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「神奈川県警の『セカンドレイプ』を許さない!(米兵による性暴力事件 国賠訴訟)
12・4東京地裁『棄却判決』を受けて」報告集会
十二月十日、東京ウィメンズプラザでジェーンさんの裁判を支援する会は、「神奈川県警の『セカンドレイプ』を許さない!(米兵による性暴力事件 国賠訴訟) 12・4東京地裁『棄却判決』を受けて」報告集会を行った。
集会は主催者から事件の概要、ジェーンさんの裁判の経過報告が以下のように行われた。
12・4東京地裁『棄却判決』を受けて」報告集会
十二月十日、東京ウィメンズプラザでジェーンさんの裁判を支援する会は、「神奈川県警の『セカンドレイプ』を許さない!(米兵による性暴力事件 国賠訴訟) 12・4東京地裁『棄却判決』を受けて」報告集会を行った。
集会は主催者から事件の概要、ジェーンさんの裁判の経過報告が以下のように行われた。
〈事件の概要〉
二〇〇二年四月六日未明、在日オーストラリア人女性ジェーンさん(仮名)は、神奈川県横須賀基地の外の駐車場で、米海軍の航空母艦キティホーク勤務の米兵にレイプ被害を受けた。ジェーンさんは米横須賀基地の憲兵隊事務所へ助けを求め、同事務所の通報により横須賀署員が駆けつけた。しかし、すぐに病院へ行きたいという彼女の訴えは聞き入れられず、事件現場で指差しを指示され写真を撮る「実況検分」への協力を強いられた。その後も警察署で男性警察官三人による事情聴取が行われた。
結局、ジェーンさんが診察を受けられたのは朝九時半、病院が開いてからだった。診察が終わって後も警察署での聴取が続き、解放されたのは午後三時になっていた。十二時間もの長い時間、彼女は睡眠も、食事も、一杯の飲み物も、また暴行の際に失われた下着の替えも与えられないまま拘束された。そして、その状態のまま一人で車を運転して自宅に帰った。
犯人は、事件直後に米海軍憲兵隊によって身柄を拘束されたが、後に七月、横浜地検横須賀支部は理由を明らかにしないままに、不起訴を決定した。更に十月には米海軍が予備審問で「軍法会議は不要」という不起訴に相当する決定を出した。
〈犯人米兵に対する民事訴訟〉
日本の警察によっても、米軍によっても犯人の処罰がなされなかったため、ジェーンさんは中野麻美弁護士と秦雅子弁護士の支援を受け、犯人の米兵ブローク・ディーンズ(本名かどうかは疑わしい点がある)を相手どり、東京地裁に民事裁判を起こした。
しかし、犯人は、審理中に除隊してアメリカへ帰国してしまい、被告側弁護士も辞任した。被告不在のまま裁判は続行され、二〇〇四年十一月、東京地裁はジェーンさんの訴えをほぼ全面的に認め、被告に慰謝料など三百万円の賠償を命じた。しかし、ディーンズの所在が確認できず、賠償金は今日まで支払われていない。
〈神奈川県に対する国家賠償請求訴訟〉
二〇〇五年一月二十七日、ジェーンさんは、彼女の意思を無視した神奈川県警の捜査によって精神的苦痛と人権を踏みにじられたとして、東京地裁に、神奈川県を被告とする国家賠償請求の裁判を起こした。
県側は「原告から受診したいとの申し出はなく、外見上、早急な受診が必要な状態ではなかった」「犯行場所の特定や写真撮影を強いたことはない」「原告の申し出を待つまでもなく産婦人科を探した」「替えの下着は申し出たが原告が断った」など全面的に争う姿勢をとった。ジェーンさんが病院受診後、帰宅を許された時間についても「午前十一時」と主張したが、原告が提出したレントゲン写真や病院の会計記録の証拠と矛盾している。
また、「被害者対策要綱」や「性犯罪被害者対応ハンドブック」については、法的義務を定めたものではないと主張。証人尋問で担当の男性警察官らは、「犯罪捜査規範」に関して「通達を読んでいない」「教育を受けていない」と証言。あとから駆けつけた女性警官は「記憶にない」と証言した。二〇〇七年十二月四日、地裁は原告の訴えを棄却し、捜査の違法性を認めないという判決を下した。
次にジェーンさんの裁判を担当した二人の弁護士から発言が行われた。
秦弁護士は、判決に対して県側の主張と矛盾点、地裁判断などを具体的にとりあげ怒りを噛みしめながら批判した。そして、「裁判所は、警察の対応を批判することもなく、県側の主張を認めてしまった。二次被害を防止する姿勢が全くない」と結論づけた。
中野弁護士は、「警察は、被害者の訴えを無視して対応し、実況検分、取り調べを強要した。県は同意があったと繰り返した。これは前安倍首相が従軍慰安婦の問題で強制ではなかったという主張と同様の論理だ。被害者の尊厳の回復は、自己決定だ。セカンドレイプした警察を許してはならない」と強調した。
ジェーンさんは、「皆さん、レイプの被害者と会ったことがありますか。紹介します。ジェーンです。レイプ被害者の違いはありません。みんな人間なんです。日本には24時間のレイプクライシスセンターが存在していない。被害者が回復していくために必要なんです。私の国には存在しているし、日本の警察のような対応をしたらすぐにクビですよ。警察は私を『ゴミくず』のように扱った。警察が本当に変わらないと次々と被害者が生まれてしまう。この問題をもっと広めようとマスコミに電話をかけたが、取り上げるところはわずかだった。警察の体質など本当のことを書けない体質を持っている。変わってほしい」と訴えた。
