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4月11日、埼玉県蕨市において「在日特権を許さない市民の会」なる外国人排斥・人種差別を叫ぶレイシストの一団による「フィリピン人一家を日本から叩き出せ」と主張する「デモ」が行われた。

 

この「デモ」はあろうことに、このフィリピン人一家の長女を名指しして、地域はおろか彼女が通う中学校の真ん前を通過するという許しがたいものだった。普段はサミットなどの国際会議の会場や皇居前、警察警備側が恣意的に「重要警備地点」とした建物やエリアのデモを「許可」しない警察当局・公安委員会が、一人の無防備な少女の生活圏に入り込み、極右暴力を背景にして中学生の少女を名指しで「日本から叩き出すぞ」と怒号する「デモ」を「許可」したのである。

差別主義言動で特定の少女の「心臓をえぐる」ことそのものを目的とし、文字通り脅迫する官許の「デモ」に対して、40人の人々が抗議した過程で二人が逮捕・弾圧されるという事態となった。

私たちはまず、警察当局がこのようなデモコースを「許可」したことを糾弾する!もちろんデモに「許可」条件があること自体が不当であるが、権力やその中枢にあるものたちに対するデモと、一人の民間人、ましてや力のない少女を名指しして心理的威圧を与え、脅迫することを目的にした「デモ」を同一視することは出来ない。このような「デモ」を認めるならば、なんらの力も持たない市井の一個人に対するストーカー行為や心理的威圧・脅迫を「デモ」の体裁さえ整えれば、許されるということになる。

この人種差別扇動、外国人排斥、少女の生活圏にまで入り込んでの名指しした心理的威圧・脅迫は、もはや「デモ」などではなく、ただの集団による「弱者」への暴力と言わざるを得ない。また、「言論の自由」は、「差別的言動の自由」を含むものであってはならない。このような「デモ」を名目とした官許の暴力を阻止する行為は、「暴力」でも「犯罪」でもない。警察権力が少女に対する集団暴力を「許可」したときに、一体どのような手段で、この集団暴力を止められるというのだろうか。非難されるべきはレイシスト集団であり、そのような「デモ」の名による集団暴力を許可した警察当局・公安委員会である。

私たちは、このような一人の少女に対する「官許の極右暴力」に立ち向かって弾圧された二人の即時釈放を要求する。そして、救援会の呼びかける被弾圧者のための救援カンパに協力しよう!

また、フィリピン人一家の生活を破壊し、引き裂さいた最大の責任が、日本政府・法務省・東京入管にあることもあらためて指摘する必要がある。カルデロンさん一家は、地域の人びとともにふつうに暮らしていただけなのである。森英介法相は両親と引き裂かれた子どもに対して、「学業目的」での1年間の在留特別許可しか与えておらず、その人権感覚の欠如もまた厳しく批判されなければならない。

資本家政府は、労働者の出入国を、資本にとって必要であるか否か、国境や国家という暴力装置の存在意義の再確認のためだけに「許可」するに過ぎない。今回の金融危機の影響によってたくさんの移住労働者が解雇され、帰国を余儀なくされている。

その一方で、大企業、多国籍金融機関、投機マネーは軽々と国境を越え、世界各地で労働者弾圧(フィリピントヨタ!)、環境破壊(フィリピン・バターン原発!)、経済混乱(フィリピン債務の4分の1が円建て債務!)という犯罪を犯しても、追い出されはしない。

日本政府、法務省、入管は強制退去のための摘発強化ではなく、すべての人が安心と尊厳をもって地域で暮らしていくための第一歩であるアムネスティ(合法化)制度の構築を行わなければならない。

(F)
 
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「外国人追い出しデモ反対行動」救援会声明
http://d.hatena.ne.jp/oidashino/

