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裁判官の逮捕・捜索令状発付は違法な権限行使に該当する!

不当逮捕・捜索をはねかえそう


 五月二十九日、横浜地裁第6民事部(三代川俊一郎裁判長が)503号で「10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国家賠償請求裁判」の第二回が行われた。
 06年10月24日、神奈川県警察公安三課がAさんを免状等不実記載罪(運転免許証に記載されている住所が実家のままで、現住所が違っていた)によって不当逮捕し、10日間の勾留と人権侵害に満ちた取り調べを強行した。不当逮捕されたAさんと家宅捜索をうけた仲間は、国と神奈川県にする抗議、権力犯罪を許さないとして損害賠償請求裁判を開始した(3・13)。また、裁判勝利にむけて「10・24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判に勝利する会」が結成されている。

被告・国の主張に正面から反論

 第二回裁判の獲得目標では、Aさんに対する逮捕令状発付、家宅捜索令状発付した裁判所の違憲・違法性を浮き彫りにし、その責任を厳しく追及していくことにあった。
 被告・国の第一の主張は、本件の令状発付した裁判官に「国賠法上の違法性がない」というために「裁判官がした令状発付の裁判について、国賠法1条1項に基づく責任が肯定されるためには、当該裁判官が違法又は不当な目的をもって令状を発付したなど、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情があることを要する」とした最高裁判決を動員してきた。つまり、「違法限定説」で正当性を強調してきた。
 弁護団は、「違法限定説」に対して、「このように狭い絞りをかけてしまっては、まず裁判の違法はないに等しい」という見解が司法学界で有力な主張としてあることを明らかにし、「裁判官は、証拠に基づく事実認定と法の適用を行う。そこには裁判官の自由心証に委ねられ、幅広い裁量権が与えられている。しかし、いくら自由心証、法解釈があったとしても、唯一絶対的に正しいものはない。個々の裁判官の全く自由に委ねられているわけではない。経験則、法の理念、司法制度の趣旨等を総合的に考察して合理的な認定、解釈がなされなければならない」と強調した。
 第二の国の主張は、各令状発付について「裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと認め得るような特別の事情」がないのだから、原告の主張自体が「失当」だとして退けた。
 だが弁護団は、「警察から逮捕令状の請求を受けた裁判官は、まず被疑者の人権配慮という観点から(1)本件被疑事実の存否、仮にあったとして、その法益侵害の程度。(2)被疑者が罪証湮滅をする具体的危険性があるか否か。(3)被疑者が逃亡するおそれが具体的にあるか、等々について厳密に検討しなければならなかった」はずであると展開した。
 そして、「本件は運転免許証の住所欄の記載に関するものであり、罪証湮滅のおそれは考えられない。逃亡のおそれについては、被疑者とされた原告は、普通の市民生活を営んでいる者であり、したがって逃亡のおそれもない。大体本件について原告に対して、任意出頭の要請すらなかった」事実を押し出し、反論した。
 そのうえで「本件のような『微罪』について他の目的があればともかく、仮に捜査の必要性があったとしても、通常ならば逮捕などはしない。まず任意出頭の呼び出しがあるのが通例である。本件では原告に対する呼び出しは一度もなく、いきなり逮捕である。つまり本件ではまず最初に逮捕ありきであり、免状不実記載の罪名は口実にすぎないものであった」と厳しく批判し、「逮捕状の発付は一方的な資料のみでなされた。つまり、『裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使した』場合に該当する」と結論づけた。

「過激派に人権なし」論打ち砕け

 第三回裁判は、被告・神奈川県の準備書面に対する原告の反論書面の提出だ。県は、「過激派」に人権なしという論理で不当逮捕・家宅捜索を正当化し、違憲・違法性がなかったと居直りの主張を行ってきた。ところが、書面の七割が「極左暴力集団」の歴史と説明でしかない。あげくのはてに戦後日本共産党史からはじまりJRCL史(日本革命的共産主義者同盟)に至るまで歴史本と機関紙の切り張りレポート、一九七八年時の三里塚闘争の新聞切り抜き集、Aさんと全く関係ない内ゲバ党派の免状等不実記載罪による弾圧強行の新聞記事の切り抜き集などだ。
 本件といったいどういう関わりがあるというのだ。同じ「極左暴力集団」だから、同様な犯罪を構成していたに違いないんだという「推測」的判断でしかない。具体的な立証も、証拠さえも提出することができず、手前勝手なストーリーに基づいて断定しているにすぎない。驚くほどの「ずさん」な準備書面だ。だから裁判長は、「あまり過去に遡っても……。書面が歴史的に書かれ、長いものとなっている。できるだけ本件に絞って主張してください」と原告に要請するほどだった。第三回裁判は、このような被告県の不誠実な姿勢を厳しく批判する書面を提出していく場となる。(Y)
 

・第三回裁判 七月二十四日(火)/横浜地裁第6民事部503号/午後一時十分開廷。

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