連帯発言が米軍人・軍属による事件被害者の会、基地はいらない!女たちの全国ネット、NO!レイプNO!ベース女たちの会、アジア女性資料センター、ふぇみん婦人民主くらぶなどから行われた。
(Y)
二〇〇二年四月六日未明、在日オーストラリア人女性ジェーンさん(仮名)は、神奈川県横須賀基地の外の駐車場で、米海軍の航空母艦キティホーク勤務の米兵にレイプ被害を受けた。ジェーンさんは米横須賀基地の憲兵隊事務所へ助けを求め、同事務所の通報により横須賀署員が駆けつけた。しかし、すぐに病院へ行きたいという彼女の訴えは聞き入れられず、事件現場で指差しを指示され写真を撮る「実況検分」への協力を強いられた。その後も警察署で男性警察官三人による事情聴取が行われた。
結局、ジェーンさんが診察を受けられたのは朝九時半、病院が開いてからだった。診察が終わって後も警察署での聴取が続き、解放されたのは午後三時になっていた。十二時間もの長い時間、彼女は睡眠も、食事も、一杯の飲み物も、また暴行の際に失われた下着の替えも与えられないまま拘束された。そして、その状態のまま一人で車を運転して自宅に帰った。
犯人は、事件直後に米海軍憲兵隊によって身柄を拘束されたが、後に七月、横浜地検横須賀支部は理由を明らかにしないままに、不起訴を決定した。更に十月には米海軍が予備審問で「軍法会議は不要」という不起訴に相当する決定を出した。
〈犯人米兵に対する民事訴訟〉
日本の警察によっても、米軍によっても犯人の処罰がなされなかったため、ジェーンさんは中野麻美弁護士と秦雅子弁護士の支援を受け、犯人の米兵ブローク・ディーンズ(本名かどうかは疑わしい点がある)を相手どり、東京地裁に民事裁判を起こした。
しかし、犯人は、審理中に除隊してアメリカへ帰国してしまい、被告側弁護士も辞任した。被告不在のまま裁判は続行され、二〇〇四年十一月、東京地裁はジェーンさんの訴えをほぼ全面的に認め、被告に慰謝料など三百万円の賠償を命じた。しかし、ディーンズの所在が確認できず、賠償金は今日まで支払われていない。
〈神奈川県に対する国家賠償請求訴訟〉
二〇〇五年一月二十七日、ジェーンさんは、彼女の意思を無視した神奈川県警の捜査によって精神的苦痛と人権を踏みにじられたとして、東京地裁に、神奈川県を被告とする国家賠償請求の裁判を起こした。
県側は「原告から受診したいとの申し出はなく、外見上、早急な受診が必要な状態ではなかった」「犯行場所の特定や写真撮影を強いたことはない」「原告の申し出を待つまでもなく産婦人科を探した」「替えの下着は申し出たが原告が断った」など全面的に争う姿勢をとった。ジェーンさんが病院受診後、帰宅を許された時間についても「午前十一時」と主張したが、原告が提出したレントゲン写真や病院の会計記録の証拠と矛盾している。
また、「被害者対策要綱」や「性犯罪被害者対応ハンドブック」については、法的義務を定めたものではないと主張。証人尋問で担当の男性警察官らは、「犯罪捜査規範」に関して「通達を読んでいない」「教育を受けていない」と証言。あとから駆けつけた女性警官は「記憶にない」と証言した。二〇〇七年十二月四日、地裁は原告の訴えを棄却し、捜査の違法性を認めないという判決を下した。
次にジェーンさんの裁判を担当した二人の弁護士から発言が行われた。
秦弁護士は、判決に対して県側の主張と矛盾点、地裁判断などを具体的にとりあげ怒りを噛みしめながら批判した。そして、「裁判所は、警察の対応を批判することもなく、県側の主張を認めてしまった。二次被害を防止する姿勢が全くない」と結論づけた。
中野弁護士は、「警察は、被害者の訴えを無視して対応し、実況検分、取り調べを強要した。県は同意があったと繰り返した。これは前安倍首相が従軍慰安婦の問題で強制ではなかったという主張と同様の論理だ。被害者の尊厳の回復は、自己決定だ。セカンドレイプした警察を許してはならない」と強調した。
ジェーンさんは、「皆さん、レイプの被害者と会ったことがありますか。紹介します。ジェーンです。レイプ被害者の違いはありません。みんな人間なんです。日本には24時間のレイプクライシスセンターが存在していない。被害者が回復していくために必要なんです。私の国には存在しているし、日本の警察のような対応をしたらすぐにクビですよ。警察は私を『ゴミくず』のように扱った。警察が本当に変わらないと次々と被害者が生まれてしまう。この問題をもっと広めようとマスコミに電話をかけたが、取り上げるところはわずかだった。警察の体質など本当のことを書けない体質を持っている。変わってほしい」と訴えた。
連帯発言が米軍人・軍属による事件被害者の会、基地はいらない!女たちの全国ネット、NO!レイプNO!ベース女たちの会、アジア女性資料センター、ふぇみん婦人民主くらぶなどから行われた。
(Y)
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