アジア連帯講座のBLOGです
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9月23日、麻生邸リアリティツアー事件国家賠償請求訴訟団(「麻生国賠」)は、「なくせ公安条例! 9・23麻生邸リアリティツアー国賠訴訟集会」(渋谷勤労福祉会館)を行い、74人が参加した。
2008年10月26日、公安政治警察と渋谷署は、「麻生邸リアリティツアー」に対して公安条例違反、公務執行妨害罪で3人の仲間を不当逮捕した。事件から2年。不当弾圧した国家権力の犯罪を暴き出していくために被弾圧者3人、違法な家宅捜索を受けたフリーター全般労組が原告となり、警視庁を管轄する東京都、不当な令状を発布した裁判所の国を相手に国家賠償請求裁判を起こした(2月26日)。
裁判闘争は、
1.不当逮捕した根拠として東京都公安条例を適用しているが、条例自身が集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由を保障した憲法21条に違反しており、この違憲条例を適用すること自体が誤りであることを明らかにしていく
2.権力は、なんら警告・制止もせず、突然、逮捕を強行した違法性を暴き出すことにある
3.フリーター全般労組に対する家宅捜索は、組合員、組合活動などの情報収集といやがらせという違法行為を糾弾することをポイントに闘われている。
裁判は、原告意見陳述と準備書面提出、都と国の反論書面提出という局面に入っており、第3回目の口頭弁論を前にして新たなステップを実現するために集会が行われた。
権力の不当弾圧を映像で暴き出す
集会は、「麻生邸リアリティツアー」のドキュメントビデオの上映から始まった。撮影者である小林アツシさん(映像ディレクター)が「メディア・アクティビズムの力」というテーマから弾圧当日のポイントシーンを明らかにした。
第1のポイントは、午後3時、渋谷署警察警備課長は渋谷ハチ公前広場に集まったツアーに「歩道で行くぶんにはいいです」「麻生邸まで5、6人ずつ行く分には構わない」と話しているシーンだ。ツアーは風船、プラカードを引き下げ、拡声器も使用せず歩いている。当然、警告さえもしていない。
第2のポイントは、ツアーの目印であるプラカードを持って歩く園良太さんにむけて、突然、公安が腕を掴み路上に組み伏したシーンだ。ここでも警告なしで警視庁公安部第二課長(当時)の栢木国広の指示によってねらい撃ちの不当逮捕を強行したことを映し出している。歩道は、ツアー以外の歩く人たち、広告のプラカードを掲げている人などツアーが他の歩行を妨害、混乱させている「証拠」は全く映っていないのだ。都は、このシーンの存在さえも否定して集団示威行為だと断定するには、かなり無理があることを明らかにした。
第3のポイントは、公安が公安条例違反で園さんの不当逮捕強行するさいに他のツアーの仲間たちを暴力的に排除するシーンが映し出された。公安と警官による一方的な襲撃は、「いけ!いけ!コーボー!コーボー!」と怒鳴り散らしながらAさん、渡邊洋一さんを羽交い締めにしていた。2人は園さんの逮捕に驚いて近づこうとしていただけで、何ら公務執行妨害に該当する行為はしていなかった。映像は、相次いで公安、警察官にもみくちゃにされる形で路上に引き倒され、押さえつけられて、逮捕されてしまった場面だ。このシーンだけでもいったいどこが公務執行妨害罪だと認定することができるのか。映像は、権力の暴行シーンだけだ。
小林さんは、「今日の上映のために新たに編集、初公開のシーンも取り入れた。この映像を裁判に生かしていきたい」と発言した。
原告の園さん、Aさん、渡邊さんから挨拶と映像を観て、当日の状況を思い出しながら権力の意図的に仕組まれた不当逮捕を糾弾し、裁判勝利にむけて決意表明した。
公安条例は違憲だ!
