忍者ブログ
アジア連帯講座のBLOGです
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

4月10日、鳩山邦夫法相は、法務省内で四名の死刑囚の死刑を執行したことを発表した。今年2月に三名の死刑を執行してから、わずか二ヶ月で四名の死刑を執行したことになり、鳩山の昨年9月の法相就任以降、昨年12月の三名の死刑執行以来、十名の死刑が執行されたのだ。

たった4ヶ月間で十名の殺害を命令し、実際に殺害した「凶悪犯」「大量殺人犯」がこの世にどれだけいるだろうか。しかも、刑の執行と遺体の処理は刑務官労働者に丸投げしながら、鳩山本人は薄ら笑いを浮かべながら「大変つらいご報告をしなければいけません」などと刑の執行を発表するのである。絶対に許すことは出来ない。

 


この大量執行は、もちろん鳩山一人の「キャラクター」の問題などではなく、一連の「テロ対策」に名を借りた民衆監視と「治安強化」の策動の頂点をなすものとして認識されなければならない。それは、冤罪を大量生産する「共謀罪」制定の動きと軌を一にしたものであり、「政府が・殺したいときに・殺したい者を・殺せる国」の完成をめざすものである。そして、矢継ぎ早の大量執行によって、世論を死刑執行に慣れさせ、死刑廃止運動に無力感を与える、という意図もあきらかである。それはまた、来年から実施するとされている「民衆に民衆を殺させる」裁判員制度に向けたデモンストレーションだ。

しかし一方では、この大量死刑執行は死刑廃止の世界と時代のすう勢に対する「焦り」の表現でもあるだろう。政府・法務省は依拠しているのは、マスメディアのセンセーショナルな「凶悪犯罪報道」による扇動と、一面的に拡大した「被害者感情」のみである。その貧弱な「死刑存置」の論拠を、大量の死刑執行によって既成事実化しようとしているに過ぎない。

そもそも、前回2月の死刑執行以降にも、いくつもの殺人事件や凶悪犯罪が発生しているという事実が、死刑制度存置の論拠である「抑止力」論の破綻を示している。自暴自棄になり、「誰でもよかった」と殺人を犯す者に死刑制度の存在がどんな「抑止力」になるというのか。あるいは、池田小学校の殺害犯のように、自殺願望の果てに「死刑になりたくて」罪を犯す者も存在するのだ。また、よく指摘されることだが、政府・警察の言うように「凶悪犯罪」は増加している、などというのはデタラメな統計の取り方による真っ赤な嘘で、殺人や暴力事件、強盗などの犯罪は60年代の十分の一以下の発生率なのである。死刑存置を正当化する理屈など、すべて破綻している。

鳩山には、悩まされる良心はないだろう。しかし、民衆はこの犯罪を永遠に忘れない。そして、そう遠くない未来に、この日本政府と鳩山の犯罪に「有罪」の判決を下すだろう。

 死刑廃止国際条約を批准して、死刑制度を即刻廃止せよ!

(F)

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90の声明
http://www.jca.apc.org/stop-shikei/

抗 議 声 明

 本日(4月10日)、中元勝義さん(大阪拘置所)、中村正春さん(大阪拘置所)、坂本正人さん(東京拘置所)、秋永(旧姓岡下)香さん(東京拘置所)に死刑が執行されたことに対し、強く抗議する。

 鳩山邦夫法務大臣は、今回の執行で、就任してわずか4ヶ月の間に連続して3回、合計10名の死刑の執行を行っており、まさに法務大臣就任時の「ベルトコンベアー式の大量執行」の実行である。これは、死刑の執行は慎重な上にも慎重でなければならないという法の趣旨を真っ向から踏みにじり、死刑の執行を好んで行っているとしか言いようがなく、法務大臣の職責に名を借りた大量殺人行為と言っても決して過言ではない。鳩山法務大臣は、まさに死刑執行法務大臣であって、死刑執行のコレクターと凝せられる危険な人物である。

 中元勝義さんは、4回の再審請求を行い、無実を訴え続けており、また中村正春さんは、重度の人格障害と鑑定されており、いずれも有罪判決に疑問の残るケースである。坂本正人さんと秋永香さんは、ともに一審が無期懲役であり、本当に死刑の量刑が正しかったか大いに疑問が残るケースである。特に、坂本さんは二審の死刑判決に対して上告せず、最高裁の判断を得ないままの執行であり、また秋永さんは恩赦の出願を弁護士に依頼した矢先の執行であって、権利の保護に著しく欠ける執行である。

 鳩山法務大臣の異常な大量執行は、生命の大切さを尊重する考えを喪失させ、社会を荒廃させ、犯罪を助長させる。鳩山法務大臣の行為は、死刑廃止という世界の趨勢に真っ向から反し、死刑執行の停止を求める国連総会の決議や国際機関の勧告にも反するばかりか、日本の国際的信用を著しく失墜させるものであって、とうてい許されない。

 私たちは、死刑廃止を願う多くの人たちとともに、鳩山法務大臣に処刑された10名の死刑確定者に代わり、また、連続的に死刑を執行させられている拘置所の職員に代わって、鳩山法務大臣に対し、強く抗議するとともに、これ以上の執行をしないよう、強く要求する。

2008年4月10日

死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90

【虹モンBLOG関連記事】
鳩山法相による三名死刑執行を許さない!死刑大国化NO!の大きな世論と行動を!

12.7死刑執行に抗議する死刑廃止フォーラムの声明

鳩山法相による三名の死刑執行糾弾-死刑執行は人類史に残る犯罪だ!

安倍政権-長勢法相による三名の死刑執行糾弾

拍手[1回]

PR
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ブログ内検索
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
アジア連帯講座
性別:
非公開
自己紹介:
戦争と搾取、貧困と独裁のない世界を民衆の国際連帯でつくりだそう。

Eメールは↓こちら
monsoon@jca.apc.org
アクセス解析
最新トラックバック

Copyright © [ 虹とモンスーン (だった場所) ] All rights reserved.
Special Template : CSS*TEMP
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]