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踊る大公安捜査線 THE IHOUSOUSA ヤツらを解散せよ!!
免状等不実記載弾圧(06・10・24)を許さない国賠勝利判決から1年
やめろ横浜APECでの過剰警備と人権侵害!
「事件は現場で起きてるんじゃない。公安の頭の中で起きてるんだ!」
日 時 10月23日(土)18:30~21:00 (18:15開場)
場 所 コア・いけぶくろ(豊島区民センター)第3会議室
交 通 JR池袋駅東口下車徒歩5分
講 師 成澤宗男さん 『週刊金曜日』編集部
成澤さんは『週刊金曜日』の「シリーズ警察の闇」などで
公安・警察問題に関する記事を精力的に執筆しています。
資料代 500円
主 催 アジア連帯講座
10.24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判に勝利する会
▲身内の犯罪・「神世界」事件時の県警による家宅捜索(07年12月)
不正経理と裏金づくり
神奈川県警公安三課によるAさんへの免状不実記載弾圧(06・10・24)に対する国賠勝利判決(09・9・9東京高裁)から一年目を迎える。国賠では、公安政治警察によるAさんに対して10日間も不当勾留し、実家・自宅、越境社、新時代社、関西新時代社への不当な家宅捜索を強行した違法捜査を糾弾し、横浜地裁、東京高裁で勝利判決を勝ち取った。
しかし、公安は、全く反省することもなく組織延命をかけて免状不実記載弾圧をはじめとした微罪弾圧を繰り返し、活動家の不当逮捕、市民運動破壊を行い続けている。この間、横浜APEC警備と称して反グローバリゼーション運動憎し、と破壊を目標にして活動家に対する監視・嫌がらせを行い、人権侵害を深めている。
とりわけ神奈川県警は、横浜APEC警備でハッスルしながら、他方で総額13億1000万円にもおよぶ不正経理=裏金作りと使い込みの全貌を隠蔽し、逃げ切ろうとしている。10・24不当弾圧をはじめ、違法捜査、弾圧の数々、一連の不正経理問題とその責任のとり方を見れば警察組織の腐敗・堕落の実態が浮き彫りになってきている。横浜APECの過剰警備・人権侵害に抗議し、警察の裏金作りと使い込みの新たな隠蔽システムの再構築を許さないための社会的包囲を強化していくことを訴える。
神奈川県警は、9月30日、先の2月に発覚した総額13億1000万円(2003~08年度)にも上る巨額な「不正経理」と称する裏金作りの総額について、なんと犯罪隠蔽のために自ら組織した調査部会が確認した総額を1億1240万円と大幅に減額した数字を一方的に発表した。身内による「調査」の結果、九割近くは正当に使われたと居直るが、具体的な説明もなく、なんら説得力を持つものではない。また、03年4月以降、在職していた職員約950人(退職者約420人)のうち本部長が60万円、総務・警務部長25万円、部長20万円、会計課長9万円、一般職員一口1万円という返還額を並べ、完納期日を明記しないまま数年かけてかき集めると言っている。だが、その徴収を本部長を代表にしてやるというのだ。法的根拠があいまいなままであり、誰がどのようにチェックするのかさえ明確にしていない。
あげくのはてに裏金プール組織である県警の福利厚生団体「警友会」が1億1240万円を立て替えて国と県に返還するというトリックさえも演じるほとだ。警察の裏金作りと使い込み常習犯の氷山の一角である神奈川県警の組織犯罪(有印私文書偽造・同行使、虚偽公文書作成、詐欺、背任、業務上横領罪)の実態を暴きだし、このような腐敗しきった集団による、グローバル派兵国家作りの一環である対テロ・治安弾圧強化に楔を打ち抜いていこう。
免状等不実記載弾圧(06・10・24)を許さない国賠勝利判決から1年
やめろ横浜APECでの過剰警備と人権侵害!