奥平康弘さん(憲法学者、東大名誉教授)は、基調講演を「本件での公安条例適用の問題性」というタイトルで行った。公安条例の成立過程や憲法論議について紹介し奥平さんは、「集団示威行進などの集団行動を取り締まる公安条例は、表現の自由という最も基本的な人権の制約をどう法的に処理するかという重要な問題を裁判所につきつけた。憲法問題、条例制定権の範囲の問題、適正手続てし要件に関する問題へと扱いが広がった。結局、秩序維持を重視し技術的な側面に配慮しながら合憲的基礎づけを確かなものにしていき、タカ派的な見解へと収斂していった」と批判した。
「麻生邸リアリティツアー事件」国家賠償請求弁護団の大口昭彦弁護士は、「いまなぜ公安条例を問うのか―公安条例違憲判決に向けて」と題して問題提起し、「麻生邸デモは極めて当然の主権行使行為であり、悪法を実践的に批判するものであった。表現の自由の権利を守りきるために裁判に勝利していこう」と訴えた。
続いて弁護団の川村理弁護士から裁判報告と今後の方針について発言した。
連帯発言が国賠ネット、渋谷宮下公園のナイキ化に反対する仲間から行われた。最後に今後の傍聴闘争への参加を呼びかけられた。
(Y)
●第三回目の口頭弁論(10月4日(月)14時半/東京地裁721号法廷)
2008年10月26日、公安政治警察と渋谷署は、「麻生邸リアリティツアー」に対して公安条例違反、公務執行妨害罪で3人の仲間を不当逮捕した。事件から2年。不当弾圧した国家権力の犯罪を暴き出していくために被弾圧者3人、違法な家宅捜索を受けたフリーター全般労組が原告となり、警視庁を管轄する東京都、不当な令状を発布した裁判所の国を相手に国家賠償請求裁判を起こした(2月26日)。
裁判闘争は、
1.不当逮捕した根拠として東京都公安条例を適用しているが、条例自身が集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由を保障した憲法21条に違反しており、この違憲条例を適用すること自体が誤りであることを明らかにしていく
2.権力は、なんら警告・制止もせず、突然、逮捕を強行した違法性を暴き出すことにある
3.フリーター全般労組に対する家宅捜索は、組合員、組合活動などの情報収集といやがらせという違法行為を糾弾することをポイントに闘われている。
裁判は、原告意見陳述と準備書面提出、都と国の反論書面提出という局面に入っており、第3回目の口頭弁論を前にして新たなステップを実現するために集会が行われた。
権力の不当弾圧を映像で暴き出す
集会は、「麻生邸リアリティツアー」のドキュメントビデオの上映から始まった。撮影者である小林アツシさん(映像ディレクター)が「メディア・アクティビズムの力」というテーマから弾圧当日のポイントシーンを明らかにした。
第1のポイントは、午後3時、渋谷署警察警備課長は渋谷ハチ公前広場に集まったツアーに「歩道で行くぶんにはいいです」「麻生邸まで5、6人ずつ行く分には構わない」と話しているシーンだ。ツアーは風船、プラカードを引き下げ、拡声器も使用せず歩いている。当然、警告さえもしていない。
第2のポイントは、ツアーの目印であるプラカードを持って歩く園良太さんにむけて、突然、公安が腕を掴み路上に組み伏したシーンだ。ここでも警告なしで警視庁公安部第二課長(当時)の栢木国広の指示によってねらい撃ちの不当逮捕を強行したことを映し出している。歩道は、ツアー以外の歩く人たち、広告のプラカードを掲げている人などツアーが他の歩行を妨害、混乱させている「証拠」は全く映っていないのだ。都は、このシーンの存在さえも否定して集団示威行為だと断定するには、かなり無理があることを明らかにした。
第3のポイントは、公安が公安条例違反で園さんの不当逮捕強行するさいに他のツアーの仲間たちを暴力的に排除するシーンが映し出された。公安と警官による一方的な襲撃は、「いけ!いけ!コーボー!コーボー!」と怒鳴り散らしながらAさん、渡邊洋一さんを羽交い締めにしていた。2人は園さんの逮捕に驚いて近づこうとしていただけで、何ら公務執行妨害に該当する行為はしていなかった。映像は、相次いで公安、警察官にもみくちゃにされる形で路上に引き倒され、押さえつけられて、逮捕されてしまった場面だ。このシーンだけでもいったいどこが公務執行妨害罪だと認定することができるのか。映像は、権力の暴行シーンだけだ。
小林さんは、「今日の上映のために新たに編集、初公開のシーンも取り入れた。この映像を裁判に生かしていきたい」と発言した。
原告の園さん、Aさん、渡邊さんから挨拶と映像を観て、当日の状況を思い出しながら権力の意図的に仕組まれた不当逮捕を糾弾し、裁判勝利にむけて決意表明した。
公安条例は違憲だ!
奥平康弘さん(憲法学者、東大名誉教授)は、基調講演を「本件での公安条例適用の問題性」というタイトルで行った。公安条例の成立過程や憲法論議について紹介し奥平さんは、「集団示威行進などの集団行動を取り締まる公安条例は、表現の自由という最も基本的な人権の制約をどう法的に処理するかという重要な問題を裁判所につきつけた。憲法問題、条例制定権の範囲の問題、適正手続てし要件に関する問題へと扱いが広がった。結局、秩序維持を重視し技術的な側面に配慮しながら合憲的基礎づけを確かなものにしていき、タカ派的な見解へと収斂していった」と批判した。
「麻生邸リアリティツアー事件」国家賠償請求弁護団の大口昭彦弁護士は、「いまなぜ公安条例を問うのか―公安条例違憲判決に向けて」と題して問題提起し、「麻生邸デモは極めて当然の主権行使行為であり、悪法を実践的に批判するものであった。表現の自由の権利を守りきるために裁判に勝利していこう」と訴えた。
続いて弁護団の川村理弁護士から裁判報告と今後の方針について発言した。
連帯発言が国賠ネット、渋谷宮下公園のナイキ化に反対する仲間から行われた。最後に今後の傍聴闘争への参加を呼びかけられた。
(Y)
●第三回目の口頭弁論(10月4日(月)14時半/東京地裁721号法廷)
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