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1月28日、東京地裁は、マクドナルド店長(埼玉県熊谷市の店舗)の高野廣志さんが日本マクドナルド社を相手に、名ばかりの「店長」を管理職だとして残業代を支払わないのは不当だとする主張を認め、未払いの残業代など755万円の支払いを命じる判決を出した。「店長」とは名ばかりの長時間労働、ただ働きの強制労働に対して違法だと判断したのである。画期的な判決だ。

1/28 テレビ報道より 「マクドナルド 店長の“残業代”支払い命令」


裁判の争点は、マクドナルドの店長が「管理職か否か」だった。労働基準法上では、 1日8時間、週40時間を超える労働や休日出勤には残業代を支払うよう義務づけているが、管理監督者には適用されないことになっている。さらに労働基準法上の「管理監督者」は、

1.労務管理方針の決定権、指揮権限を有し経営者と一体であること 
2.自己の勤務に自由裁量権をもっていること 
3.その地位に対して特別な給与が支払われること...

の三要件に基づいて判断される。

判決は、管理監督者とは「企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場にあるような重要な職務と権限を与えられ、賃金などで一般労働者より優遇されている者」という規定を再確認した。そのうえで日本マクドナルドの店長の権限は、「アルバイトの採用や勤務シフトの決定など店舗内に限られ、本社の打ち出した営業時間に従うことを余儀なくされている」実態に触れ、「管理職といえるような重要な職務と権限を与えられているとは認められない。権限は店舗内に限られており、経営者と一体的な立場で事業を行う管理職とは言えない」と結論づけた。

この勝訴をバネに全国の外食業界の「店長」たちが一斉に提訴運動と資本追及を展開すれば、すごい事態に突入することは間違いない。外食業界は、「経営の根幹を揺るがしかねない問題」だと動揺を隠しきれない状態だ。まさに「資本の危機」だ!

われわれは、資本によるこれ以上の超搾取、生存権否定、違法行為の繰り返しを許さない。
勝訴判決に対して日本マクドナルドユニオンをはじめ全国の各組合は支持声明を出した。資本の違法行為を摘発し、全労働者の権利へと拡大していこうと新たなスクラムが広がりつつある。
不法行為を繰り返しているのは日本マクドナルドだけではなく、ロッテリア、すかいらーくなどの外食業界は、店長に残業代を支払っていない実態が浮き彫りになりつつある。ロッテリア経営は「裁判の行方を見守りながら今後の対応を検討する」、すかいらーく経営も「店長には職務に相応する手当を付けている」などと弁解せざるをえないほどだ。

このような社会的包囲があるにもかかわらず日本マクドナルドは、全く反省する姿勢もなく、開き直り、1月29日に地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。
われわれは、このような日本マクドナルド経営陣を徹底的に糾弾する。経営陣は、全国のマクドナルド店長に不払い残業代を支払ってしまうと、膨大な額となってしまうから絶対に地裁判決を受け入れることができないのだ。自らの延命のことしか考えていないのである。
 
そもそも違法を繰り返してきたのだから是正をしていくことは経営者として当然の責務ではないか。要するに経営者としての責任能力がないことを認めてしまったに等しいのである。違法を繰り返す経営者たちは、ただちに退陣せよ! マクドナルド労働者をはじめ、全ての労働者への待遇改善を行え、ただ働き強制をやめろ!

すでにアジア連帯講座は、日本マクドナルド社の違法状態を社会的に暴露していくために、07年7月7日にアジア連帯講座・公開講座「日本マクドナルドに見るサラリーマン社会の崩壊 本日より『時間外・退職金』なし」というテーマを設定し、講師として田中幾太郎さん(ジャーナリスト)を招き、学習してきた。今後も微力ながらも支援・連帯していく決意である。

(Y)

アジア連帯講座 07.7.7マクドナルド講座報告 は
http://solidarity.blog.shinobi.jp/Category/4/〉を見て下さい。

 

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