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 10月24日夜、沖縄・名護市内のサトウキビ畑で米軍嘉手納基地の米兵4名が乗ったセスナ機が不時着し、炎上した。炎は2300平方メートルを焼き、2時間かかって消し止められた。また飛行機が高圧電線に接触したため、700世帯が停電した。直前に不時着を目指した運動場では子供がたくさん集まっており、住民の人命が失われる可能性も充分あった。不時着の原因は燃料切れだという。

嘉手納基地前で抗議行動(27日-QAB)


 米軍は、不当にも沖縄側への機体の引き渡し、現場検証を拒否し、改めて日米地位協定の矛盾を見せ付けている。畑の持ち主が畑の状況を次の日になっても知ることが出来ないとはどういうことなのか。この米兵たちは「嘉手納エアロクラブ」の活動として「公務外」で乗っていたのだから、なおさら沖縄の人々が直接原因究明に携わることが出来て良さそうなものだが。

 事故を起こした172型は、小型飛行機の中では代表的な機種であり、遊覧飛行をするときは大体このセスナが使われる。一方、911事件の加害者とされた人がセスナで3回しか飛行していないのに、ジャンボ機を操縦できるわけがないという陰謀論の証拠になったり、87年に西ドイツの青年がモスクワの「赤の広場」に到着した事件に使われたりしたのも同じ、172型機であった。

 今回の不時着は、民間人がよく起こすセスナの事故と同じく、行楽における事故としてうやむやにされようとしている。

 だが米軍などで使う初等練習機T41などは172型を軍用にしたものだといわれていて、60年代にベトナム空爆を視野に入れて大幅増産されたという経緯がある。

 また有名無実の面があるとはいえ、軍用機を飛ばさない日が定められているが、轟音を立ててジェット機が飛ばない代わりに、多くの軍人軍属がこうして我が物顔で軍事基地周辺の空を飛びまわっている。

 軍人が乗っている場合、これが訓練でないと言い切れるか、疑問である。一頃より下がったとはいえ、石油燃料の高価格を背景に小型飛行機での訓練が奨励されている可能性もあるのである。また日本の法律で認められていない飛行機が地位協定に守られて堂々と飛行していたり、資格のない者が操縦していたりすることも常態化しているといわれている。

 26日には、まだ日本政府が配備を認めていない垂直離発着機MV22オスプレイが、2014年に沖縄で配備完了すると、米海兵隊から明らかにされた。

 沖縄国際大でのヘリ墜落時の記憶は風化してきているかもしれないが、いまこそ軍用機の「NO FLY ZONE」を沖縄の空にも広げていこう。

(海)

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