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410人の被処分者と裁判闘争

 10月25日、東京・星陵会館で「10・23通達から5年 9・21東京地裁判決勝訴から2年 『日の丸・君が代』強制に反対する裁判に勝利しよう!学校に自由を!10・25集会」が行われ、350人が参加した。

 石原都知事と都教委は、グローバル派兵大国作りと連動して新自由主義的教育破壊と愛国主義教育を一体的に押し進めてきた。そのバネとして位置づけて強行してきたのが「日の丸・君が代」の強制だった。

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 2003年10月23日に「入学式、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について」という10・23通達を出し、実施方針にもとづき校長の職務命令で強要してきた。すでに5年がたち抗議の不起立、不伴奏をしてきた教職員410人を不当処分している。また、再雇用職員、再任用・非常勤教員等にも露骨な合格取消・採用拒否などの報復攻撃を行ってきた。

 石原と都教委による暴挙を許さず被処分者が軸となって反撃のスクラムを構築してきた。その闘いは、国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟(予防訴訟)、君が代処分取消人事委員会と裁判、「君が代」強制解雇撤回裁判、嘱託採用拒否撤裁判の闘いが原告・弁護団と支援によって粘り強く取り組まれている。


 その中で06年9月21日、東京地裁(難波孝一裁判長)で歴史的な勝利判決を勝ち取った(9・21判決)。判決は、1.原告には卒業式・入学式等において国歌斉唱及びピアノ伴奏を行う義務はない 2.いかなる処分をしてはならない 3.原告が受けた精神的損害に対して一人あたり3万円の損害賠償を支払うことなどを言い渡した。とりわけ「教職員に対して起立斉唱及びピアノ伴奏を強制することは、憲法一九条により保障された『思想・良心の自由』に対する侵害である」と憲法判断を明記したのである。さらに、都教委の通達、校長の職務命令に対しても『職務の公共性』という理由で公務員の基本的人権を制約することはできない」と厳しく批判している。

 都教委は9・21判決を不服として東京高裁に控訴した。控訴審は、08年10月に三回目の審理が行われ、重要な局面を迎えている。すでに東京地裁で五つの処分取消訴訟が結審しており、09年3月の卒業式の最中に判決が出る予定だ。

 集会は、10・23通達の反動性をあらためて批判すると同時に9・21判決の意義を確認し、諸裁判、人事委員会闘争の勝利にむけて10・23通達関連裁判訴訟団が一致団結し、主催者となって実現した。石原と都知事を社会的に包囲していく力強い前進を打ち固めたのである。

16の訴訟団が一致団結

 集会は、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会・事務局長の近藤徹さんが基調報告し、予防訴訟をはじめ裁判闘争の重要性を強調し、「私たちは、教職員はもとより広範な市民の中に運動を広げ各裁判勝利をかちとるために奮闘していこう」と呼びかけた。

 堀尾輝久さん(東大名誉教授、元日本教育学会会長)が「人権としての教育と教育の自由」というテーマで記念講演を行った。堀尾さんは、1.戦後改革とは 2.憲法と教育 3.教育基本法改定の意味 4.憲法原理と教育の自由などについて問題提起した。 さらに、「閉じた学校から開かれた学校」にむけて教育分野へのILO、ユネスコの「勧告」、子どもの権利条約に基づいて地域住民の参加、教育行政の条件整備が必要
であることを強調した。

 次に、壇上には主催者である十六団体が登壇し、開場参加者とともに今後の取り組
み、支援共闘をさらに強化していくことを確認した。

 続いて、「憲法寄席」創作集団による朗読劇「日の丸あげて」、弁護団による今後の裁判闘争にむけた決意表明。最後に集会アピールを採択した。(Y)

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