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 7月16日、「たちかぜ国賠」4周年記念集会に参加した。主催の「たちかぜ」国賠を支える会は提訴記念集会を毎年開いてきた。「たちかぜ」国賠は今度の8月4日に最終弁論の日を迎えるため、傍聴席への幅広い結集が呼びかけられた。集会場である開港記念館の6号室にはいつも掲げる横断幕「一人一人の命を軽んじるな」が飾られ、神奈川平和運動センターでも活動する加藤泉さんが司会進行した。

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▲護衛艦「たちかぜ」(2007年1月に退役鑑)

 「たちかぜ」国賠は、2004年に21歳の自衛官が鉄道自殺を遂げたことが発端である。教育隊での訓練終了後護衛艦「たちかぜ」に任官して10ヶ月目のことだった。自衛官は家族への感謝の言葉とともに執拗にいじめ、パワハラを繰り返した古参自衛官の実名を「お前だけは絶対許さねえからな」と書き残しており、それらを元に直接暴行した自衛官に対する刑事手続き、隊内の懲戒処分はおこなわれた。しかしより事件の本質を知り、年間100人の自殺者を出す自衛隊と国の責任を問うため2006年に国家賠償請求訴訟が自衛官の親によって提訴されたのだった。

 この日は最終準備書面を完成させた弁護団からおのおの担当した箇所の解説があった。岡田尚弁護団長によれば、この裁判は8人の弁護士がそれぞれ立証、陳述にかかわった稀有な例であるとともに、それだけ、無念にも自殺へ追い込まれた自衛官、原告である自衛官の親の意思、支える会のバックアップ、が強く働いた裁判であったという総括がされた。

 そして裁判が国家賠償請求という形をを取りながらも、当初の自衛隊による資料隠匿を、裁判所の開示請求などを経てくつがえし、自衛官上官の偽証疑惑報道をも引き出し、刑事裁判を格段に上回る社会的関心を引き起こしたことが見てとれた。自衛隊という組織の閉鎖性、若者を絶望に追いやる犯罪性を深く印象付けたことは言うまでもない。

 自殺した自衛官などに対して、加害自衛官がモデルガンを撃ち込み追い掛け回す、あるいは鼻に指を入れて持ち上げる、ポルノビデオを高い価格で買わせるなどの行為が常軌を逸している、ということだけで終わらせるわけにいかない。旗艦護衛艦「たちかぜ」の中でも、いじめ行為がいかに班長、砲雷長、艦長など上官の黙認、間違った判断、隠蔽によって支えられているかということ、そして、裁判の当初、浪費によって数百万の消費者金融債務を負ったことを苦にして自殺したと、被害自衛官が自衛隊から「濡れ衣」を着せられたことが、どれほど見当違いであったかということ、を立証するために原告弁護団をはじめとする人たちの計り知れない労力が投入されている。

 聞けばいじめた自衛官も多額の債務を背負っていた。自衛官相手の消費者金融が存在することも知られている。自衛隊、そしてあまねく軍隊組織の「労働」の不毛、必然として生み出される腐敗、パワハラというテーマをこのたちかぜの事件は提起してきたのだった。

 集会では支える会の木元さんが撮りためた、提訴から今までのビデオ映像を流し、集会の最後に原告である被害自衛官の母親が発言した。母親は「こうして最終書面を見て胸に迫るものがあった。この間も、自殺した自衛官の親と会ったが、親の思いはみな同じだ。自衛隊に入らなければ子供が殺されることはなかった。裁判で変えられたこともあったが、何年たっても自衛隊の対応は変わらない」と述懐し、被害自衛官の父親などが亡くなりながらも続いてきた裁判を振り返った。また福岡高裁で勝利判決を得たさわぎり国賠の原告も涙ながらにアピールした。その方が吉田敏浩さんの著書「人を資源と呼んでいいのか」を紹介していたのが印象に残った。

 海外に派兵される自衛隊員は「人的資源」ではない、例外なく人間らしい生活が保障されなければならない、という決意を持って8月4日は横浜地裁で傍聴しよう。たちかぜ国賠は13時30分開廷、ついでに言うと、「君が代不起立個人情報保護裁判」が同じ8月4日の3時30分開廷される。

(海)

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