「事件は現場で起きてるんじゃない。公安の頭の中で起きてるんだ!」
日 時 10月23日(土)18:30~21:00 (18:15開場)
場 所 コア・いけぶくろ(豊島区民センター)第3会議室
交 通 JR池袋駅東口下車徒歩5分
講 師 成澤宗男さん 『週刊金曜日』編集部
成澤さんは『週刊金曜日』の「シリーズ警察の闇」などで
公安・警察問題に関する記事を精力的に執筆しています。
資料代 500円
主 催 アジア連帯講座
10.24免状等不実記載弾圧を許さない!国賠裁判に勝利する会
▲身内の犯罪・「神世界」事件時の県警による家宅捜索(07年12月)
不正経理と裏金づくり
神奈川県警公安三課によるAさんへの免状不実記載弾圧(06・10・24)に対する国賠勝利判決(09・9・9東京高裁)から一年目を迎える。国賠では、公安政治警察によるAさんに対して10日間も不当勾留し、実家・自宅、越境社、新時代社、関西新時代社への不当な家宅捜索を強行した違法捜査を糾弾し、横浜地裁、東京高裁で勝利判決を勝ち取った。
しかし、公安は、全く反省することもなく組織延命をかけて免状不実記載弾圧をはじめとした微罪弾圧を繰り返し、活動家の不当逮捕、市民運動破壊を行い続けている。この間、横浜APEC警備と称して反グローバリゼーション運動憎し、と破壊を目標にして活動家に対する監視・嫌がらせを行い、人権侵害を深めている。
とりわけ神奈川県警は、横浜APEC警備でハッスルしながら、他方で総額13億1000万円にもおよぶ不正経理=裏金作りと使い込みの全貌を隠蔽し、逃げ切ろうとしている。10・24不当弾圧をはじめ、違法捜査、弾圧の数々、一連の不正経理問題とその責任のとり方を見れば警察組織の腐敗・堕落の実態が浮き彫りになってきている。横浜APECの過剰警備・人権侵害に抗議し、警察の裏金作りと使い込みの新たな隠蔽システムの再構築を許さないための社会的包囲を強化していくことを訴える。
神奈川県警は、9月30日、先の2月に発覚した総額13億1000万円(2003~08年度)にも上る巨額な「不正経理」と称する裏金作りの総額について、なんと犯罪隠蔽のために自ら組織した調査部会が確認した総額を1億1240万円と大幅に減額した数字を一方的に発表した。身内による「調査」の結果、九割近くは正当に使われたと居直るが、具体的な説明もなく、なんら説得力を持つものではない。また、03年4月以降、在職していた職員約950人(退職者約420人)のうち本部長が60万円、総務・警務部長25万円、部長20万円、会計課長9万円、一般職員一口1万円という返還額を並べ、完納期日を明記しないまま数年かけてかき集めると言っている。だが、その徴収を本部長を代表にしてやるというのだ。法的根拠があいまいなままであり、誰がどのようにチェックするのかさえ明確にしていない。
あげくのはてに裏金プール組織である県警の福利厚生団体「警友会」が1億1240万円を立て替えて国と県に返還するというトリックさえも演じるほとだ。警察の裏金作りと使い込み常習犯の氷山の一角である神奈川県警の組織犯罪(有印私文書偽造・同行使、虚偽公文書作成、詐欺、背任、業務上横領罪)の実態を暴きだし、このような腐敗しきった集団による、グローバル派兵国家作りの一環である対テロ・治安弾圧強化に楔を打ち抜いていこう。
人権侵害弾圧と構造化した不正
県警の裏金犯罪の実態は、こうだ。発覚した2月以降、県警の発表によれば03年~08年度、本部54部署、54警察署で裏金作りを行っていたというのだ。その手口は、業者に公金をプールする「預け」で約7億4970万円、納品を翌年度に回す「翌年度納入」の操作で約3億1430万円、契約せずに物品を納入させる「契約前納入」で約1億8419万円も使い込んでいたのだ。だが使途不明金もあり、いまだに全貌がはっきりしていない。外部団体による検証をせず、身内による検証であるがゆえに当然の結果である。約170業者との共謀のうえ犯行を続けていたと言うが、その実態書類が公表されないままであるかぎり、県警の利権温存のために業者の差別・選別を行っている「公表」でしかないのは言うまでもない。
事件発覚の2月時点では、県警幹部は、「署の会計課長や経理担当職員など117人が不正経理への関与を認めている。主に会計担当者がそれぞれやったことで、組織的なものではない」などと下部に責任を押しつけ、「トカゲの尻尾切り」で逃げ切ろうとしていた。必死に隠蔽工作を押し進め、時間かせぎをしてきたが、会計検査院が10月3日に国庫補助金の裏カネ化3000万円について公表するという事態に入ってしまった。
