アジア連帯講座のBLOGです
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▲1989年5月4日、「民主と科学」を掲げた五四運動70周年
天安門広場を埋め尽くした学生・労働者・市民
1989年6月4日、中国民主化運動は中国共産党の戦車によって押しつぶされたが、民主化を求める運動は連綿と続いている。香港では毎年、追悼集会が行われている。以下は香港・先駆社が配布したチラシの翻訳。(H)
労働者による権利のための闘争と民主的中国
先駆社(香港)
原文 http://www.xinmiao.com.hk/0001/20100603.01T.htm
中国におけるいわゆる「改革・開放」とは、実際には官僚による野蛮な資本主義の実施であり、労働者と農民に対するウルトラ搾取によって官僚と資本家が財を成したものである。しかし官僚による抑圧に民衆は反乱する。それが近年来、中国においてストライキ数が増加している理由である。最近では、劣悪な賃金体系に抗議する佛山ホンダの自動車部品工場での数十日に渡るストライキがある。
これらの闘争を、単純に労働者の切実な経済的利益のためであり、民主主義の実現とは無関係であると考える人もいるだろう。
だがそれは間違っている。労働者は、切実な経済的利益のために闘ってると同時に、自らの尊厳と人権のために闘っている。そして尊厳と人権は民主主義の要素である。
ホンダの争議において、中国の政府系労働組合はストライキに参加している労働者に暴力を振るった。労働者はストライキ継続でそれに反撃し、職場集会で会社側に対して「賃金のことは後でいい。賃金は重要ではない。まず暴行事件について解決せよ!」と叫んだ。(原注1)
搾取に反対する労働者の闘争は、自らの小集団の切迫した利益を超えて、より大きな集団の利益の実現、ひいては社会正義の要求にまで到達することがある。ホンダ労働者はなぜストライキを継続するかと聞かれた際に「嫌なら仕事をやめればいいのかもしれないけど、ホンダはどんどん新しい人を雇うでしょ。そうしたら私たちの兄弟姉妹はここでずっと苦労し続けなければならない!もし私たちがここを辞めるとしても、これからやってくる兄弟姉妹のために少しでも多くの権利を勝ち取っておきたいんだ!これがストライキを継続する理由の一つなんだ!」(原注2)(訳注)
根本的には、労働者による反搾取の闘争は、一種の経済民主主義の精神を暗に含んでいる。職場においてボスの一声で全てが決められてはならない。自らの切迫した利益に関わる事柄すべてに対して決定権がある。
このような職場民主主義の精神をさらに推し進める、すなわち社会の最高経済管理権も人口の多数を占める労働者人民が掌握しなければならない。
一九八九年の中国民主化運動において、当時の進歩的な労働者も次のように主張していた。
「労働者階級は最も進歩的な階級であり、われわれは民主化運動のなかで中心的な力を発揮しなければならない。中華人民共和国は労働者階級が指導するのであり、われわれはすべての独裁者を放逐する権利を持っている。」
「この国家はわれわれ労働者、頭脳・肉体労働者の奮闘と労働によって築き上げられたものだ。われわれはこの国家のしかるべき主人であり、国家が何かをなすべきときには、われわれの声を聞くべきであり、また聞かなければならない!」
労働者階級は民主主義の実現ために奮闘することができるだけでなく、民主主義を実現することもできる。労働者と農民はともに生産階級であり、ともに資本家や官僚を含む全ての人を養っている。労働者と農民によるストライキによって、官僚と資本家の正常な経済活動ひいては正常な生活さえも揺さぶることができる。
労働者階級にはさらにもう一つ、有利な点がある。それは集中、つまり農民よりも集中しているということだ。労働者階級の利点は、デモ行進が可能であるという点にあるのではなく、ストライキにこそある。今回のホンダ部品工場における十数日のストライキによって、中国にあるホンダの全4工場が生産停止に追い込まれ、管理者は譲歩を迫られた。労働者はその実力を見せつけた。
だからこそ、中国民主化を推進するために、中国労働者による権利のための闘争を支持しなければならない。将来、時期が到来した際には、独立した労働者組織の建設を支持する必要もあるだろう。要するに労働運動を促進するということは、民主化運動のための闘争でもあるということだ。
2010年6月4日
原注
(1)2010年06月01日16:27「財新網」http://auto.sina.com.cn/news/2010-06-01/1627608675.shtml
(2)http://bbs.ttx.cn/fm16/thread-318679-1-1.html
訳注
6月3日に公表された佛山ホンダのストライキ労働者交渉代表団による公開書簡は、「私たちの権利のための闘争は、単にこの工場の労働者1800人の利益のためだけではありません。私たちはこの国全体の労働者の権益にも関心を持っているのです」と述べている。(全文はレイバーネット)
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