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 11月3日、憲法発布から62年目の日に、東京・永田町の星陵会館で「生きたい 平和に11・3憲法集会」が開催された。主催は同実行委員会で300人が集まった。

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集会後自民党本部前で抗議行動

 

 メイン報告者は4人。香山リカさん(精神科医、立教大教授)は、憲法を変えようとする動き自体が「社会の中にある病」の表現と指摘、人々の「安全・安心・自信」の崩壊が何か「確かなもの」を求めようとする動きと結びついて広がっていったと指摘し、それを彼女の著作『プチナショナリズム症候群』とからませて説明した。つまり無邪気な「ニッポン大好き」が結果として狭隘なナショナリズムと結びつくという問題である。「心の不安」からの防衛反応が叩きやすい相手を見つけ、それが「憲法を変えよう」という合言葉になっていく。

 しかし今は「憲法を変えてリセットすればうまくいく」というわけではないことに人々は気づきはじめている。それは憲法を守ろうとする側にとってチャンスである、と香山さんは結んだ。


 次はNPO自立生活支援センター「もやい」の湯浅誠さん。湯浅さんは「反貧困」をテーマとする集会に自衛隊の募集担当官が身分を隠さずに参加し、「食い詰めた若い人をぜひ自衛隊に紹介してほしい」と挨拶に来たことを語った。女性を含む貧しい若者の中で、自衛隊の魅力は相対的に高まっている、と湯浅さんは語った。彼はさらに、競争を「いすとりゲーム」に例えて次のように語った。

 「いすとりゲームで椅子に座れなかった人について、取れなかった人に原因を求める見方が『自己責任論』だ。いっぽう見方を変えて椅子の数が少ないことを問題にすることもできる。今、ようやく椅子の数が足りないことを問題にする考え方が広がっている」。

 「日本の社会は図でイメージすれば、かつては中間層が多いちょうちん型だった。今は中間が圧縮されて上下が増え、中間が縮む縦長の楕円になっている。それがさらに進めば中間がへこんだひょうたん型になる。必要なことは現実的選択が可能な社会の型だ。貧困の放置は労働市場そのものをこわす」。湯浅さんの切り口は憲法9条プラス25条の社会だ。

 じょうづかさえこさんの歌に続いて、谷山博史さん(日本国際ボランティアセンター代表理事)がアフガニスタンの現状に踏まえた人道的支援のあり方について報告した。谷山さんは「アフガンの貧しい若者とアメリカの貧しい若者とが戦場で対峙している」アフガンの状況が急速に変化していることを見ようともしないでアフガン支援のための法案などできない、と国会審議のありかたを批判。「国連決議があろうとなかろうと間違いは間違いだ。アフガニスタンの一般の人にとって国連は不当なものだ」と語り、一方これまで日本の評価は高かったと述べた。

 「軍閥の武装解除を非武装の立場で主導したのが日本だった。日本は非武装で支援してくれると思ってくれる人が多かった。アフガンに陸上自衛隊をという話が出たとき、普段は政治のことには距離を置いている日本のNGOも陸自派遣に反対で一致した。支援活動は人々との信義・信頼にもとづく以外にない」。

 「今、アフガニスタンの戦争は、国際社会が打つべき手段を打たず、間違いを繰り返してきたためにひどいことになってしまった。外国の軍隊は2003年には1万5千人だったが、現在は7万人だ。しかし死者は倍倍ゲームで増えている」。

 「米軍の『誤爆』による市民の死者に対して住民が米軍に補償を求めたところ、米軍の回答は『そういう例が多くて一々対応できない』というものだった。イギリスのシンクタンクの調査によれば、外国軍は自分たちを守ってくれるのではなく、自分たちを攻撃する存在だ、自爆テロは自衛のための手段だ、と考える人が増えており、被害者という意識も拡大している。住民の50%以上がタリバンに親和的という調査もある」と語った。

 最後に韓国平和憲法市民連絡会・平和博物館の金英丸(キム・ヨンファン)さんが報告。金さんはイ・ミョンバク政権について「軍事独裁がやってきたことのうち拷問以外はみなやっている」と批判し、カネ万能社会、規制緩和、教育の競争化、さらにはTV局KBSの社長の首を自分の側近にすりかえるなど、イ・ミョンバクがやってきたことへの怒りがキャンドル闘争で表現されたことを紹介した。

 一方、キム・デジュン、ノ・ムヒョン政権の10年間を「失われた10年」として右派が激しい失地回復に乗り出しており、日本の右翼と連携したグループの活動が活発化していることも報告した。

 金さんは「日本国憲法」を「アジアへの不戦の誓い」と受け止め、平和のための過去の清算を共同で進めようとよびかけた。

 集会参加者は、その後、会場近くにある自民党本部前に向かい、キャンドルに灯をともして、給油継続新法反対、自衛隊撤退、派兵恒久法反対、そして消費税率値上げ反対を訴え、「国会解散」をも呼びかけた。

(K)

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