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結局、沖縄に基地を押し付けるのか!

 自ら幾度も繰り返して確認した米海兵隊普天間基地の「移設」先決定期限の五月末が目前に迫る中で、ついに鳩山首相は五月四日に航空自衛隊機で沖縄を訪問した。辺野古沖合に杭を打ち米軍基地を新設するための工作である。鳩山はまず摩文仁の丘の「沖縄戦没者墓苑」で献花し「平和の礎」を見た後、県庁を訪問して仲井間県知事との会談に臨んだ。次いで、県議会議長らと話した後、宜野湾市で伊波市長ら県内市町村長らと会談、普天間基地を視察した後、住民との「対話集会」に参加した。さらに名護市のキャンプ・シュワブを視察した後、名護市民会館で稲嶺名護市長と会談するという駆け足訪問だった。


▲沖縄県庁前に300人が結集して鳩山を糾弾した

 この一日だけの沖縄行きで鳩山首相は何を語ったのか。

 「普天間問題はパッケージとして解決することが大事だ。海外移設という話もなかったわけではないが、日米同盟関係を考えた時、抑止力という観点から難しいという思いになった。すべてを県外にという考えは現実問題として難しい。沖縄の皆さんにも負担をお願いしないといけない」(仲井間沖縄県知事との会談)。
 「将来的にはグアム、テニアンへの完全移設もありうると思っているが、現在の北東アジア情勢で日米同盟を維持していく中、抑止力の観点から沖縄やその周辺の皆さんに負担をお願いせざるをえない状況になっていることも政府の考え方として言わないわけにはいかない」(稲嶺名護市長との会談)。

 「新政権をつくる際に『最低でも県外』と、普天間の移設先に関して申し上げたことは事実だ。ただ、環境は容易ではないということは、政権を取ってから日々感じている」(県議会幹部との会談)。


▲鳩山と宜野湾住民の「説明会」に入りきれなかった人々が抗議の声を上げる

 さらに稲嶺市長との会談後に名護市で行われた報道各社とのインタビューでは「学べば学ぶほど、沖縄の米軍の存在自体の中での海兵隊の役割を考えた時、すべて連携している。その中で抑止力が維持できるという思いに至った」「海兵隊の抑止力は必ずしも沖縄に存在しなければならない理由にはならないと思っていた。浅かったと言われればそうかもしれない」と述べるとともに「最低でも県外移設という私自身の代表としての発言で、正式の民主党の公約ではなかった」としどろもどろの弁明までする始末だった。およそ「説得」などとはほど遠い、拒否されることが分かり切った上での辺野古沖浅瀬案強行のための布石である。

 鳩山首相の訪沖と軌を一にして「五月末決着」に向けた米日両政府当局者の実務者協議も始まった。五月七日には鹿児島県徳之島の三町長との会談も行われた。しかし四月十八日の全島民の六割以上が参加した基地建設反対の総意を背にした三町長は、鳩山の申し入れを当然のようにあっさりと拒否した。

 鳩山の訪問は、四月二十五日の九万人県民集会で「普天間即時閉鎖・県内移設反対」の総意を明確にした沖縄の人々の怒りと抗議に見舞われた。何よりも移設地とされた名護市に稲嶺進市長は、「もう首相が名護に来ることはないだろう」と語り、鳩山首相とこれ以上会う意思はないことを明らかにした。仲井間県知事は「辺野古への移設には地元の名護市長の同意が絶対条件」として、政府と名護市の間を仲介することはしない意向を示している。たとえ仲井間県知事が「県内移設」を容認するつもりがあったとしても四・二五沖縄県民大会に参加した彼を沖縄県民の「総意」が縛っているのである。

 鳩山首相の五月四日の発言は、内閣の中でも北澤防衛相、岡田外相、平野官房長官など他の主要閣僚に比して相対的に「国外・県外移設」に前向きであると見られ、「辺野古への舞い戻りはない」という趣旨の発言を一度ならず行ってきた首相本人が、結局のところ米国の一部の「知日派」と言われる防衛マフィア、それと従属的に結びついた日本の外務省、防衛省官僚や「軍事評論家」たちの論理に白旗を掲げて追随することになったことを示すものである。

 朝日新聞五月五日付に掲載された船橋洋一主筆の「日本@世界」の論調は、鳩山を「辺野古回帰」へと促した力学を露骨に表現している、というべきだ。

船橋は述べる。「アジア太平洋の国々は、日米同盟の現状への懸念を米政府に繰り返し伝えています。中国の急激な台頭の性格と方向性に懸念を持ち始めているからにほかなりません」「在日米軍基地は、日本を守るだけではなく、極東における平和と安全のためでもあるのです。その役割、つまりは抑止力が弱まることを近隣諸国は、そして米国も、心配しているのです」「沖縄基地問題は日米の対中戦略と分かちがたく結びつきつつあるのです。中国を開かれた国際主義的な世界秩序に組み込むために、アジア太平洋においては盤石の日米同盟が不可欠なのです」。

みごとなまでの日米安保・日米同盟絶対論であり、「中国脅威論」である。

 われわれは、こうした「日米同盟」擁護主流派の「安全保障論」を根本から崩すことが今こそ必要であることを確認しよう。出発点は「普天間基地の即時閉鎖」を求める沖縄県民の共通の意志である。普天間の即時閉鎖・返還と「移設」論をリンクさせるべきではない。そして沖縄県内はもちろん、どこにも「移設」先はない。鳩山政権が「辺野古+徳之島」案を決めたところで、地元が受け入れない以上、「移設先五月決着」が不可能であることは当たり前である。

 われわれは鳩山首相に問わなければならない。あなたは「海兵隊の抑止力が必ずしも沖縄に存在しなければならないわけではない、という自分の考えは浅かった」と述べたが、どの点で「浅かった」のか、と。そして「海兵隊の抑止力」とは、どのようなものなのかと。

また社民党にも問う必要がある。三党連立合意の核心だった「普天間基地の県外移設」の主張が放棄されようとしている今、あくまで閣内にとどまる道を選ぶのか。それは自殺行為ではないか、と。

自ら設定した「五月末決着」の期限で自縄自縛となった鳩山政権は、「泣き落とし」の姿勢で沖縄にいっそうの犠牲を強要している。鳩山政権が掲げた「対等な対米関係」をめざすのであれば「世界で最も危険な」普天間基地の返還を「県内移設」とセットで確認した一九九六年のSACO合意そのものの見直し・廃棄を要求し、普天間の即時返還を絶対的条件として、沖縄県民の意思、徳之島島民の意思を米国に突きつけることがスタートラインである。そしてわれわれは、沖縄の人々とともに、そしてアジアの人々とともに「平和への脅威」とは何か、労働者・市民が追求すべき日米関係、日中関係、そしてアジア諸国の民衆相互の関係はどのようなものでありうるのかを積極的に論議し、行動に移していく必要がある。

 そのためには、あたかも不動の前提のように見なされてきた日米グローバル安保そのものの見直し・廃棄に向けた方向を提起しなければならない。安保改定50年の今年、そうした闘いを本格的に開始しよう。(K)

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