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「在特会」グループの卑劣な暴力的敵対を許すな
―「慰安婦」意見書採択の成果を全国へ
8月1日「――夏休み・親子で平和を考える――<アジアで何があったの? みて・きいて! お話と「慰安婦」展>」が三鷹市の市民協働センターで開催された。主催はフィリピン元「慰安婦」支援ネット・三多摩(ロラネット)。
▲レイシストの妄動をはねかえして「お話しの会」を成功させる
ロラネットは、日本政府に対して謝罪と補償を求めるフィリピンの元日本軍「慰安婦」(ロラ)の裁判を支援する活動を中心に、十年間にわたって交流・支援の活動を三鷹市を中心に積み重ねてきた。こうした活動の上に、6月23日の三鷹市議会で、市民からの請願に基づき、「被害者の声に耳を傾け、真相究明を行うこと」「『慰安婦』問題の責任を認めて、政府は公式に謝罪すること」「過ちを繰り返さないために、学校などで歴史教育を通じて次世代に事実を伝えること」という国への意見書を採択(賛成17 反対10)することができた。市議会での意見書採択は、昨年の宝塚、清瀬、札幌に続き、今年になってから福岡、箕面、三鷹、小金井、京田辺と合わせて八市に及ぶ。とりわけ六月には一挙に四市が増えた。
一方、ロラネットは三鷹市議会での意見書採択に先立って四月の段階でパネル展示「中学生のための『慰安婦』展」を企画し、7月29日から8月3日までの三鷹市協働センターロビーの使用を慣例に沿って口頭で申し込んだ。市も協働センターもそれを広報で紹介していたのである。
しかしこの間、各地で醜悪きわまる排外主義キャンペーンを展開している西村修平ら「主権回復を目指す会」、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)らは、ロラネットの企画に「慰安婦=売春婦」「慰安婦展はポルノ展示」などと悪罵を投げかけ、その開催を妨害する恫喝を執拗に三鷹市と協働センターに繰り返した。そしてついに七月十三日には市民協働センターは脅しに屈して、ロラネットの会場使用を承認しない、としたのである。
これに対して、ロラネット側は市と協働センターに抗議文を提出すると共に、ねばり強い交渉の末、八月一日から三日まで協働センター会議室での「慰安婦」パネル展と「お話の会」開催にこぎつけることができた。
8月1日、「在特会」らは正午前から五十人以上を動員し、協働センター入り口に詰めかけ主催者と協働センター職員に聞くにたえない排外主義と差別に貫かれた暴言をがなり立て、参加しようとする人びとに突っかかり、会場への参加が事実上困難になる状態が作り出された。警察は、この極右レイシストの集会妨害を事実上放置し、彼らのなすがままに任せたのである。
こうした中で「お話しの会」は午後1時半から開催された。あいさつに立ったロラネット代表の大森進さんは、ロラネットの約十年にわたる活動を紹介するとともに、市議会のパネル展への妨害が「被害にあった人びとの尊厳をおとしめるもの」と厳しく批判、日本政府の謝罪と補償を求めよう、と呼びかけた。
次にアクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)事務局長の渡辺美奈さんが「慰安婦」問題が国連で取り上げられた1990年代から現在にいたる経過について講演した。
1991年に金学順(キム・ハクスン)さんが長年の強制された「沈黙」を破り、日本軍「軍隊慰安婦」として初めて自らの辛い体験を語ったことを契機に、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダなどで被害者たちが声を上げ、損害賠償請求裁判を始め、1993年8月には当時の河野官房長官が「慰安所」設置の軍関与と、「連行の強制性」を認めて、「おわびと反省」の談話を発表した。
また国際的にも「慰安婦」が過去の問題ではなく、今日の武力紛争における性暴力・性奴隷制にかかわるすぐれて今日的な問題であり、この「戦時性暴力」の犯罪者の「不処罰」が繰り返されないためにも日本軍「慰安婦」問題に対する追及と、日本政府の真摯な謝罪と補償の必要が国際的に認識されることになった。
日本では一時教科書にも載った「慰安婦」に関する記述がすべて消され、2000年の女性国際戦犯法廷のNHK番組が安倍晋三、中川昭一らの圧力で改変されるなど「慰安婦強制連行」を否定する右派の反撃が勢いを増すが、二〇〇七年三月の「狭義の意味での強制連行はなかった」という安倍首相の発言が、米国、オランダ、カナダ、EU、そして韓国、台湾などでの「慰安婦」への謝罪と正義を求める国会決議の波を引き起こし、さらにそれが国連機関にも影響をもたらすに至っている。
そして日本の市議会でも昨年以後、八市議会で意見書が採択されるに至った。
このように述べた渡辺さんは、wamを訪れた元日本兵が三時間にわたる話を通じて「慰安婦」の主張を認めるようになったこと、大学の講演で「日本人の誇り」を主張して「慰安婦強制連行」を否定していた学生が、討議の後に渡辺さんの話の多くに納得するメールを送ってきたことを例に、「個人と個人の対話で人は変わりうる」との確信を強調した。
フィリピンの「リラ・フィリピーナ」と「マラヤ・ロラズ―カイサカ」からの連帯メッセージが読み上げられた後、市議会意見書採択の経過をロラネットの山田久仁子さんと三鷹市議会議員の島崎英治さんが報告。山田さんは公明党議員が積極的に請願の仲介を行ってくれ、多数で可決に至ったと語った。三鷹市議会共産党議員団の大城みゆきさんからのメッセージも紹介された。
「お話の会」が終わっても、会場前では「在特会」などのグループが罵声を浴びせ続け、帰ろうとする人びとに突っかかり、「八つ裂きにしてやる」などの威嚇を加えた。そこで参加者たちは、警察の指示で十人でグループを作って順番に帰路につかねばならないという異常事態であった。警察はこの「在特会」らの「やりたい放題」を放置したのである。
(K)