[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
デモ解散地の代々木公園で四千人の"FREE TIBET!"コール
5月6日、この日に来日した中国国家主席・胡錦濤の来日にあわせて、この4月に結成されたばかりのセイブ・チベット・ネットワークの主催の「チベット問題の平和的解決を求める大集会」が、日本青年館で行なわれた。
最初に、在日チベット人数十人が登壇し、この3月のチベットにおける蜂起に対する中国政府の武力弾圧によって、死者が三百人以上、負傷者が千人以上にのぼり、いまなお「暴動に参加した容疑」で人々が拘束されていることが伝えられた。集会では犠牲者を追悼するために、起立して一分間の黙祷を行なった。
アジア連帯講座は長野で使った横断幕をふたたび翻した
セイブ・チベット・ネットワークの呼びかけ人である牧野聖修さん(前国会議員)は主催者を代表してあいさつを行った。
「3月の蜂起以降、様々な方法で、日本でもチベット支援の動きが広がっている。4.26聖火リレーに対する"Free TIBET!"の三時間に渡る『本物の自由』を訴える長い長いシュプレヒコールは中国サポーターを圧倒していた。真実と正義の訴えが最後に勝利するだろうことを長野で実感した。今日は、胡錦濤に訴え50年に渡る圧制を終わらせるために、デモを企画した。胡錦濤は、87年のチベット弾圧の指揮を執って政府中枢で出世した人物だが、彼が国運を賭けたオリンピックにチベット問題が立ちはだかっているのは歴史の皮肉だ。今日は一日も早く平和的に解決するために、胡錦濤に声を届けよう。また、敵は『中国全体』あるいは人民ではなく、一握りの政府だ。そこを理解して、チベットそしてウイグル、内モンゴルの人々、そして中国の土地を奪われている農民、搾取されている労働者とも連帯しよう。中国の民主化とチベットの真の解放は、一体の問題であることを踏まえて運動を広げよう」と訴えた。
北インドから来日した亡命チベット代表者議会のカルマ・チョペル議長は、現在のチベット民衆の置かれている状況について語った。
「中国政府がチベットで行なったのは人間へのジェノサイドであり、文化・宗教へのジェノサイドだ。チベット人は二流民族扱いされ、自分の土地でマイノリティ扱いされている。3月蜂起の原因は、中国政府の虐待にある。中国政府が幸福をもたらさなかったからこそ蜂起が起こった。チベット人が求めているのは『完全な自治』と『ダライ・ラマの復帰』そして『チベットはチベット人に』ということであり『奪った土地を返せ』ということだ。中国政府が対話を拒むなら、その要求は『独立』となっていくだろう。厳しい状況だがチベット人の決意は高まっている。世界の人々の支援に心から感謝する」と語った。
次に、チベットが中国に侵攻され、植民地化されていく過程についての5分ほどのビデオ上映が行なわれた。ダライ・ラマを「慈悲の化身の生き神」とする宗教教義そのままの内容には私たちとしては思うところもあるが、中国政府の圧制と虐待こそがダライ・ラマに「民族のアイデンティティー」を体現させることになっていく過程を描いたものと考えれば興味深い内容ではあった。
壇上には、内モンゴル独立党、世界ウイグル会議、台湾独立運動の活動家が次々と登壇して、人権と自治、あるいは独立のために連携して、中国内部の民主化の動きとつなかって闘うことをアピールした。
最後に在日チベット人がアピール。
「十年以上日本にいるが、こんなにチベットのために日本の人々が集まる日が来るとは思わなかった。3月の僧侶たちの命を賭けたデモが世界の人々の心を動かした。中国政府は、鉄道を敷き産業を導入してチベットを近代化したなどと言うが、それがチベット人のためのものでないから抵抗が起き、ダライ・ラマが支持されているのだ。我々との『対話』を北京オリンピックのためのパフォーマンスで終わらせてはならない。聖火リレーのチベット通過は、挑発であり屈辱を与えようとするものだ。即刻中止して、チベット人の尊厳に配慮しろ。ほんの少しの慈悲の心と思いやりさえあれば、分かることだ。日本の人々には、いけないことはいけないと言い続けてほしい。これからも力を貸してほしい」と訴えた。
集会は、再び在日チベット人たちが登壇して、チベットの闘争歌『ロンショー』(起ちあがれ!の意)を合唱して閉幕し、デモ行進にうつった。デモは、千人を収容する日本青年館に入場できなかった参加者たちが続々集まり、その数は最終的に四千人を超えた。表参道を通って代々木公園までのデモは"Free TIBET!" "チベット・ウイグル・内モンゴルに自由を" "中国に人権と民主主義を"を元気に訴え、沿道や通過する車から熱烈な支持の声が数多く寄せられた。観光の外国人が、スピーカーの"Free TIBET!"のコールに唱和する。デモは長い長い列となり、最初の列が解散地点に到着してから最後の列が到着するまで、一時間近くかかったのではないだろうか。解散地での四千人を超える人々の"Free TIBET!"の大コールは、ほんとうに圧巻だった。
(F)