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国有企業の通化鋼鉄の民営化を労働者がストライキで中止に追い込んだ闘いは、小さいが貴重な勝利の経験である。
◎中国:国有企業の民営化合併案をストライキで粉砕
http://solidarity.blog.shinobi.jp/Entry/544/
▲フリードリヒ・エンゲルス ▲警官隊に抗してストを闘う通化鋼鉄の労働者たち
かつてエンゲルスは、デンマークに伝わっていた農民プロレタリアの実力闘争を謳った古代民謡「ティドマン殿」をドイツ語に翻訳し、ドイツ労働者に伝えた。「ドイツのように、有産階級のなかにブルジョアジーのほかに封建貴族がふくまれ、プロレタリアートのなかに、産業労働者と同程度に、もしくはそれ以上に、農業プロレタリアが含まれている国では、この力づよい昔の農民歌謡はまさにそのところを得ているといえるであろう。」(エンゲルス)
通化鉄鋼ストライキの勝利を受けて、ストの犠牲となった経営者、陳国軍社長を、ティドマンになぞらえた替え歌が香港・先駆社のウェブサイトに紹介されている。なお元歌「ティドマン殿」は後半に転載しているので、そちらから先に観ていただくと、分かりやすいかもしれない。
(H)
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陳国軍社長殿
エンゲルス訳のデンマーク民謡「ティドマン殿」を模倣して
杜建国
原文 http://www.xinmiao.com.hk/0001/20090728.13T.htm
朝はやく、おてんとさまがさしてきた、
陳国軍社長殿は大忙しでお召しかえ、
シャネルのネクタイにアルマーニのスーツ。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
シャネルのネクタイにアルマーニのスーツ、
それにロレックスの腕時計が光る、
ルイヴィトンのバッグもぴっかぴかなのは言うまでもない。
それをば南区のみんながはやす。
ルイヴィトンのバッグもぴっかぴかなのは言うまでもない、
中には天下の宝刀の合併契約書、
資本家の先鋒大将はぴかぴかに完全武装。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
資本家の先鋒大将はぴかぴかに完全武装、
ロールスロイスが先陣を切り、ハマーがそれに続いて疾走する、
通化鋼鉄ストライキに押しかけるようと意気揚々。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
通化鋼鉄ストライキに押しかけるようと意気揚々、
陳国軍社長殿は仕事にもどれと叫びつつ工場内に突入す、
スト中止の条件はわずか500元の月給と200元ぽっちの退職金。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
スト中止の条件はわずか500元の月給と200元ぽっちの退職金、
それが嫌ならみんな「たたき出す」「リストラ」だと、
それがかの老工人を怒らせた。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
それがかの老工人を怒らせた、
「建龍が出て行かないのならわしらも仕事に戻らない、
リストラすると言うのなら、その前にけりをつけようじゃないか」
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
「リストラすると言うのなら、その前にけりをつけようじゃないか、
金持ちどもがどれほどのものか見せてもらう、
寄り集まって輪になれよ みんなここにとどまるぞ!」
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
「寄り集まって輪になれよ みんなここにとどまるぞ!
陳国軍社長殿をば生かしては通化鋼鉄から帰さんぞ!」
まず手はじめの一撃はかの老工人がやらかした。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
まず手はじめの一撃はかの老工人がやらかした、
陳国軍社長殿は何も言えず、
陳国軍社長殿はどうと伏し、騒ぎ立てることもなくなった、
それをば南区のみんながはやす。
陳国軍社長殿はどうと伏し、騒ぎ立てることもなくなった、
合併契約書の紙切れは散り散りになって四散した、
労働者たちの顔に高炉の炎が映し出される。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
労働者たちの顔に高炉の炎が映し出される、
吉林省のお偉いさんは、労働者が何も分かっていないと大激怒、
国営でなければ民営化しか選択肢はないではないか、と。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
国営でなければ民営化しか選択肢はないではないか、と、
通化鋼鉄の労働者はこう応える 役人と資本家は左うちわ、
まるで寄生虫や吸血鬼のように、つるんで悪事を働いている。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
まるで寄生虫や吸血鬼のように、つるんで悪事を働いている、
通化鉄鋼は官僚のものでもなく資本家のものでもなく労働者のもの、
そして高炉が役人と資本家諸君の火葬場だ。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
そして高炉が役人と資本家諸君の火葬場だ、
われら自らの労働を自主管理す、
諸君らさえいなくなれば生活はもっとばら色になる。
それをば通化鋼鉄のみんながはやす。
2009年7月28日
==(参考「ティドマン殿」)==
ティドマン殿
古代デンマークの民謡
『デル・ゾツィアール・デモクラート』1865年2月5日付 第18号
エンゲルス訳・解説
朝はやく、おてんとさまがさしてきた、
ティドマン殿はお寝床のまえで着物のお召しかえ、
めかしてシャツをばつけました。
それをば南区のみんながはやす。
めかしてシャツをばつけました、
絹の上着は緑ですてき、
山羊皮製の長靴を足にしっかとはきました。
それをば南区のみんながはやす。
山羊皮製の長靴を足にしっかとはきました、
金張り拍車をそれにとめ、
南区の集会[Suderharde Thing]におでましだ。
それをば南区のみんながはやす。
南区の集会におでましだ、
自由農みんなに年貢の請求、
犂一個ごとに七シェッフェルの裸麦。
それをば南区のみんながはやす。
犂一個ごとに七シェッフェルの裸麦、
森の牧地から四頭に一頭の豚を出せ、――
そこで立ったはかのじいさん。
それをば南区のみんながはやす。
そこで立ったはかのじいさん、
「わしらのなかのだれだってそんなものは出せやせぬ、
お年貢を払うそのまえに」――
それをば南区のみんながはやす。
「お年貢を払うそのまえに、
みんなこの集会にとどまるぞ――
おまえら南区の百姓衆、寄り集まって輪になれよ!」
それをば南区のみんながはやす。
「おまえら南区の百姓衆、寄り集まって輪になれよ!
ティドマン殿をば生かしてはこの集会から帰さぬぞ!」
まず手はじめの一撃はかのじいさんがやらかした。
それをば南区のみんながはやす。
まず手はじめの一撃はかのじいさんがやらかした
ティドマン殿をばじいさんは地べたにのしてしまったのさ、
ティドマン殿はどうと伏し、血がたらたらと流れ出る。
それをば南区のみんながはやす。
ティドマン殿はどうと伏し、血がたらたらと流れ出る、
ところで黒い大地では、鋤は自由にゆきもどり、
森の牧地を豚どもはかってきままにお歩きだ。
それをば南区のみんながはやす。
+ + + + +
中世の農民戦争のこのひとこまの舞台は、ユラン半島のオールフース北方の南区[Suderharde](Hardeは裁判区)である。Thingすなわち裁判区の裁判集会では、裁判事件のみならず、徴税事件、行政事件も処理された。そしてこの歌は、貴族の勢力がますにしたがって、彼らがいかに、Edelingenすなわち自由農民に対立するようになったかを示しているが、それと同じ程度に農民が貴族の不遜をどのようなやり方で抑えつけることができたか、をも示している。ドイツのように、有産階級のなかにブルジョアジーのほかに封建貴族がふくまれ、プロレタリアートのなかに、産業労働者と同程度に、もしくはそれ以上に、農業プロレタリアが含まれている国では、この力づよい昔の農民歌謡はまさにそのところを得ているといえるであろう。
フリードリヒ・エンゲルス
1865年1月27日に執筆
『マルクス=エンゲルス全集』第16巻 大月書店より