なお、たとえ尻尾切りをしたとしても、不祥事警察官を警備会社が嬉々として受け入れているというのだ(週刊ダイアモンド2007・12・8号)。新潟県柏崎市の女性監禁事件で、女性が発見された時、雪見酒やマージャンを続けていたとして辞職した新潟県警本部長は大手警備会社に経営幹部として天下り、他に汚職事件、強かん事件で辞めた警察官も警備会社へ天下っているという。
県警は、11月横浜APEC警備の「多忙性」を口実にして不正経理問題の全貌を公表することを回避してきたが、それもできなくなり九割近くの使途不明金の存在を隠蔽したまま、あわてて「不正が確認されたカネ」と県警自身で規定した裏金の総額が1億1240万円とデッチあげたのであった。
しかも以下のように大幅に減額した数字を出してきのだ。取引業者に架空発注して裏金をプールする「預け」が6149万円。業者と謀議のうえ競争入札せずに物品購入費の割高分を泥棒する手法だ。県警本部や所轄の計102部署で犯行を繰り返していた。裏金を図書券など金券分で受領するケースで3142万円。この犯罪手法は、業者から図書券を貰い金券ショップで換金して私的流用するのだ。
カラ出張、偽造領収書など県警分調査費135万円。こんなに少ないはずがないのがミエミエなのに平気で出してきた。ほとんど居直りだ。国庫支出金返還分の加算金も1813万円だ。いずれも領収書を改ざんし、業者に公金を渡してプールさせたり、出張旅費を補助事業から回していたというのだ。民衆の血税を貪る犯罪だ。このような税金泥棒が強大な権力を持ち、民衆に対しては「ゼロトレランス」(過剰取締)などと言って、軽微な犯罪も重大事件のように扱う取り締まりを強化しているのである。県警の不正経理=裏金作りと使い込みの全貌を解明するためには、裏金裏帳簿の存在有無、架空の旅行命令簿、架空経費請求、捜査報償費不正使用、カラ出張に至るまでの詳細な捜査報告書が公表されないかぎり隠蔽工作が続いているということだ。
どこまで続く警察の悪知恵
さらに警察の裏金犯罪の共犯関係を拒否し続けてきたために排除・弾圧を受け続けてきた仙波敏郎さん(元愛媛県警巡査部長)は、領収書偽造による裏金作りが社会問題化すると、今度は警察官僚による警察官の超過勤務手当て割り増しを支給させ、キックバックさせる裏金づくりが広がっている実態を「超過勤務ニセ領収書」問題として告発してきたが、このような新たな裏金作りの手法についても切開していく必要がある。
とりわけ人権弾圧を繰り返してきた県警公安は、「捜査の秘密」などと理由にもならない言い訳をして裏金作りと使い込みの実態報告書の提出を拒み続けてきたことが予想されるが、その「成果」もあって公安政治警察の使い込みが警視庁を先頭にして全国的に全く明らかになっていない。
そもそも神奈川県警は、2003年の北海道警察の裏金問題発覚を契機に、全国の警察組織で裏金問題が連鎖的に発覚するという事態に直面したが、警察庁の指導に忠実に従い、自己保身に貫かれて裏金作りを証明する裏帳簿など重要証拠を処分し、不正使用犯罪を圧殺しぬき、その構造を温存することに「成功」し延命してきた。これは1991年3月の「組織防衛マニュアル」(県警監察官室作成。「事案の真相の早期把握」「適切な処理方針の樹立」、「適切な報道対策」などを指令)を作り上げてきた「ワル知恵」伝統の実践であった。
霊感詐欺商法「神世界」事件も同じだ。「神世界」の重要幹部として関与した公安警察の吉田澄雄警視を地方公務員法違反(08年7月)で懲戒免職処分、上司も処分したが、「県警崩壊」につながるとして吉田と上司の処分だけで逃げ切っている最中だ。いまだに「神世界」事件は未解明であり、被害者たちの告発が続いているにもかかわらず、捜査・摘発をサボタージュし続けているのが現状だ。吉田は逮捕もされず、歴史的な公安の犯罪暴露を怖れて公安の監視下のもとに生き延びている。
この組織犯罪の徹底的解明へ
この間、千葉県警、山形県警の不正経理問題が立て続けに発覚している。神奈川県警と同様に、いずれも警察庁の指導のもとに「事務用品の翌年度購入だった」「別商品の購入の差し替えだった」という事例を押し出させ、「私的流用はなかった」と手前勝手に断定し、「職員が返還する」という裏金隠蔽マニュアルどおりに公表しているにすぎない。
会計検査院は、警察組織の裏金作り犯罪を防衛しきれないと判断し、千葉、神奈川、山形県警、京都府警、北海道警、関東管区警察学校などで約1億4000万円にのぼる国庫補助金の裏金不正経理を公表するほど事態が悪化していることを明らかにせざるをえなかった(10・3)。しかし、犯罪事案として立件することを回避する会計検査院も犯罪加担者なのだ。