救援会声明

4月11日、外国人「追い出しデモ」に抗議した二人の男性が埼玉県警蕨署に逮捕される事件が起きました。ひとりは「追い出しデモ」の主催者が掲げていた紙製の横断幕を「盗んだ」容疑で、もうひとりはそのおよそ3時間後、公務執行妨害容疑での逮捕でした。彼らの友人として、私たちは両名の救援を呼びかけるとともに、彼らの行動の意義と逮捕の不当性を訴え、埼玉県警に即時釈放を求めます。

この日、外国人「追い出しデモ」を主催したのは、「在日特権を許さない市民の会」という右翼団体でした。彼らはこれまであちらこちらで「外国人=犯罪者」という扇動を続けてきた団体です。彼らはあたり前に地域と関係を作り暮らしている外国籍の人々を「犯罪者」扱いして、国外への追放を求める活動を続けています。そのあげく彼らは個人攻撃を開始し、長期に地域に滞在する一家を「追い出せ」とまで言いだしたのです。

このことをネットなどで知り、当日「在特会」のデモに抗議しようと蕨市外から駅前に40名ほどの個人が集まりました。それぞれの思いは異なるにしても、共通していたのは彼らの煽る排外主義への危機感と、弱い立場にある人を標的にして攻撃する彼らの卑劣さへの怒りでした。

あろうことかこの日のデモコースには、長期滞在の外国人ご一家のお子さんが通っていた小学校と、現在も通っている中学校が含まれていました。そこで彼らが「一家を追放せよ」と叫ぶことは、その一家に対してだけでなく、長期滞在するすべての外国人に対する暴力です。「特権を許さない」と彼らは言います。しかし、彼らが攻撃の標的としたのは、もっともこの社会の特権からは遠い外国人の、しかも子どもです。彼らの言う「国民大行進」は、そのような卑劣かつ卑怯なデモだったのです。

午後1時から「在特会」は「一家の追放」を叫ぶ集会を駅近くの公園で開始しました。

その集会の終わりごろになって、公園の入口に彼らが作成した紙製の横断幕が運ばれてきたのです。そこに書かれていたのは「不法入国は犯罪だ。『かわいそう』のペテンにだまされるな」という文字でした。蕨に住む家族を明らかに標的としたこの言葉は言葉の名に値するものではありません。これは地域に住む超過滞在の外国人を攻撃する暴力なのです。「追い出しデモ」への抗議に参加していた彼が行ったのはこの暴力への抵抗でした。警察は当初、彼に「任意同行」を求め、彼もそれに応じました。ところが「在特会」はあろうことか「窃盗」事件として被害届を出し、そのため彼は「窃盗犯」として逮捕されいまなお蕨署に留置されています。

その後、抗議活動に参加した人々の多くは蕨署に集まり、正規の手続きに則って逮捕された人への面会を求めました。ところが蕨警察署はバリケードを築き警察官を配置し、根拠も無く面会を拒みました。それどころか弁護士が身分を提示して面会を求めても1時間以上にわたって面会を拒否し続けたのです。そして突如そこに蕨警察署に先された右翼が登場しました。彼らは抗議活動に参加した人々に罵声を浴びせかけ、その際に生じた混乱の中で一名が公務執行妨害容疑で逮捕されたのです。

今回の行動については、参加者の間に充分な意思統一がはかれず、抗議行動を呼びかけた側の不手際も多々あったようです。抗議行動を呼びかけた側はその点を十分認識しなければならないと私たちも考えます。しかし、抗議行動が企図した「在特会」への抗議そのものは正当なものだと私たちは考えます。彼らの行ったデモは多くの外国籍で暮らす不安定な法的地位の人々を恐怖にさらす重大な犯罪です。裁かれるべきは彼らです。

一方で、「在特会」が「犯罪者」と叫び排除を求めているのは、この社会で生き、働き、人々と友情関係を結ぶ人々です。ビザがないことはだれを傷つけているわけでも誰を侵害しているわけでもないのです。

生きることは犯罪ではありません。私たちは排外主義扇動を終らせることを求めて逮捕された二人をただちに釈放することを要求します。

2009年4月12日

「外国人追い出しデモ反対行動」救援会
oidashihantai@gmail.com
 

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