民主の女神像は、永遠に保存することはできないが、いつの日か闇は過ぎ去り、夜明けは必ず訪れることを確信する。本当の民主主義と自由が到来した暁には、この広場に勇壮で高大な、そして永遠なる民主の女神像を建立するだろう!」

市民のみなさん、美しい陽の光のもとで、香港と中国の同胞と次の世代のために奮闘し、民主的な政治体制をかちとり、民衆が基本となる社会を実現するために努力しようではないか。


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労働組合に入ろう、労働組合を強化しよう
政官財の癒着に対して下から上への抵抗を組織しよう

陳丁(香港・先駆社)

今年の民間人権陣線が主催する七月一日デモのメインテーマは「政治の失策、貧富の格差、政治を民衆に、民生の改善を」である。これは、経済不況下にある労働者市民にとっては、もちろん切迫する課題である。しかし、危機のツケを民衆に押し付けようとする政府と財閥の謀議を阻止するには、一度や二度のデモでは実現することはできないだろう。雇用を守り、賃下げに反対するには、持久性のある、そして恒常的な組織的抵抗が必要である。そしてそれは労働組合によってのみ可能である。

しかし、香港の労働者階級は、労働組合への加入には熱心ではない。香港の労働者にとって労働組合は力不足だと感じているかのようだ。

だが、そのような考え方は、傍観者による消極的な見方である。香港のいくつかの労働組合は、労働者の権利を守る力量をいくらかでも持っている。昨年、鉄筋工たちは、ストライキと労働組合の組織化を通じて労働条件の引き上げに成功した。従来言われてきたような労働組合無用論、あるいは有害論の積極的な結論は、旧来の労働組合を変革する、あるいは新たな労働組合を組織するという、鉄筋工のようでなければならないだろう。

香港の労働組合が比較的弱いのは、加入する人が少なすぎるからだという意見もある。データの上では、香港の労働組合の組織率は20%で、10%に満たないフランスの倍以上である。しかし香港の一般的な労働組合の戦闘性は遠くフランスの労働組合には及ばない。今般の世界規模での経済危機の悪化以降、フランスの労働組合は二度にわたり100万人以上が参加したデモをおこない、ストライキも多発し、政府と資本家の攻勢に対していくばかの抵抗を見せている。組合員が少ないからといって無力なわけではないのだ。

労働組合に力がない理由は、労働組合員自身の姿勢による。一部の労働者は、労働組合の幹部にいっさいを任せて、自らは後ろに引いている。一部の労働組合の幹部でさえそう考えている。これは間違った考えである。労働組合の戦闘性は、労働者が団結して共にたたかえるかどうかにかかっている。その過程において指導部と役員は非常に重要ではあるが、全てをかれらに任せてしまっていいわけではない。さらに重要なことは、組合員が活躍することができ、日常的な共同作業において職場の仲間(組合員、非組合員を問わず)と団結し、交流や討論などにおいて共に実務を担う等々を通じて、組合の職場細胞を作ることができるかどうかである。このようにして、決定的な瞬間に組合員と非組合員が共同の闘争に立ち上がることができるのである。香港の労働組合の最大の弱点は、指導者の人気がないことでも、組合員の数が少ないことでもなく、組合員の依存的心理の強さ、抵抗精神の欠如、職場細胞の不在が問題なのである。

このような組織的な脆弱性は偶然の産物ではない。イデオロギー的な弱さとの相互作用である。労働者市民には一種の混乱があり、労使が運命共同体であると信じる傾向がある。しかし、それは誤った考えである。過去20年、香港の経済は発展に発展を重ね、資本家は富を蓄えに蓄えてきた。しかし労働者市民は労働の分け前を享受することができたであろうか。できていない!資産階級と官僚が自ら進んで労働者に対して友好的な態度をとることはない。それは個人の資質の問題ではなく、利潤を最優先する資本主義社会によって規定されたものである。

労働者市民がいかに善良であっても、資産階級とその政府は、労働者から搾取することなしに発展することはできないという残酷な現実を理解しなければならない。これ以上の搾取を望まないのであれば、幻想を投げ捨て、組織して抵抗を開始しなければならないだろう。

既存の概念を新思考にチェンジすべきときである!

二〇〇九年七月一日

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