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 3月20日、芝公園4号地で、「戦争も基地もいらない 武力で平和はつくれない WORLD PEACE NOW3・20」が行われ、800人が集まった。

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会場には十六の団体の出店がありにぎやかだった。

 園良太さんが、「3月20日はイラク開戦から7年目になる。WPNは戦争に反対して運動を続けてきたが、戦争はイラク、アフガン、パレスチナと続き問題は一切解決していない。また沖縄米軍基地問題が焦点になっている。今日はこうした課題について、ゲストから提起をしてもらい、今後の運動をともにつくりたい」と主催者あいさつをして集会が始められた。

 イラク戦争開戦時にバクダッドにいて取材し、その後も何回もイラクを訪れている志葉玲さん(ジャーナリスト)が「イラク戦争を検証する」と題して報告した。

 「開戦時空爆下のバクダッドにいた。それから七回イラクに行っている。多くのジャーナリストが殺された。犠牲を忘れてはいけない。問題は終わっていない。複雑で深刻になっている。人口の六分の一の450万人が国内外で難民となり激貧の生活をしている。ヨルダンで一家十人が八畳にぎゅうぎゅうの生活をしている。父親が家族の目の前で殺され、怖くて帰るに帰れないでいる。孤児の数も四百五十万人にもなる」。

 「米軍によって徹底的に破壊されたラマディとファルージャはそのままの状態が続いている。そこでは公園が墓になっている。住民は心に深い傷を負っている。口を利けなかったり立ち上がれない子どももいる」と、イラクの現状を報告した。

 さらに志葉さんは、イラク戦争は何だったのか検証する必要があると提起し、外国で行われている検証を紹介した。

 「イギリスとオランダで検証委員会が立ち上げられた。イギリスではブレア前首相や国防相が証人喚問され、イラクの脅威がウソであったことや参戦することは法的にも無理があるという意見をブレアが無視したことなどが確証された。オランダでは1月に『違法な戦争であり、支持は間違いであった』という最終報告が出された」。

 「日本も人事ではない。有志連合で支持し自衛隊も送った。人道支援の物資を運ぶとしていたがほとんど米兵を運んだ。これは参戦しているのも同じだ。私たちは昨年11月、日本のイラク戦争の検証を求めるネットワークを結成した。84人の国会議員も賛同してくれた。岡田外相も『やる必要があるが、もう少し時間をおいて』と言っているが、日米同盟が問題となっている今だからこそやるべきだ」と翌日の21日に検証シンポジウムを開くことを提起した。

 次に大河内秀人さん(パレスチナ子どものキャンペーン)が「パレスチナの危機」について報告した。「イスラム教への排他的で攻撃的という偏見があったが、パレスチナを訪れてまったく違っていた。身の危険を感じたこともないし、助け合って暮らしていた。今ではパレスチナやイスラエル内部でのNGOとのネットワークを築いている。イスラエル内部でも対立を煽るのではなく解決しようとする団体がある。イスラエルとパレスチナの対立のようにとらえるべきではなく、そうした対立によって利権を得ようとしたり、政治的影響力を強めようとする部分の問題をきちんととらえるべきだ。戦争は何ももたらさない」。

 続いて、安次富浩さん(名護・ヘリ基地反対協)が沖縄の闘いを報告した(別掲)。カンパアピール、寿バンドの歌が披露された。

 休憩の後、谷山博史さん(日本国際ボランティアセンター)がアフガニスタンの現状とわれわれの課題を提起した。

 「状況はきわめて深刻だ。三・四年前まではアフガン戦争は終わり復興が行われていると思われていた。しかし、昨年8月の大統領選挙がありうまくいっていないことが明らかになった。政府の汚職が批判された。なぜギャップが生まれたのか。●事情を知っていた国際的派遣部隊の中枢部が現実を隠してきた●対テロ戦争の成功例であるアフガンがうまくいっていないはずがないと信じ込まされてきたからだ」。

 「2006年、復興ロンドン会議で、2010年までの目標が採択された。2007年までに違法武装グループを解体する。08年までに汚職防止法を作り、その結果をモニタリングする。2010年、治安は外国軍ではなくアフガンにまかせる。すべて失敗した」。

 「なぜ失敗したか。それはアフガンへの攻撃が非現実的で傲慢だったからだ。和平協定からタリバンが排除されている。終わりのない戦争に巻き込まれている。もう一つの失敗はオバマによる米軍の増派だ。2001年に1万人だったのに十万人規模になった。増派してもタリバンは活性化している。2008年、2200人の民間人が殺されたが、その半数は外国軍によってだ。09年、外国軍の攻撃は50%も増え、被害も50%増えた」。

