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四月七日、アジア連帯講座は、東京・文京シビックセンターで「公開講座 改憲手続き国民投票法案を批判する 改憲『トライアル』としての国民投票」を行い、二十五人が参加した。講座は、与党が改憲手続き法案を十三日の衆院憲法調査特別委員会で単独で採決を強行すると通告するという緊迫した国会情勢を前にして行われた。

 講師の山口響さんは、ピープルズ・プラン研究所に所属し、改憲手続き法案批判を果敢に展開してきた。「シリーズ『改憲』異論1、2」(PP研究所)で「戦争放棄条項をめぐる改憲論とその問題点」、「『真っ当な』国民投票法案をつくるべき? 今井一提案をめぐって」を執筆している。


 山口さんの第一の提起は、改憲までに必要とされる手続きとして「①改憲手続き法案の審議機関を国会内に設置②法案の審議・可決③憲法改正案の審議機関を国会内に設置④改正案の審議・発議⑤国民投票」という流れについて説明した。

 そのうえで改憲をめぐる経過のポイントとして、与党「日本国憲法改正国民投票法案骨子(案)」(04・12・3)、民主党衆院憲法調査会報告書提出(05・4・15)、民主党「憲法改正国民投票法制に係る論点取りまとめ案」(05・4・25)、衆議院憲法調査特別委員会設置(05・9)などを取り上げながら、安倍政権成立後、憲法改悪にむけた第一ハードルである改憲手続き国民投票法案成立にむけた動きが加速してきたことを強調した。

 すなわち、安倍晋三首相が衆参両院本会議(1・26)での施政方針演説で「戦後レジーム(体制)を見直し、新たな船出をすべき時がきた」と発言し、国民投票法案を今国会でなんとしてでも成立させると宣言し、強引に審議を押し進めていった。その第一弾が参院憲法調査特別委員会の設置を自民、公明両党などによって強行採決したことによって指し示したと言える(1・26)。

 あげくのはてに自民党幹部たちが憲法記念日の五月三日までの成立をぶちあげた。多くの抗議と反対運動の包囲によって、この主張を修正せざるをえなくなったが、与党は三月二十二日に中央公聴会を強引に開催した。そして、改憲手続き法修正案を三月二十七日に提出し、四月十二日にも委員会強行採決をねらっているのだ。

 山口さんは、「衆院成立後の参院段階でも、このような強引な手法で継続してくるだろうが、衆院段階で自民党と民主党が決裂し、参院選を前にして、安易な妥協は成立しないだろう。参院野党議員数の存在によって、そんなにやりたい放題にやれない。自民党参議院議員自身、参院選を前にして無理にやれないという衆院議員との温度差がある。参院の攻防いかんでは、今国会の法案成立を阻止することは可能だ。そもそも問題点だらけの法案であり、まだまだ論議する必要がある」と提起した。

 このように安倍政権と与党の強引な審議を厳しく批判した山口さんは、法案の自公案(06・6)、民主案(06・6)、自公修正案(07・3)そのものを具体的に取り上げ、比較分析していった 。つまり、①最低投票率がない②「過半数の賛成」を「有効投票の過半数」にすりかえることによって、二割前後の賛成で改憲できる③国民に十分な判断の時間を与えない④公務員や教育者の運動を制限⑤テレビ、ラジオなどの広告は大金を使える側だけが利用できるなど改憲派に有利な内容に貫かれていることを暴き出していった。
 とりわけ与党案の「組織的多数人買収及び利害誘導材罪」(三年以下の懲役・禁固、または50万円以下の罰金)が拡大解釈によって適用範囲が広がる危険性があることを批判した。また、「公務員・教育者の地位利用による国民投票運動」では罰則規定を削除したが国家公務員法・地方公務員法などによって「法制上の措置」や行政処分によって弾圧が可能になることを浮き彫りにしていった。

 提起のまとめとして山口さんは、「自公民三党の憲法関係議員は、国会の憲法委員会で摺り合わせをこれまでやってきた。ある程度、妥協の産物として合意に結びつけたがっていた。ところが、党の幹部たちの介入によって、三党合意成立が崩れてしまった。たとえ改憲手続き法案が通ったとしても、改憲派は大きな『爆弾』を抱えこんでしまった。改憲法を出すにしても、自民党単独で衆参三分の二以上ないから民主党を加えないと出せないことになる。与党単独強行というトラウマを民主党に与えてしまったら、後々合意していくのが難しいだろう」と評価し、こういったシミュレーションも含めて憲法改悪反対運動を展開していかなければならないことを明らかにした。

 最後に、アジ連の仲間から4・12日比谷野音集会、17国会包囲、5・3日比谷公会堂での憲法集会の行動提起を行った。(Y)

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