警察組織は、このように会計検査院のチェックが入る国庫補助金さえも不正使用していたほどだから、各自治体単独の通常予算も使い込んでいることは間違いない。官僚らは、「予算を残してしまうと、次年度の予算を落とされる」という共通した保身に基づいて犯罪を繰り返している。余剰金が発生したら民衆に返金すればいいのだが、そんな単純なことができないのだ。警察機構も同様のことをやっているだけだということですまされない。犯罪を取り締まる警察組織が犯罪にまみれ、共謀共同正犯として繰り返し裏金作りと使い込みを再発させているのだ。
これ以上の警察の組織的な裏金作りと使い込みによる公文書偽造、公金横領罪、詐欺罪隠しを許してはならない。責任の所在を明らかにするのではなく、一般職員からのカンパでごまかそうとする神奈川県警の姿勢は、捜査等の警察活動やその手法と無縁ではない。警察庁と神奈川県警は、11月横浜APEC警備を利用した治安弾圧体制を強化するために裏金積立をも前提とした巨額な警備費を投入し、マスコミをフル動員して弾圧キャンペーンを繰り広げている。新たな裏金隠蔽システムの再構築に着手し、逃げ切ろうとする組織犯罪を断罪していかなければならない。裏金作りの発覚を通した警察組織の腐敗堕落を、さらに暴きだし、人権否定と民衆の闘いに敵対する公安政治警察の廃止、国家警察体制の解体を訴えていかなければならない。
10・23「免状等不実記載弾圧を許さない国賠勝利判決から1年」の集いに参加を!
(Y)
県警の裏金犯罪の実態は、こうだ。発覚した2月以降、県警の発表によれば03年~08年度、本部54部署、54警察署で裏金作りを行っていたというのだ。その手口は、業者に公金をプールする「預け」で約7億4970万円、納品を翌年度に回す「翌年度納入」の操作で約3億1430万円、契約せずに物品を納入させる「契約前納入」で約1億8419万円も使い込んでいたのだ。だが使途不明金もあり、いまだに全貌がはっきりしていない。外部団体による検証をせず、身内による検証であるがゆえに当然の結果である。約170業者との共謀のうえ犯行を続けていたと言うが、その実態書類が公表されないままであるかぎり、県警の利権温存のために業者の差別・選別を行っている「公表」でしかないのは言うまでもない。
事件発覚の2月時点では、県警幹部は、「署の会計課長や経理担当職員など117人が不正経理への関与を認めている。主に会計担当者がそれぞれやったことで、組織的なものではない」などと下部に責任を押しつけ、「トカゲの尻尾切り」で逃げ切ろうとしていた。必死に隠蔽工作を押し進め、時間かせぎをしてきたが、会計検査院が10月3日に国庫補助金の裏カネ化3000万円について公表するという事態に入ってしまった。
なお、たとえ尻尾切りをしたとしても、不祥事警察官を警備会社が嬉々として受け入れているというのだ(週刊ダイアモンド2007・12・8号)。新潟県柏崎市の女性監禁事件で、女性が発見された時、雪見酒やマージャンを続けていたとして辞職した新潟県警本部長は大手警備会社に経営幹部として天下り、他に汚職事件、強かん事件で辞めた警察官も警備会社へ天下っているという。
県警は、11月横浜APEC警備の「多忙性」を口実にして不正経理問題の全貌を公表することを回避してきたが、それもできなくなり九割近くの使途不明金の存在を隠蔽したまま、あわてて「不正が確認されたカネ」と県警自身で規定した裏金の総額が1億1240万円とデッチあげたのであった。
しかも以下のように大幅に減額した数字を出してきのだ。取引業者に架空発注して裏金をプールする「預け」が6149万円。業者と謀議のうえ競争入札せずに物品購入費の割高分を泥棒する手法だ。県警本部や所轄の計102部署で犯行を繰り返していた。裏金を図書券など金券分で受領するケースで3142万円。この犯罪手法は、業者から図書券を貰い金券ショップで換金して私的流用するのだ。
カラ出張、偽造領収書など県警分調査費135万円。こんなに少ないはずがないのがミエミエなのに平気で出してきた。ほとんど居直りだ。国庫支出金返還分の加算金も1813万円だ。いずれも領収書を改ざんし、業者に公金を渡してプールさせたり、出張旅費を補助事業から回していたというのだ。民衆の血税を貪る犯罪だ。このような税金泥棒が強大な権力を持ち、民衆に対しては「ゼロトレランス」(過剰取締)などと言って、軽微な犯罪も重大事件のように扱う取り締まりを強化しているのである。県警の不正経理=裏金作りと使い込みの全貌を解明するためには、裏金裏帳簿の存在有無、架空の旅行命令簿、架空経費請求、捜査報償費不正使用、カラ出張に至るまでの詳細な捜査報告書が公表されないかぎり隠蔽工作が続いているということだ。