 「私たちが行っているNGO活動に被害を受けた。05年2月、クナール県で私たちのクリニックを追い出し、米軍が勝手に医療を始めた。そして現地スタッフの母親が米兵に撃たれた。これに何度も抗議し補償を求めた。08年8月、結婚式に集まった29人が殺された。医院長のいとこが殺された。タリバンなんていなかったのに、米軍はタリバンがいたと言い張った。09年8月、クリニックにロケット弾が着弾した。抗議したら、あれはテストだと認めその地区ではロケット攻撃をやめた。地元の人がいくら声を挙げてもやめない」。

 「政権交代し、自衛隊の給油活動をやめたのはよいことだ。日本政府は民政支援ということで四千五百億円の拠出を約束したが汚職や格差が広がるので、息の長い支援活動が必要だ。いま、展望がないのでだれもどうしたらいいのか分からなくなっている。それではどうすればいいのか。それはタリバンとの対話・和平交渉をすべきだ。多くの人がそれを望んでいる。日本はアフガンに軍隊を派遣してこなかったので、交渉を望む声がある。しかし、それをやってこなかった。政治的意思が欠如している。それをつくるのは私たちの声だ。海外に自衛隊を派遣するのではなく、非軍事の手段で働きかける外交の転換が必要だ。今やるべきはイラクやアフガンの検証運動だ。非軍事の紛争解決をあきらめることなく挫折することなくやっていこう」。

 最後に平和フォーラム藤本事務局長が「安保五十年、韓国併合百年にあたり、アジアとともに生きていくために何をすべきか、この課題に一年取り組む。それと、四兆円もの巨大なムダ使いの核燃サイクルもんじゅを止めさせる、自然エネルギー政策を実現する運動に取り組む」と報告した。WPNの運動の総括と今後の運動についての「持続的な平和運動へのあらたな挑戦」のアピールを読み上げ、JR浜松町駅までのパレードを行った。

  安次富浩さんの報告から

  最近、米兵による事故・事件が頻発しているが、殺人訓練を行っている海兵隊はイラク、アフガンに送られている。事故を起こしても、救急車を呼ぶことなく立ち去っているのは当たり前のことだ。だからこそ米軍を撤退させる課題があるのだ。

 米兵による少女レイプ事件があり、普天間基地を返すことを約束した。しかし、その後基地のたらい回しで辺野古に新基地を作ることになった。私たちはそれと13年間闘って新基地を作らせなかった。鳩山首相は総選挙時、沖縄での演説で「最低でも県外移設であり、国外移設も求める」と発言した。自民党は辺野古移設を前提としたので、沖縄四選挙区でだれも当選しなかった。沖縄は基地をノーとしたのだ。その後の辺野古市長選でも稲峰市長が誕生した。

 鳩山首相は名護市長選の結果を考慮すると言っていたのに、平野官房長官は名護市長選の結果について「考慮しない」と発言した。こうした閣僚の発言に心から怒りが湧き、鉄拳くらわし、膝蹴りでもしたいくらい腹立たしい。(会場から大きな拍手)

 政府は3月中に移設先の結論を出すと言われている。その案はキャンプシュワブか勝連沖を埋め立てるというもの。われわれの要求は普天間基地は出でいけ、辺野古には作るなだ。それでは基地反対運動がある厚木や座間、横須賀に持っていけば良いとは思っていない。さらにグアムも同じだ。それは沖縄と同じことを望まないからだ。アメリカ本国の基地は閉鎖されている。そこに持っていけ。

 海兵隊は抑止力ではない。キャンプシュワブやキャンプハンセンの海兵隊がファルージャで虐殺を行った。私たちは加担者だ。沖縄だけでなく日本全体も。反戦運動の基軸となる問題だ。

 県内移設を確定すれば、鳩山政権を解体させる闘いを皆さんといっしょにやりたい。鳩山政権に甘い期待を抱いてはいけない。第三の政党を作りだし政治をもう一度変えていこう。アジアの一員としてアメリカの核の傘ではなく日米安保をなくし平和を求めよう。

 来る4月25日、読谷村で十万人規模の怒りの大集会を開くことを決定した。5月16日には普天間基地包囲行動を予定している。いっしょに闘おう。


(発言要旨)

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