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 ブラジル・アマゾン河口のベレンで1月27日から2月1日まで開催されている世界社会フォーラム(WSF)に連帯して、1月31日、東京の京橋プラザで「サヨナラ 新自由主義 つくりだそう『もう一つの世界を』 WSF in TOKYO」が開催された。ベレンではオープニングのデモに10万人近くが参加し、参加者登録も9万1千人に及んでいる。


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 ATTACジャパン(首都圏)、ピープルズ・プラン研究所、日本消費者連盟、すぺーすアライズが呼びかけた東京でのこの集まりには雨の中を80人が集まった。

 午前10時からの「プレイベント」では2004年5月のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザのエジプト国境に近いラファへの軍事侵攻のドキュメント映画「レインボー」(アブドゥッサラーム・シャハダ監督、第14回地球環境映画祭アースビジョン大賞)が上映された。

 物資を輸送する「地下トンネル」を叩くという名目で行われたこの「レインボー作戦」をはるかに上回る規模でイスラエル軍はガザ全域への絶滅侵攻・住民虐殺を行った。「パレスチナ子どものキャンペーン」理事の北林岳彦さんが、この映像と重ね合わせて今回のイスラエルのガザ侵略を糾弾した。

 「今回の侵攻の死者は1314人、うち子どもが412人、成人女性が112人。家屋の全壊が4千棟、半壊も1万7千棟に達した。イスラエル軍はさらに白りん弾などの残虐兵器を使用した」。

 「1993年のオスロ合意以後、ガザが直面した事態は、パレスチナ人への差別と人権破壊、古典的な植民地主義、新自由主義、そして対テロ戦争のミックスされた現実だった。新自由主義というのは、それまでイスラエルで建設現場などの日雇い労働に従事していたガザのパレスチナ人労働者がロシア、東欧、中国などからの移住労働者に代替されて労働市場から排除されたことを指している。ガザのイスラエルとの国境地帯には工業団地が建設されたが、それも今は破綻している。今度の戦争で農地も破壊され輸出農業は壊滅した。漁船も破壊され漁業もできない。ガザは今や青空天井の出口のない監獄になっている」。

 「停戦は解決ではない。占領を終わらせ、封鎖を解除し、エジプトとの国境を開放し、ハマスを含めた平和への模索を行わなければならない。そしてイスラエルの人びとをいかにしてシオニズムから脱却させるのか、ということが私たちにも問われている」。

 北林さんはこのように訴えた。


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 次に「オープニングセッション」の全体集会が行われた。司会の稲垣豊さん(ATTACジャパン)が昨年のWSFあらかわに続いて、今回もこうした取り組みが行われた意義にふれ、WSFベレンに連帯する取り組みが、パレスチナのベツレヘムでもイラクのサマワでも行われていることを紹介した。

 オープニングの報告者は小倉利丸さん(ピープルズ・プラン研究所運営委員)、鈴木ふみさん(すぺーすアライズ)、笠原光さん(ピープルズ・プラン研究所)、山浦康明さん(日本消費者連盟)、なすびさん(山谷労働者福祉会館活動委員会、「持たざる者」の国際連帯行動実行委員会)の五人。

 小倉さんは2001年以来積み上げられてきたWSFの歩みとその特徴、成果にふれながら、現在のWSFが抱えている運営上の問題、「もう一つの世界」の具体像、「政治組織、武装闘争組織」の正式参加を認めてこなかった問題、巨大NGOと草の根民衆組織の間のアプローチの違いについて紹介し、今後の方向性を探っていく討論を訴えた。

 鈴木さんは「グローバル・ヘルス・ウォッチ」について紹介しながら「人間の生存と尊厳を守る」ことを第一にしたグローバル資本主義批判の運動を提起した。

 笠原さんは、日本の軍事予算の実態を資料を使って指摘しながら、「軍事予算削減」の主張を前面に押し出し、削減された軍事予算分の資金で医療・福祉、教育などの分野でできることがたくさんあると語った。山浦さんは「環境・食と農の危機」というテーマで報告。「食糧主権の確立、貿易自由化に対抗するルールづくり、経済成長神話の打破、農を大切にする地域循環の構造を社会の基本にすえること」を訴えた。

 「生活・労働・雇用の危機」をテーマに報告したなすびさんは、「昨年の段階では自分たちの活動と新自由主義という問題がなかなか結びつかなかったが、いまや新自由主義批判はこの金融・経済危機と派遣切り・大量解雇の中で当たり前になっている。しかし派遣労働者の問題が焦点化すればいいということではなく、今や資本主義の廃棄という方向の打ち出しが問われているのではないか」と先鋭に討論点を突き出した。

 フロアからの質問、意見が出された後、午後からは
●「経済・金融」
●「平和と戦争」
●「食・農・環境・エネルギー」
●「生活・雇用・労働」
●「WSFの意義」
の五つのテーマに分かれてワークショップが行われ活発な討論が展開された。

 クロージングの全体セッションでは、ワークショップの討論の報告と補足が行われ、また秋本陽子さん(ATTACジャパン)が現地からの国際電話でWSFベレンの模様を報告した。秋本さんは今回のWSFベレンの特徴としてアマゾンの先住民族の人びとが三千人参加し、先住民族の権利と主張が大きく押し出されるフォーラムとなったこと、またベネズエラのチャベス、エクアドルのコレア、ボリビアのモラレス、ブラジルのルラ、パラグアイのルゴの五カ国の左派・中道左派政権の大統領がこぞって参加し、WSFとの連帯をアピールした、と語った。

 なお実行委員会は3月9日に総評会館で「世界社会フォーラム・ベレン」報告集会(午後6時半)を開催する予定である。(K)

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