どこまで続く警察の悪知恵
さらに警察の裏金犯罪の共犯関係を拒否し続けてきたために排除・弾圧を受け続けてきた仙波敏郎さん(元愛媛県警巡査部長)は、領収書偽造による裏金作りが社会問題化すると、今度は警察官僚による警察官の超過勤務手当て割り増しを支給させ、キックバックさせる裏金づくりが広がっている実態を「超過勤務ニセ領収書」問題として告発してきたが、このような新たな裏金作りの手法についても切開していく必要がある。
とりわけ人権弾圧を繰り返してきた県警公安は、「捜査の秘密」などと理由にもならない言い訳をして裏金作りと使い込みの実態報告書の提出を拒み続けてきたことが予想されるが、その「成果」もあって公安政治警察の使い込みが警視庁を先頭にして全国的に全く明らかになっていない。
そもそも神奈川県警は、2003年の北海道警察の裏金問題発覚を契機に、全国の警察組織で裏金問題が連鎖的に発覚するという事態に直面したが、警察庁の指導に忠実に従い、自己保身に貫かれて裏金作りを証明する裏帳簿など重要証拠を処分し、不正使用犯罪を圧殺しぬき、その構造を温存することに「成功」し延命してきた。これは1991年3月の「組織防衛マニュアル」(県警監察官室作成。「事案の真相の早期把握」「適切な処理方針の樹立」、「適切な報道対策」などを指令)を作り上げてきた「ワル知恵」伝統の実践であった。
霊感詐欺商法「神世界」事件も同じだ。「神世界」の重要幹部として関与した公安警察の吉田澄雄警視を地方公務員法違反(08年7月)で懲戒免職処分、上司も処分したが、「県警崩壊」につながるとして吉田と上司の処分だけで逃げ切っている最中だ。いまだに「神世界」事件は未解明であり、被害者たちの告発が続いているにもかかわらず、捜査・摘発をサボタージュし続けているのが現状だ。吉田は逮捕もされず、歴史的な公安の犯罪暴露を怖れて公安の監視下のもとに生き延びている。
この組織犯罪の徹底的解明へ
この間、千葉県警、山形県警の不正経理問題が立て続けに発覚している。神奈川県警と同様に、いずれも警察庁の指導のもとに「事務用品の翌年度購入だった」「別商品の購入の差し替えだった」という事例を押し出させ、「私的流用はなかった」と手前勝手に断定し、「職員が返還する」という裏金隠蔽マニュアルどおりに公表しているにすぎない。
会計検査院は、警察組織の裏金作り犯罪を防衛しきれないと判断し、千葉、神奈川、山形県警、京都府警、北海道警、関東管区警察学校などで約1億4000万円にのぼる国庫補助金の裏金不正経理を公表するほど事態が悪化していることを明らかにせざるをえなかった(10・3)。しかし、犯罪事案として立件することを回避する会計検査院も犯罪加担者なのだ。
警察組織は、このように会計検査院のチェックが入る国庫補助金さえも不正使用していたほどだから、各自治体単独の通常予算も使い込んでいることは間違いない。官僚らは、「予算を残してしまうと、次年度の予算を落とされる」という共通した保身に基づいて犯罪を繰り返している。余剰金が発生したら民衆に返金すればいいのだが、そんな単純なことができないのだ。警察機構も同様のことをやっているだけだということですまされない。犯罪を取り締まる警察組織が犯罪にまみれ、共謀共同正犯として繰り返し裏金作りと使い込みを再発させているのだ。
これ以上の警察の組織的な裏金作りと使い込みによる公文書偽造、公金横領罪、詐欺罪隠しを許してはならない。責任の所在を明らかにするのではなく、一般職員からのカンパでごまかそうとする神奈川県警の姿勢は、捜査等の警察活動やその手法と無縁ではない。警察庁と神奈川県警は、11月横浜APEC警備を利用した治安弾圧体制を強化するために裏金積立をも前提とした巨額な警備費を投入し、マスコミをフル動員して弾圧キャンペーンを繰り広げている。新たな裏金隠蔽システムの再構築に着手し、逃げ切ろうとする組織犯罪を断罪していかなければならない。裏金作りの発覚を通した警察組織の腐敗堕落を、さらに暴きだし、人権否定と民衆の闘いに敵対する公安政治警察の廃止、国家警察体制の解体を訴えていかなければならない。
10・23「免状等不実記載弾圧を許さない国賠勝利判決から1年」の集いに参加を!
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