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1月15日、東京地方裁判所(民事)は、自主営業を続ける京品ホテルの東京ユニオンの組合員に対して、「立ち退き仮処分決定」を下した。

これは、良好な経営状態が続いていた京品ホテルを経営者の投機の失敗によって潰し、その責任を一方的に労働者に押し付けることを認める暴挙にほかならない。労働者の「生存権」が、経営者の「財産権」より劣るなどというのは、人権一般の否定であり、断じて許すことができない。

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以下、東京ユニオンの抗議声明を転載する。
組合は、決定を不服として「異議申し立て」を行うとともに、正当な組合活動である「自主営業」を継続。
全国の働く仲間と地域住民とともに、強制執行をはね返すことを決意を表明している。
http://www.mu-tokyo.ne.jp/blog/index.php?itemid=117
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2009年1月15日

全国コミュニティ・ユニオン連合会
会 長 鴨 桃 代

労働組合東京ユニオン 執行委員長 渡 辺 秀 雄

 本日、東京地方裁判所民亊19部蓮井裁判官より、京品ホテルから東京ユニオンと組合員の立ち退きを命ずる仮処分の決定が出された。しかもこの決定は「事業の決定は、事業者が自由に行い得るものであり、これを従業員において争うことができない」と言い切り、たとえ偽装解散であろうと、また本件のように2年間の黒字経営の中での小林社長とリーマングループによる不当極まりない売却劇であろうと、労働者はこれに従えという。「仮に解雇が解雇権を濫用したものとして無効であるとされても、使用者が事業を廃止した場合に、これを再開するよう請求する権限は従業員にはない」とまで言う。これでは世界大不況に突入した日本社会で、吹き荒れていく会社整理やリストラに対して、労働者は何の異議申し立てもできないことになる。

 全国ユニオン及び東京ユニオンは、この決定を不服とて「異議申立」をすると共に、行っている自主営業は、京品ホテルの理不尽な廃業と不当解雇に抗して行っている正当な組合活動であり、今後も断固として続けていくことを声明する。このような不条理な決定に屈せず、労働者と家族の生存権をかけ、ユニオンは闘い続ける。

 京品実業の小林誠社長は自らの放漫経営で作った60億円以上の債務の清算のため、従業員とその家族を犠牲にして「理不尽な売買契約」を締結した。

 労働組合に対しては、経営危機に至った経過や売買契約の内容について一切開示することなく団体交渉を一方的に打ち切り昨年10月20日の廃業と従業員全員解雇を強行したのである。しかし、昨年11月21日、リーマンの意を受けた京品ホテルの買主・株式会社LCホテルズは、「当社が京品実業らとの間で京品ホテルにつき売買契約を締結していたことは事実です。しかし、当社は既に売買契約を解除しており買主としての立場にはありません。」と東京ユニオンに通告してきた。更に、昨年12月22日には改めて「今後も売買契約を復活させる意思はない」と断言している。裁判所はこの点もなんら斟酌していない。

 労働組合東京ユニオンとの間で誠意を尽くした話し合いで合意を得ない限り、私達を京品ホテルの建物から強制的に立ち退かせようとも、なんら本件解決の枠組みはできない。

 京品実業は、仮処分の審尋のなかでも、何一つ解決策を提示することをせず、ひたすら立ち退きの「決定を出してくれ」と裁判所に迫るばかりだった。

 今回の、仮処分の決定は京品ホテルにおける労使紛争の解決には全く寄与することはない。むしろ、労使紛争を泥沼化させていくものにしかならない。強制執行が行われ、京品ホテルの建物が債権者リーマンの手に渡れば、港区の歴史的建造物にも指定されているこの建物は、取り壊されてしまう。そのことは、地元住民の利益にも反する。短期間に、地元住民を含む5万人以上の人々が「京品ホテルの存続を求める要請書」に署名を寄せてくださったことからも明らかである。

 全国ユニオン及び東京ユニオンは、今回の不当な決定に屈することなく、全国の働く仲間と地元の住民の皆さんのご支援を得て、強制執行があろうとも、これをはねかえし、労働者が人として働き生きて行くための大切な職場を守っていく決意である。

  以 上
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