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 ビルマを襲ったサイクロン災害は、ビルマの軍事政権の発表によっても、すでに6万人以上の死者・行方不明者を出す大惨事となっている。

 しかし実際の死者は10万人を超え、国連は救援の必要な被災者は150万人に達するとしている。ビルマの軍事独裁政権は、被害の実態を隠し、各国からの支援物資を要請する一方で、海外の支援要員、ジャーナリストなどの入国を拒否し、災害救援よりも憲法国民投票を強行するという民衆無視の本質をあらわにした。

 以下に掲載するのは、災害発生当時ヤンゴン(ラングーン)にいた「インターナショナルビューポイント」通信員からの報道である。このレポートは、民衆の生命や安全をかえりみようともしない軍事政権を厳しく批判しつつ、同時に帝国主義の意図やアウンサン・スーチーをシンボルとする親欧米の反政府勢力をも批判している。この評価については、より正確な分析が必要だと思うが、今回の災害をとらえる一つの視点を提供するものとして検討していただきたい。(K)

INTERNATIONAL VIEWPOINTから翻訳 

IV オンラインマガジン >  IV400 - May 2008 >   

ミャンマー (ビルマ)

 援助と偽善

マーク・ジョンソン

 2008年5月3日にビルマを直撃した熱帯性サイクロン「ナルジス」への対応は、あらゆるサイドの既得権益によって乗っ取られ、アジアで最も貧しい数百万人の民衆は、いかなる効果的援助もないままに放置されている。 

 その最大の責任はビルマ軍事政権にある。彼らは住民に対してサイクロンの襲来を警告できず、いまだに効果的な災害対策プログラムを打ち立てていない。ビルマの巨大な軍と警察は、サイクロンが直撃してから二日後まで、ヤンゴン(旧ラングーン)の街頭に全く姿を見せておらず、市内の四百万人の住民は突然、電気、電話や飲料水を奪われ、膝までつかるる水の中を絶望的にさまよいながら、家族と連絡を取ろうとしたり、食べ物、飲み物を見つけようとしたりしている。

 ヤンゴン市だけが、無料の飲料水の効率的な配給など、都市貧困層に対して一定のサービスを提供している。半政府組織であるミャンマー赤十字も、ある程度の支援やアドバイスを行っている。しかし全体として、今回の災害への対処は、ビルマ軍事政権の傲慢さ、連絡不能、寄生性、そして民衆の要求と権利にそぐわないことをまたも明らかにした。国際メディアや人道的支援組織は、政権が民衆を守ることができなかったことを正しくも非難した。


 しかしビルマの実業界や中産階級――象徴的指導者であるアウン・サン・スーチーの下に結集する親欧米野党の主要な支持者――の振る舞いは、民衆からの否定しがたい支援にもかかわらず、この国を引き受けるには完全に不適切である。大小の商業企業は、サイクロン災害の直後にすべての必需品の価格を200%から400%もつり上げた。

 ビルマの五千万人の住民のほとんど――小農民――が一日一ユーロ(約160円)以下で生活している中で、この非情な暴利追求は、栄養面に恐るべき影響をもたらすだろう。とりわけ、マラリア、赤痢、飲料水を媒介とする病気といったサイクロンの副次的影響によってすでにきわめて危険にさらされている高齢者や幼い子どもたちに対してである。

 この国の貧困層に対する数少ない公共政策の一つ――政府によるガソリンやオイルの補助金――は、もしアウン・サン・スーチーの親欧米派・民族民主同盟が権力を取ることになれば廃止されるだろう。

 西側の利害は、サイクロンを利用して彼ら自身の課題を進めることでもある。すなわちカンボジアと同様の不平等な条件で西側に投資を開放し、ビルマの港湾へのアクセス権を中国に与えた最近の協定を撤回するような、より従順な政府を押し付けることである。5月6日、フランスのベルナール・クシュネル外相は、西側諸国はグローバルな「保護のための権利と義務」に訴え、ビルマ政府の同意ぬきに軍民の援助ミッションを派遣すべきだと示唆した。米国の当局は、今ゴーサインを待ってバンコクに集結している数百人もの援助活動家やジャーナリストとの調整の上で、体制変革のための米国の攻撃的計画の背後に人道的慈善要員とジャーナリストを整列させるために、過大に見積もられた犠牲者数を流し始めた。

 民間援助団体や慈善活動の多くを納得させる必要があるというのではない。英国植民地時代からビルマ国境地帯で活動し、ビルマ軍事政権が屈服した時には幾千万ドルものあぶく銭を手に入れようと期待しているミッショングループと緊密に結びついた援助産業のほとんどは、この地域における大国の利害と距離を置くことは不可能なのである。

 より少数の国際連帯キャンペーンが、この人びとを落胆させるパターンに抗している。アジア全域の仏教徒グループは、ビルマの僧院、寺院――そこはサイクロン被災者の多くのシェルターになっている――を通じた支援の回路を見つけた。他の人びとは、亡命者や地下活動を行っている学生、民主派グループと連携してきた。亡命者サークルに向けた米国の魅力的な攻勢やドルの贈り物によって、そのすべてがだまされているわけではないグループとの連携である。

 来る数週間は、サイクロン「ナルジス」によってホームレスにさせられた数十万人の人びとや、政権の無能力と米国主導の制裁、そして地域的な暴利の追求の組み合わせによって今や緩やかに餓死しつつある幾百万人の人びとを支援するための闘いを見るにとどまらないだろう。われわれはまた、おそらくこの国の憎むべき軍事支配の崩壊をふくめてビルマの輪郭そのものを再定義するための闘いをも見ることになるだろう。 

-マーク・ジョンソンはチェコとスロバキアにおける「インターナショナルビューポイント」の通信員だが、彼はサイクロン「ナルジス」が直撃した時ヤンゴンにいた。現在彼は隣国のタイで援助の調整活動を行っている。

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