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12月3日、チャベス大統領の提起した「21世紀の社会主義」建設をめざすとする憲法改正案が国民投票により僅差で否決された。
チャベスの憲法改正草案は、現職大統領の立候補の無期限化を柱に、中央銀行の完全国有化、地域・企業・大学などにおける「人民権力」の創出などを謳う内容だったが、これまでのチャベス支持層の一部が「急進的すぎる」として離脱した結果、チャベスは敗北を喫することとなった。
これまでのチャベスの「ボリバール革命」は、彼の個人的資質と突出した人気を背景にした「大統領の権力」と下からの社会革命の進行の結合によって支えられてきたが、ここにきて「大統領の権力による上からの革命」の志向を強めてきたチャベスに、大きな試練が訪れたといっていいだろう。
また、チャベスは11月に「核開発の着手」を表明するなど、国家主義の色彩を強めている。核開発は、民衆全体への敵対であり、いたずらにアメリカを挑発して事態を緊迫させる暴挙として私たちは反対する。また、「反米包囲網」として、「外交儀礼」以上のロシア・中国・イランへの接近についても、苦々しい思いで批判しなければならないだろう。
しかし、ベネズエラにあるものは、本物の社会革命の進行の過程であるのもたしかであり、総体としての「ボリバール革命」はやはり支持に値する。そして、チャベスが提唱した「ドル世界支配とIMF(国際通貨基金)・世銀からの解放」をめざした「南の銀行(バンゴ・デル・スル)」を12月9日に南米6カ国の参加で創設にこぎつけるなど、やはりチャベスの進歩的側面の過小評価は誤りなのである。(F)
INTERNATIONAL VIEWPOINT から翻訳
IVオンライン・マガジン: IV395号 - 2007年12月
ベネズエラの国民投票
チャベスのための後退
フランソワ・サバド, セバスチアン・ヴィレ
http://www.internationalviewpoint.org/spip.php?article1380
右派およびメディアの中傷は、事実によって矛盾を露呈した。「チャベスのベネズエラ」は独裁政治ではなかった、と。国民投票において、チャベスの提案のYESあるいはNOのそれぞれの陣営の何百万もの信奉者が選挙のプロセスに参加し、街頭で実証したのは完全な自由選挙だった。「反乱する中佐」は、右派およびその下僕の大新聞が私たちに提示したような独裁者ではない。チャベスは結果を発表し、自らの敗北を認識した。1999年(訳注-チャベス大統領就任)以来勝ち取られた民主的権利と活発な政治的議論は非常に生きているままである。しかし、疑問は生じるだろう。なぜチャベスは失敗したのか、と。
すべてを説明し、提供するには早すぎるだろう。しかし、チャベズが大衆的な階級において何百万もの票を失ったことは明白だ。この構成では、彼はベネズエラの人々の期待の大部分に応えることができない。チャベスは内部から弱められる結果となった。それは彼の反対派の最初の選挙における勝利だ。この投票は、ベネズエラ統一社会党-PSUVの構築の過程で、現在主張する連合より、さらに顕著に保守的な傾向を強くしている。 (訳注-2006年の大統領選でチャベスを支持した24の政派のうち現在11の政派が結集し、チャベスはさらに広い合流を呼びかけている)
さらに、2009年に彼の任期の中期で起こすことができる(2006年の選挙結果に挑戦する)新しいリコール国民投票によっても、彼は外部からも弱められるだろう。それは不幸にも、ベネズエラおよびラテンアメリカで近年登場した変化を代表するすべての勢力に反対する1ポイントの獲得を意味するだろう。その敗北のコストを払うのは、ラテンアメリカ急進左派である。
したがって、「階級闘争」の力は弱められるだろう。チャベスが人気を獲得していた部門での著しい離脱に示されるように、この敗北は、チャベス政府とベネズエラの反資本主義のために長い間戦ったボリバーリアン革命の最も戦闘的な部分との関係の低下にさらに反映するだろう。最近の数か月、チャベスには急進派および大衆的自己組織化の支持者ではなく、官僚政治および腐敗にリンクされた部分を好む傾向があった。
チャベスのボナパルト主義者的傾向は彼に、大衆運動ではなく国家機構に基づく自分の力に対する過信を抱かせた。これまでチャベスが失敗しなかったのは、巨大な支持を背景にしていたからにすぎないのに、彼は、真の大衆のパワーの出現させる努力を怠ってきた。
私たちの任務として。私たちは、ボリバーリアンの革命的なプロセスの支援を継続する。私たちはためらいなく、右派と帝国主義者の攻撃からチャベスの四方、八方で闘うだろう。また、私たちは、帝国主義およびベネズエラの資本主義を打ち破る急進的プロセスのために、ベネズエラの同志とともに闘い続けるだろう。
●フランソワ・サバドは、革命的共産主義者(LCR-第四インターナショナルのフランス支部)の政治局メンバーおよび第四インターナショナルの執行事務局のメンバー。
●セバスチャン・ヴィレは、ベネズエラへの頻繁なビジターだったLCRのメンバー。