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金日成・金正日体制と東アジア

金日成・金正日体制と東アジア


著者 渥美文夫 著
出版社名 現代企画室 (ISBN:978-4-7738-0714-1)
発行年月 2007年11月
サイズ 185P 20cm
価格 1,575円(税込)
 著者は、二〇〇二年九月の小泉首相(当時)の北朝鮮訪問の中で、金正日が日本人拉致問題を公式に認め、「謝罪」したことが、日本の左派、とりわけ彼もかつてその流れの中に存在した新左翼にとってどれほど深刻な衝撃を与えたか、という立場から、本書を書いた。「中核派、ブント諸派、革労協、等の左翼や革マル派はこれまで、拉致問題には関心を示してこなかった。左翼諸派は、日本帝国主義の朝鮮半島への再侵略、反革命の動向を強調し、日本帝国主義を厳しく批判する朝鮮労働党にはむしろ肯定的な立場をとる傾向が強かった」とする著者の冒頭での批判的言及は、本書を貫くモチーフである。

 本書の構成は「金正日の拉致犯罪」「九〇年代の北朝鮮」「在日朝鮮人の北朝鮮帰国」「抗日パルチザン部隊の指導者・金日成」「朝鮮民主主義人民共和国の建国と朝鮮戦争」「重工業優先、農業集団化」「金日成個人独裁」「党の唯一思想体系確立のための十大原則」「金父子体制」「金日成・金正日の対外工作」「金日成・金正日の朝鮮総聨支配」「金正日の軍事独裁体制」の十二章から成っている。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)成立の過程、朝鮮戦争とその結果、金日成・正日父子独裁体制の形成、「唯一思想体系」としての「主体思想」、さらに今日の金正日独裁の政治・社会構造とその下での北朝鮮民衆の餓死をふくむ絶望的状況について、著者は歴史的経過に即しながら、さまざまな既刊資料を用いてコンパクトにまとめている。

 その分析には、とりわけ新しい材料が含まれているわけではないが、あらためて北朝鮮の軍事独裁体制の諸特徴、儒教的な封建的「忠孝原理」に貫かれた「主体思想」の本質を見極める上で便利である。


 著者は、日本帝国主義の朝鮮侵略と植民地支配の犯罪性に対して日本の労働者民衆が引き受けなければならない負債の補償について、決してあいまいにしているわけではない。しかしそうであればこそ、金日成・金正日体制への批判をあいまいにし、さらにはその「反米日帝」のポーズに引きずられて実質上その軍事独裁体制を防衛する多くの「新左翼」の傾向が、北朝鮮民衆への敵対に他ならないと批判している。

 そうした著者の厳しい批判は小田実の『私と朝鮮』や和田春樹の『北朝鮮 遊撃隊国家の現在』などをも対象としている。著者の新左翼批判は、その「スターリン主義批判」が反帝一元論的な政治力学主義を一歩も超えることができず、「スターリン主義」の政治・社会的な支配体制の内在的批判に至っていないところに集約される。私は日本新左翼の「スターリン主義批判」への著者の批判が、いまだあいまいであると考えている。

 しかし「日本の左翼諸潮流がなすべきことは、米帝・日帝の侵略・反革命からの“共和国防衛”ではなく、金正日への闘いを開始しつつある北朝鮮人民への連帯である」とする著者の立場は、私たちもまた基本的に了解するところである。(K)

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